リングセントラル(RNG)決算分析と目標株価 コミュニケーションツールの一元化を提供するUCaas大手 ビデオ会議も開始

リングセントラル情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とリングセントラルへの投資についてコメントします。

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会社概要

リングセントラル(RingCentral、RNG)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:アプリケーション・ソフトウェア

株式時価総額:264億ドル(2021年6月末)

リングセントラルは、アメリカに本拠を置く、電話やビデオ会議など様々なコミュニケーションツールを一元化した「RingCentral Office」や、アプリ上からインターネット経由でFAXを送受信できる「RingCentral Fax」などを提供する、UCaas(Unified Communication as a Service、統合コミュニケーションサービス)大手企業です。

2020年12月に、ビデオ会議サービス「グリップ(Glip)」のサービスを開始し、チャットモードからビデオ会議やファイル共有モードへの切り替えが瞬時にできる点が特徴です。

(参考)競合他社(アプリケーション・ソフトウェア)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
アドビ(ADBE)2,799
セールスフォース(CRM)2,262
SAP(SAP)1,657
イントゥイット(INTU)1,339
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)1,140
アトラシアン(TEAM)642
オートデスク(ADSK)642
ダッソー・システムズ(DSY.PA)636
ワークデイ(WDAY)590
ドキュサイン(DOCU)545
パランティアテクノロジーズ(PLTR)495
シノプシス(SNPS)421
ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)381
トレードデスク(TTD)368
コンステレーション・ソフトウェア(CSU.TO)321
データドッグ(DDOG)321
ユニティ・ソフトウェア(U)307
アンシス(ANSS)302
ハブスポット(HUBS)272
リングセントラル(RNG)264

 

売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1月-2020年12月期)の売上高は12億ドルと、前年度比+31.1%、過去3年間で年率+33.0%となりました。

 

2021Q2(2021年4−6月期)の売上高は3.8億ドル(前年同期比+36.4%)と、コンセンサス(3.6億ドル)を上回りました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・サブスクリプション:3.5億ドル、前年同期比+37%

・その他:0.3億ドル、前年同期比+34%

セグメント別の売上高構成比は、サブスクリプションが93%を占めます。

 

ARR(年間経常収益)は15.0億ドル(前年同期比+37%)となりました。

 

利益の推移

2021Q2の非GAAP 営業利益は0.4億ドル(前年同期比+36.4%)となりました。

 

2021Q2のEPSは▲1.22ドルと、コンセンサス(▲0.80ドル)を下回りました。

非GAAP EPSは0.32ドル(前年同期比+33.3%)と、コンセンサス(0.28ドル)を上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは▲0.4億ドルと、前年度比赤字転落となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は▲3.0%と、前年度の7.2%から悪化しました。

 

2021Q2の営業キャッシュフローは0.2億ドル(前年同期比▲9.3%)となりました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは▲1.2億ドルと、前年度比赤字転落となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は▲9.9%と、前年度の2.3%から悪化しました。

 

2021Q2のフリーキャッシュフローは0.1億ドル(前年同期比+3.7%)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

配当、自社株買いの実施はほぼなしです。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+5.2%となりました。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去9四半期中、9勝です。

EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去9半期中、7勝、2敗です。

非GAAP EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去9半期中、9勝です。

 
売上高(ドル)GAAP EPS(ドル)非GAAP EPS(ドル)
実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗
2019Q22.22.0-0.11-0.180.210.16
2019Q32.32.2-0.15-0.160.220.19
2019Q42.52.4-0.30-0.340.220.21
2020Q12.72.6-0.70-0.31×0.190.18
2020Q22.82.60.01-0.470.240.20
2020Q33.02.9-0.24-0.470.260.24
2020Q43.33.2-0.02-0.470.29-0.16
2021Q13.53.40.00-0.630.270.25
2021Q23.83.6-1.22-0.80×0.320.28

 

株価上昇率

FY2020(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+124.7%と、S&P500(+16.3%)を上回りました。

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+74.3%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく上回りました。

 

2021Q2の株価上昇率は▲2.5%と、S&P500(+8.2%)を下回りました。

 

競合他社(アプリケーション・ソフトウェア)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

リングセントラル(RNG)の株価上昇率は、2020年の1年間で+125%と、12社平均(+119%)を上回りました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+683%と、9社平均(+393%)を上回りました。

 

2013年9月から2021年7月のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から30%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目0億ドル、2年目1億ドル、3年目+300%、4年目〜6年目+35%、7年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目0億ドル、2年目1億ドル、3年目+300%、4年目〜8年目+50%、9年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目0億ドル、2年目1億ドル、3年目+300%、4年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は276ドルとなります。

・メインシナリオ:276ドル

・アップサイドシナリオ:434ドル

・ダウンサイドシナリオ:146ドル

リングセントラル(RingCentral、RNG)への投資について

2021Q2(2021年4−6月期)の売上高は3.8億ドル(コンセンサス3.6億ドル)、非GAAP EPSは0.32ドル(コンセンサス0.28ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンス(引き上げ)は、以下の通りです。

・売上高:15.39〜15.45億ドル(+30〜31%)

・非GAAP EPS:1.28〜1.30ドル

DCF法による目標株価は276ドルのため、2021年7月末時点の株価267ドルとほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が9.3倍(年率+25%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが25%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

フリーキャッシュフローの安定的な黒字化が早い段階で見えれば、さらに株価が上昇しそうです。

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