エムスリー(2413)決算分析と目標株価 医療従事者専用サイトを運営 ヘルスケアテクノロジーで株式時価総額トップクラス

エムスリーヘルスケア機器・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とエムスリーへの投資についてコメントします。

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会社概要

エムスリー(M3, Inc.、2413.T)

ホームページ(有報):リンク先

国:日本

セクター:ヘルスケア

産業グループ:ヘルスケア機器・サービス

サブ産業グループ:ヘルスケア・テクノロジー

株式時価総額:6.6兆円(日本ランキング第15位、2020年12月末)

エムスリーは、日本に本拠を置く、医療従事者専門サイト「m3.com」の運営を中心に、メディカルプラットフォーム(プラットフォーム上で医師への情報提供のサポート等)、エビデンスソリューション(治験支援サービス、大規模臨床研究支援サービス)、キャリアソリューション(医師・薬剤師向け求人求職支援サービス)、サイトソリューション(医療機関の運営サポート)等の事業を展開する企業です。

m3.comの会員数が30万人(全医師の92%)を突破しました。

(参考)競合他社(ヘルスケア・テクノロジー)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
エムスリー(2413.T)480
ヴィーバ・システムズ(VEEV)476
アリババヘルス/阿里健康信息技術(0241.HK)304
サーナー(CERN)236
テラドック・ヘルス(TDOC)257
グッドアールエックスHD(GDRX)142
チェンジ・ヘルスケア(CHNG)71
オムニセル(OMCL)65
インスパイア・メディカル・システムズ(INSP)53
イノベーロン(INOV)53

 

売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は1,692億円と、前年度比+29.2%、過去5年間で年率+21.2%となりました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・プラットフォーム:771億円、前年度比+50%

・治験/臨床研究支援:195億円、前年度比▲9%

・求人求職支援:135億円、前年度比▲12%

・医療機関運営サポート:166億円、前年度比+35%

・海外:421億円、前年度比+41%

・その他:33億円、前年度比+1%

 

セグメント別の売上高構成比は、プラットフォームが45%、治験/臨床研究支援が11%、求人求職支援が8%、医療機関運営サポートが10%、海外が24%を占めます。

 

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は580億円と、前年度比+68.8%、過去5年間で年率+23.7%となりました。

営業利益率は34.3%と、前年度の26.2%から改善しました。

 

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

 

FY2020のEPSは56円と、前年度比+74.7%、過去5年間で年率+23.6%となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは466億円と、前年度比+74.1%、過去5年間で年率+30.9%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は27.6%と、前年度の20.5%から改善しました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは446億円と、前年度比+86.4%、過去5年間で年率+31.4%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は26.4%と、前年度の18.3%から改善しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

株主還元に消極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は0.7%、フリーキャッシュフロー利回りは0.9%です。

FY2020の配当利回りは0.2%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、20%前後です。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは12円と、前年度比+41.2%、過去5年間で年率+5.9%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+1.0%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは20%以上と、高い水準です。

 

株価上昇率

FY2020(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+137.0%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+54.9%)を上回りました。

過去5年間(2016年4月から2021年3月末)の株価上昇率は年率+39.8%と、VT ETF(年率+11.0%)を大きく上回りました。

 

競合他社(ヘルスケア・テクノロジー)の株価上昇率(M3は日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

エムスリー(M3)の株価上昇率は、2020年の1年間で+195%と、8社平均(+81%)を上回り、8社中第1位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+391%と、6社平均(+240%)を上回り、6社中第3位となりました。

 

過去10年間(2011年5月から2021年4月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.8%、金利が1%上昇した場合は6.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜4年目+30%、5年目〜7年目+25%、8年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜5年目+20%、6年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は8,303円となります。

 

エムスリー(M3, Inc.、2413.T)への投資について

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は1,692億円(前年度比+29.2%)、営業利益は58億円(前年度比+68.8%)、純利益は378億円(前年度比+74.8%)と、増収増益となりました。

FY2021のガイダンスは、変動要素が多いため、なしとなりました。

DCF法による目標株価は8,303円のため、2021年5月末時点の株価7,407円より高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が5.0倍(年率+17%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが50%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

コロナの恩恵を受けたため、しばらく厳しいかもしれませんが、成長余地は大きいため、株価が下落した局面では投資したいと思います。

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