ペイパル(PYPL)決算分析と目標株価 モバイル決済の普及で業績拡大 個人間送金アプリ「Venmo」が絶好調

ペイパル 情報処理・外注サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とペイパルへの投資についてコメントします。

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会社概要

ペイパル(Paypal、PYPL)

ホームページ(SEC):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:情報処理・外注サービス

株式時価総額:2,744億ドル(世界ランキング第27位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:2,612億ドル(2020年12月末、MSCI)

ペイパルは、アメリカに本拠を置く、決済サービスを提供する企業です。

買い手と売り手の間にペイパルが入ることで、買い手にとっては支払い情報が売り手に伝わらないメリットがあり、売り手にとっては、オンライン上でクレジットカードや銀行口座等の決済が可能で、支払い完了後は売り手のビジネスアカウントに即時入金してくれるメリットがあります。

2020年11月に、ビットコイン等の暗号資産の取引サービスを開始しました。

情報技術セクターで第8位、ソフトウェア・サービスで第4位の浮動株調整後株式時価総額で、情報処理・外注サービスに占めるペイパルの株式時価総額比率は17%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は60.3億ドル(前年同期比+30.6%)と、コンセンサス(59.0億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・決済手数料:56.2億ドル、前年同期比+33.4%

・その他付加価値サービス:4.1億ドル、前年同期比+2.2%

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+18.3%となりました。

アクティブアカウント数、総取扱高(TPV)、テイクレート

アクティブアカウント数(2021年3月末)は3.9億件と、前年同期比+21%となりました。

新規アクティブアカウント数は1,450万と、前年同期比▲28%となりました。

2021Q1の1アカウント当たり平均取引回数(過去12ヶ月)は42.2回です。

2021Q1の総取扱高(TPV)は2,854億ドルと、前年同期比+50%となりました。

クロスボーダー総取扱高は480億ドルと、TPV全体の17%を占めます。

個人間送金アプリであるVenmoの総取扱高は510億ドルと、前年同期比+63%となりました。

取引テイクレート(決済手数料/TPV)と取引コストは、以下の通りです。

利益の推移

2021Q1の営業利益は10.4億ドル(前年同期比+162%)、営業利益率は17.3%と、前年同期の8.6%から改善しました。

2021Q1のEPSは0.92ドルと、コンセンサス(0.64ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.22ドル(前年同期比+85%)と、コンセンサス(1.02ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+28.8%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは17.65億ドル(前年同期比+23.7%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は29.1%と、前年同期の30.8%から悪化しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは15.4億ドル(前年同期比+26.0%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は25.5%と、前年同期の26.3%から悪化しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+18.1%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+22.3%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

無配です。

2021Q1は、13億ドルの自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は1.5%、フリーキャッシュフロー利回りは1.8%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.7%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、7勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+153.6%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を大きく上回りました。

競合他社(情報処理・外注サービス)の株価上昇率(Adyen:ユーロ建て、その他:ドル建て)は、以下の通りです。

ペイパル(PYPL)の株価上昇率は、2020年の1年間で+117%と、11社平均(+64%)を上回り、11社中第3位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+218%と、9社平均(+144%)を上回り、9社中第2位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+45.3%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.4%、金利が1%上昇した場合は8.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年+目+20%、4年目〜10年目+25%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜7年目+15%、8年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は253ドルとなります。

ペイパル(Paypal、PYPL)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は60.3億ドル(コンセンサス59.0億ドル)、非GAAP EPSは1.22ドル(コンセンサス1.02ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスを引き上げました。

・売上高:257.5億ドル(+20%)

・非GAAP EPS:〜4.70ドル(〜+21%)

・フリーキャッシュフロー:60億ドル

・TPV:+30%

DCF法による目標株価は258ドルのため、2021年4月末時点の株価262ドルとほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が4.2倍(年率+15%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが35%(FY2020:23%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

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