メドトロニック(MDT)決算分析と目標株価 心臓等循環器系に強み 株価は不調 43年連続増配中

ヘルスケア機器・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とメドトロニックへの投資についてコメントします。

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会社概要

メドトロニック(Medtronic、MDT)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アイルランド

セクター:ヘルスケア

産業グループ:ヘルスケア機器・サービス

サブ産業グループ:ヘルスケア機器

株式時価総額:1,577億ドル(世界ランキング第71位、2020年12月末)

メドトロニックは、アイルランドに本拠を置く、世界で初めて心臓ペースメーカーを開発した、医療機器等を製造・販売するヘルスケア企業です。

ヘルスケアセクターで第10位、ヘルスケア機器・サービスで第3位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、ヘルスケア機器に占めるメドトロニックの浮動株調整後株式時価総額比率は11%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q3(2020年11月−2021年1月期)の売上高は78億ドル(前年同期比+0.8%)と、コンセンサス(77.7億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・CVG(心臓、血管等):27億ドル、前年同期比▲4.0%

・MITG(低侵襲治療):23億ドル、前年同期比+6.3%

・RTG(脳、脊椎等):21億ドル、前年同期比+0.7%

・糖尿病:6億ドル、前年同期比+3.3%

セグメント別の売上高構成比は、CVG(心臓、血管等)が35%、MITG(低侵襲治療)が30%、RTG(脳、脊椎等)が27%、糖尿病が8%を占めます。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・アメリカ:39億ドル、前年同期比▲2.0%

・先進国(除くアメリカ):25億ドル、前年同期比+6.1%

・新興国:13億ドル、前年同期比▲0.3%

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で+7.4%となりました。

(参考)過去5年間の1株あたり売上高とPSR(株価は会計年度末時点)

1株あたり売上高は、過去5年間で年率+3.2%となりました。

利益の推移

2021Q3(2020年11月−2021年1月期)の営業利益は13億ドル(前年同期比▲22.1%)、営業利益率は16.4%と、前年同期の21.2%から悪化しました。

2021Q3のEPSは0.94ドル(前年同期比▲33.8%)と、コンセンサス(0.72ドル)を上回りました。

なお、非GAAP EPSは1.29ドルと、コンセンサス(1.15ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で+8.0%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q3(2020年11月−2021年1月期)の営業キャッシュフローは24億ドル(前年同期比▲2.1%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は30.3%と、前年同期の31.2%から悪化しました。

2021Q3の設備投資額/売上高は4.7%と、前年同期の3.8%から増加しました。

2021Q3のフリーキャッシュフローは20億ドル(前年同期比▲5.7%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は25.6%と、前年同期の27.4%から悪化しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で+8.1%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で+6.8%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

2021Q3の自社株買いは、ほぼ実施なしとなりました。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.6%、フリーキャッシュフロー利回りは4.6%です。

過去5年間の配当利回りは2%代前半です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは2.28ドルと、前年同期比+7.5%、過去5年間では年率+9.6%となりました。

43年連続増配中です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+4.0%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、8勝です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、5勝、3敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、7勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年2月から2021年1月末)の株価上昇率は▲3.6%と、S&P500の株価上昇率+15.2%を下回りました。

競合他社(ヘルスケア機器・サービス)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

メドトロニック(MDT)の株価上昇率は、2020年の1年間で+3%と、10社平均(+14%)を下回り、10社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+45%と、10社平均(+57%)を下回り、10社中第6位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

メドトロニックは、必ずしも下落相場に強いとは言い難いです。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2015年5月から2020年4月末)の株価上昇率は年率+5.6%と、S&P500(年率+6.9%)を下回りました。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.3%、金利が1%上昇した場合は6.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は114ドルとなります。

メドトロニック(Medtronic、MDT)への投資について

2021Q3(2020年11月−2021年1月期)の売上高は78億ドル(コンセンサス77.7億ドル)、非GAAP EPSは1.29ドル(コンセンサス1.15ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

DCF法による目標株価は114ドルのため、2021年2月末時点の株価117ドルと同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.6倍(年率+5%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである21%(過去5年平均は17%)が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いを実施しているので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

魅力的な企業が多いヘルスケア機器の中では、パッとしないメドトロニックです。

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