ソニーグループ(6758)決算分析と目標株価 ゲームや映画、音楽等のエンタメで利益の過半数を占める

耐久消費財・アパレル

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とソニーグループへの投資についてコメントします。

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会社概要

ソニーグループ(Sony Group Corporation、6758.T)

ホームページ(有報):リンク先

国:日本

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:耐久消費財・アパレル

サブ産業グループ:民生用電子機器

株式時価総額:1,231億ドル(世界ランキング第99位、日本ランキング第4位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:1,323億ドル(2021年3月末、MSCI)

ソニーグループは、日本に本拠を置く、ゲーム(ソフトウェア、ゲーム/ビデオ/音楽コンテンツ関連のネットワークサービス、家庭用ゲーム機等のハードウェア)、音楽(音楽制作、音楽出版、アニメ及び派生ゲームアプリの制作等)、映画(映画制作、テレビ番組制作等)、家電等(テレビ、ブルーレイディスクプレーヤー、カメラ、スマホ等)、イメージング等(イメージセンサー:世界シェア1位)、金融(生命保険、損害保険、銀行)、その他(プロジェクター等のディスプレイ製品、医療用機器)の事業を展開する企業です。

エレクトロニクス(家電等+イメージング等)の売上高構成比率は、1997年度の64%から2020年度には32%まで低下し、昔のソニーとは大きく異なっています。

プレイステーション4の累計販売台数は1億台を突破しました。

日本株式市場で第3位、一般消費財・サービスセクターの耐久消費財・アパレルで第3位の浮動株調整後株式時価総額で、民生用電子機器に占めるソニーの浮動株調整後株式時価総額比率は65%です。

(参考)競合他社(民生用電子機器)の株式時価総額

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は8兆9,994億円と、前年度比+9.0%、過去5年間で年率+2.1%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・ゲーム:2兆6,563億円、前年度比+34%

・音楽:9,399億円、前年度比+11%

・映画:1兆9,207億円、前年度比▲25%

・家電等:1兆9,207億円、前年度比▲4%

・イメージング等:1兆0,125億円、前年度比▲5%

・金融:1兆6,689億円、前年度比+28%

・その他:2,293億円、前年度比▲9%

セグメント別の売上高構成比は、ゲームが29%、音楽が10%、映画が8%、家電等が21%、イメージング等が11%、金融が18%を占めます。

主要製品の販売台数は、以下の通りです。

・PS4:570万台

・PS5:780万台

・テレビ:930万台

・スマホ:290万台

ゲームの売上高の内訳は、以下の通りです。

・ソフトウェア:1兆4,547億円、前年度比+44%

・ネットワーク:3,830億円、前年度比+14%

・ハードウェア:7,671億円、前年度比+34%

2021年3月末のPS Plus有料会員数は0.48億、PSネットワークの月間アクティブユーザー数は1.09億となりました。

音楽の売上高の内訳は、以下の通りです。

・音楽制作(ストリーミング):3,830億円、前年度比+14%

・音楽制作(その他):1,792億円、前年度比▲6%

・音楽出版:1,569億円、前年度比▲0%

・映像メディア:2,541億円、前年度比+19%

映画の売上高の内訳は、以下の通りです。

・映画制作:2,711億円、前年度比▲43%

・テレビ番組制作:2,671億円、前年度比▲11%

・メディアネットワーク:2,194億円、前年度比▲6%

家電等の売上高の内訳は、以下の通りです。

・テレビ:7,090億円、前年度比+10%

・オーディオ/ビデオ:3,140億円、前年度比▲9%

・静止画/動画カメラ:3,387億円、前年度比▲12%

・モバイル:3,586億円、前年度比▲1%

・その他:1,826億円、前年度比▲21%

地域別の売上高構成比は、日本が33%、米国が24%、欧州が20%、中国が8%、アジアパシフィックが10%、その他が5%を占めます。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は9,719億円と、前年度比+15.0%、過去5年間で年率+27.0%となりました。

営業利益率は10.8%と、前年度の10.2%から改善しました。

セグメント別の営業利益構成比は、ゲームが32%、音楽が18%、映画が8%、家電等が13%、イメージングが14%、金融が15%を占めます。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは937円と、前年度比+103%、過去5年間で年率+51.5%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは1兆3,502億円と、前年度比+0.0%、過去5年間で年率+12.5%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は15.0%と、前年度の16.3%から悪化しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは8,379億円と、前年度比▲7.6%、過去5年間で年率+17.5%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は9.3%と、前年度の11.0%から悪化しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020は、自社株買い実施はほぼなしです。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は8.1%、フリーキャッシュフロー利回りは5.9%と、バリュエーション面で割安感があります。

FY2020の配当利回りは0.5%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去4年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、10%以下です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは55円と、前年度比+22.2%、過去5年間で年率+22.4%となりました。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.1%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去4年間のROICは20%程度と、高い水準です。

BPSとPBRの推移

以下のグラフは、BPSとPBR(株価は会計年度末)の推移となります。

FY2020のBPSは4,499円と、前年度比+33.1%、過去5年間で年率+18.2%となりました。

FY2020のPBRは2.6倍です。

以下のグラフは、株式市場全体および11セクターのPBRと予想ROE(2021年3月末、MSCI)の散布図となります。

ROEが高いほど、PBRも高いことが言えます(決定係数は0.847と、説明力は非常に高い)。

金融セクターやエネルギーセクターは、ROEが低いためPBRの観点で割安に放置されています。

株価上昇率

FY2020(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+56.7%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+54.9%)を上回りました。

過去5年間(2016年4月から2021年3月末)の株価上昇率は年率+31.0%と、VT ETF(年率+11.0%)を大きく上回りました。

過去10年間(2011年5月から2021年4月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.3%、金利が1%上昇した場合は7.2%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+4%、2年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+4%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は12,135円となります。

ソニーグループ(Sony Group Corporation、6758.T)への投資について

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は8兆9,994億円(前年度比+9.0%)、純利益は1兆1,718億円(前年度比+101%)と、増収増益となりました。

過去4年間のROICは20%前後と、投資効率は高いです。

FY2021のガイダンス(前提:1ドル=107円前後、1ユーロ=126円前後)は、以下の通りです。

・売上高:9兆7,000億円(前年度比+8%)

・営業利益:9,300億円(前年度比▲4%)

・純利益:6,600億円(前年度比▲44%)

DCF法による目標株価は12,135円のため、2021年4月末時点の株価3,232円より高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.4倍(年率+3%)、FY2021にフリーキャッシュフローマージンが9.0%まで低下後、横ばいで推移することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

FY2021は、鬼滅の刃の貢献が減少するものの、PS5の販売増や経済再開に伴い映画等の売上増が想定されます。

テンセント🇨🇳に投資しているので、ソニーへ投資することはないですが、日本企業のなかでは、素晴らしい業績です。

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