ダナハー(DHR)決算分析と目標株価 買収企業を改善・長期保有で成長し続ける事業ポートフォリオ

ヘルスケア機器・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とダナハーへの投資についてコメントします。

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会社概要

ダナハー(Danaher、DHR)

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国:アメリカ

セクター:ヘルスケア

産業グループ:ヘルスケア機器・サービス

サブ産業グループ:ヘルスケア機器

株式時価総額:1,578億ドル(世界ランキング、第70位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:1,418億ドル(2020年12月末、MSCI)

ダナハーは、アメリカに本拠を置く、ライフサイエンスや検査器具、環境などの事業を手掛ける企業です。

企業(事業)買収後に収益改善(Kaizen)を図り続けて事業構築するダナハー ・ビジネス・システム(DBS)によって成長し続けており、長期保有している点が投資会社と異なります。

2020年3月末に、GEからバイオ医薬の検査機器などのバイオファーマ事業の買収が完了(新ブランド名はCytiva/サイティバ)し、ダナハーにとっては過去最大の買収案件(214億ドル)となりました。

ヘルスケアセクターのヘルスケア機器・サービスでは第4位の浮動株調整後株式時価総額で、ヘルスケア機器に占めるダナハーの浮動株調整後株式時価総額比率は10%です。

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売上高(セグメント別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は68.6億ドル(前年同期比+57.9%)と、コンセンサス(66.0億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・生命科学:35億ドル、前年同期比+115%

・診断:22億ドル、前年同期比+34%

・環境&応用ソリューション:11億ドル、前年同期比+6%

セグメント別の売上高構成比は、生命科学が52%、診断が32%、環境&応用ソリューションが17%を占めます。

FY2020の地域別の売上高構成比は、北米が40%、高成長市場が30%、欧州が24%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+13.8%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q1の営業利益は20億ドル(前年同期比+186%)、営業利益率は29.1%と、前年同期の16.1%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

2021Q1のEPSは2.29ドル(前年同期比+183%)と、コンセンサス(1.23ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは2.52ドルと、コンセンサス(1.77ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去3年間で年率+11.5%、過去5年間で年率+0.6%となりました。

非GAAP EPSは、過去5年間で年率+8.0%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは19億ドル(前年同期比+128%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は27.3%と、前年同期の18.9%から改善しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは16億ドル(前年同期比+136%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は23.6%と、前年同期の15.8%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+10.3%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+10.1%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いの実施はなしです。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.2%、フリーキャッシュフロー利回りは3.4%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、20%以下です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは0.72ドルと、前年度比+5.9%、過去5年間では年率+5.9%となりました。

FY2021のDPSは0.84ドル(前年度比+16.7%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+0.3%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、8勝です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、7勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+62.6%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を上回りました。

競合他社(ヘルスケア機器・サービス)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ダナハー (DHR)の株価上昇率は、2020年の1年間で+45%と、10社平均(+14%)を上回り、10社中第1位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+139%と、10社平均(+57%)を上回り、10社中第1位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ダナハーは、下落相場に比較的強いと言えます。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

ドローダウンは比較的小さく、株式市場全体の急落時を除いて、最高値から5%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+25.8%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.8%、金利が1%上昇した場合は5.8%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は270ドルとなります。

ダナハー(Danaher、DHR)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は68.6億ドル(コンセンサス66.0億ドル)、非GAAP EPSは2.52ドル(コンセンサス1.77ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高(非GAAP):+10%台後半

DCF法による目標株価は270ドルのため、2021年4月末時点の株価254ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.0倍(年率+7%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである24%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ヘルスケアセクターの中では、サーモフィッシャー・サイエンティフィックと並んで、魅力的な企業なので、機会があれば投資したいと思います。

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