BCE(BCE)決算分析と目標株価 カナダ最大の電気通信事業者 配当方針はフリーキャッシュフローの約7割

BCE電気通信サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とBCEへの投資についてコメントします。

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会社概要

BCE(BCE Inc.、BCE.TO、BCE)

ホームページ(IR):リンク先

国:カナダ

セクター:コミュニケーション・サービス

産業グループ:電気通信サービス

サブ産業グループ:総合電気通信サービス

株式時価総額:448億ドル(2021年6月末)

BCEは、カナダに本拠を置く、ワイヤレス、ワイヤライン(インターネットアクセス、IPTV(インターネットプロコトルテレビ)、衛星テレビ等)、メディアの事業を展開する大手電気通信事業者です。

(参考)競合他社(電気通信サービス)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
ベライゾン(VZ)2,320
AT&T(T)2,063
TモバイルUS(TMUS)1,806
ソフトバンクグループ(9984.T)1,195
チャイナ・モバイル(0941.HK)1,280
ドイツ・テレコム(DTE.GE)1,010
NTT(9432.T)952
KDDI(9433.T)703
ソフトバンク(9434.T)614
ボーダフォン・グループ(VOD)477
アメリカ・モービル(AMX)497
BCE(BCE)448

 

売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1月-2020年12月期)の売上高は229億カナダドルと、前年度比▲3.8%、過去5年間で年率+1.2%となりました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・ワイヤレス:87億カナダドル、前年度比▲4%

・ワイヤライン:122億カナダドル、前年度比▲1%

・メディア:28億カナダドル、前年度比▲15%

 

セグメント別の売上高構成比は、ワイヤレスが37%、ワイヤラインが52%、メディアが12%を占めます。

 

2020年12月末の携帯電話(月払い)契約件数は939万(前年度比+2.5%)となりました。

 

2020年12月末のTV(IPTV、衛星テレビ)契約数は274万(前年度比▲1%)となりました。

 

利益(セグメント別)の推移

FY2020の非GAAP EBITDAは96億カナダドルと、前年度比▲4.0%、過去5年間で年率+2.4%となりました。

非GAAP EBITDAマージンは42.0%と、前年度の42.1%とほぼ同水準となりました。

 

セグメント別の非GAAP EBITDAマージンは、以下の通りです。

 

FY2020の非GAAP EPSは3.02カナダドルと、前年度比▲12.7%、過去5年間で年率▲2.1%となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは78億カナダドルと、前年度比▲2.6%、過去5年間で年率+4.3%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は33.9%と、前年度の33.4%から改善しました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは36億カナダドルと、前年度比▲10.8%、過去5年間で年率+6.1%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は15.5%と、前年度の16.7%から悪化しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに消極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は5.1%、フリーキャッシュフロー利回りは7.2%です。

FY2020の配当利回りは6.1%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向(キャッシュフロー)は、80%前後です。

配当方針は、フリーキャッシュフローの65〜75%です。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは3.33カナダドルと、前年度比+5.0%、過去5年間で年率+5.1%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+1.3%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは8%前後です。

 

株価上昇率

FY2020(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は▲9.5%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+14.3%)を下回りました。

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+0.4%と、VT ETF(年率+9.9%)を大きく下回りました。

 

競合他社(電気通信サービス)の株価上昇率(9984.T、9432.T、9433.T、9434.Tは日本円建て、0941.HKは香港ドル建て、DTE.GEはユーロ建て)は、以下の通りです。

BCE(BCE、USドル建て)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲8%と、12社平均(+2%)を下回り、12社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では▲11%と、11社平均(+6%)を下回り、11社中第7位となりました。

 

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から15%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

トレンドラインを超えるまで時間がかかりそうですが、越えれば2015年のように株価上昇に弾みがつきそうです。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.6%、金利が1%上昇した場合は5.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億カナダドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+3%、2年目〜10年目+1%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+3%、2年目〜10年目+2%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+3%、2年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は65カナダドルとなります。

 

BCE(BCE Inc.、BCE.TO、BCE)への投資について

FY2020(2020年1月-2020年12月期)の売上高は229億カナダドル(前年度比▲3.8%)、非GAAP EPSは3.02カナダドル(前年度比▲12.7%)と、減収減益となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:前年度比+2%〜5%

・非GAAP EBITDA:前年度比+2%〜5%

・非GAAP EPS:前年度比+1%〜6%

DCF法による目標株価は65カナダドルのため、2021年5月末時点の株価60カナダドル(50USドル)より高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.1倍(年率+1%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである16%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

無理して海外の通信事業会社へ投資しなくても、為替リスクを負わず、配当利回りも悪くないNTTやKDDI、ソフトバンクで十分な気がします。

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