オラクル(ORCL)決算分析と目標株価 怒涛の自社株買いにより総還元利回りは10%超

システム・ソフトウェア

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とオラクルへの投資についてコメントします。

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会社概要

オラクル(Oracle、ORCL)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:システム・ソフトウェア

株式時価総額:1,948億ドル(世界ランキング第49位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:1,290億ドル(2020年12月末、MSCI)

オラクルは、アメリカに本拠を置く、主力のデータベース管理システムに加え、ERP(企業資源計画)、CRM(顧客関係管理)、HCM(人材管理)等の企業向けソフトウェアの開発・販売などを手掛ける企業です。

データベースの最大手であるオラクルが開発するOracle Databaseは、リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)と呼ばれ、データを2次元の表形式で管理(Excelのようなイメージ)し、SQL言語を使用してデータを操作します。

情報技術セクターソフトウェア・サービスで第9位の浮動株調整後株式時価総額で、システム・ソフトウェアに占めるオラクルの浮動株調整後株式時価総額比率は6%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q3(2020年11月−2021年2月期)の売上高は100.9億ドルと、前年同期比+3.0%となり、コンセンサス(100.7億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・クラウドサービス&ライセンスサポート:73億ドル、前年同期比+4.6%

・クラウドライセンス&オンプレミスライセンス:13億ドル、前年同期比+3.7%

・ハードウェア:8億ドル、前年同期比▲4.3%

・ソフトウェア:7億ドル、前年同期比▲5.3%

セグメント別の売上高構成比は、クラウドサービス&ライセンスサポートが72%を占めます。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・アメリカ大陸:54億ドル、前年同期比+1.1%

・欧州/中東/アフリカ:30億ドル、前年同期比+5.1%

・アジアパシフィック:17億ドル、前年同期比+5.1%

地域別の売上高構成比は、アメリカ大陸が54%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

利益の推移

2021Q3(2020年11月−2021年2月期)の営業利益は39億ドルと、前年同期比+9.9%となり、営業利益率は38.5%と、前年同期の36.0%から改善しました。

2021Q3のEPSは1.68ドルと、コンセンサス(0.86ドル)を上回りました。

なお、非GAAP EPSは1.16ドルと、コンセンサス(1.11ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2021Q3(2020年11月−2021年2月期)の営業キャッシュフローは37億ドルと、前年同期比+23.0%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は36.7%と、前年同期の30.7%から改善しました。

2021Q3の設備投資額/売上高は4.1%と、前年同期の4.0%から増加しました。

2021Q3のフリーキャッシュフローは33億ドルと、前年同期比+25.8%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は32.6%と、前年同期の26.7%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いを、過去5四半期実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は5.7%、フリーキャッシュフロー利回りは6.5%と、バリュエーション面では割安感があります。

2年連続で、総還元利回りは10%を超えました。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

過去5年間の増配率は年率+13.5%です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲6.1%減少しました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは20%程度であり、投資効率は比較的高いですが、マイクロソフト等競合他社と比較すると劣後します。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、5勝です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、8勝です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、7勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年3月から2021年2月末)の株価上昇率は+30.4%と、S&P500の株価上昇率+29.0%を上回りました。

競合他社(システム・ソフトウェア)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

オラクル(ORCL)の株価上昇率は、2020年の1年間で+22%と、9社平均(+138%)を下回りました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+37%と、6社平均(+153%)を下回りました。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.8%、金利が1%上昇した場合は5.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+1%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は70ドルとなります。

オラクル(Oracle、ORCL)への投資について

2021Q3(2020年12月−2021年2月期)の売上高は100.9億ドル(前年同期比+3%、コンセンサス100.7億ドル)、非GAAP EPSは1.16ドル(コンセンサス1.11ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

DCF法による目標株価は70ドルのため、2021年3月末時点の株価70ドルとほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.1倍(年率+1.0%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである30%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

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