KDDI(9433)決算分析と目標株価 決済/金融取扱高は9兆円(+38%)を突破 au経済圏拡大中

電気通信サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とKDDIへの投資についてコメントします。

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会社概要

KDDI(KDDI Corporation、9433.T)

ホームページ(有報):リンク先

国:日本

セクター:コミュニケーション・サービス

産業グループ:電気通信サービス

サブ産業グループ:無線通信サービス

株式時価総額:7.1兆円(日本ランキング第13位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:488億ドル(2021年4月末、MSCI)

KDDIは、日本に本拠を置く、パーソナル事業(個人向け通信サービスやエネルギー、コマース、金融/決済等)、ビジネス事業(企業向け通信サービス等)、その他(通信設備建設及び保守等)の事業を展開する、電気通信事業者です。

電気通信サービスに占めるKDDIの浮動株調整後株式時価総額比率は3%です。

(参考)競合他社(電気通信サービス)の株式時価総額

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売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は5兆3,126億円と、前年度比+1.4%、過去5年間で年率+3.5%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・パーソナル:4兆5,851億円、前年度比+1%

・ビジネス:9,916億円、前年度比+5%

・その他:783億円、前年度比▲3%

セグメント別の売上高構成比は、パーソナルが82%、ビジネスが17%、その他が1%を占めます。

2021年3月末のau契約数は2,345万(前年度比▲3%)、UQ mobile+MVNO契約数は392万(前年度比+28%)となりました。

FY2020のライフデザイン領域の売上高は1兆3,050億円(前年度比+9%、売上高全体に占める比率25%)、営業利益は1,980億円(前年度比+11%、営業利益全体に占める比率19%)となりました。

2021年3月末のau Payカード会員数は650万(前年度比+20%)、auスマートパスプレミアムは1,137万(前年度比+18%)、auでんき等契約数は288万(前年度比+16%)となりました。

FY2020の決済/金融取扱高は9.01兆円(前年度比+38%)となりました。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は1兆0,374億円と、前年度比+1.2%、過去5年間で年率+4.5%となりました。

営業利益率は19.5%と、前年度の19.6%とほぼ同水準となりました。

FY2020のEBITDAは1兆7,862億円と、前年度比+2.0%、過去5年間で年率+4.8%となりました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは284円と、前年度比+3.1%、過去5年間で年率+7.5%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは1兆6,822億円と、前年度比+27.1%、過去5年間で年率+13.7%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は31.7%と、前年度の25.3%から改善しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは1兆0,575億円と、前年度比+50.2%、過去5年間で年率+24.8%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は19.9%と、前年度の13.4%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は8.4%、フリーキャッシュフロー利回りは13.6%と、バリュエーション面で割安感があります。

FY2020の配当利回りは3.5%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向(利益)は、40%前後で推移しました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは120円と、前年度比+4.3%、過去5年間で年率+11.4%となりました。

FY2021のDPSは125円(前年度比+4.2%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.7%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは10%以上と、比較的高い水準です。

BPSとPBRの推移

以下のグラフは、BPSとPBR(株価は会計年度末)の推移となります。

FY2020のBPSは2,092円と、前年度比+9.7%、過去5年間で年率+9.5%となりました。

FY2020のPBRは1.6倍です。

以下のグラフは、株式市場全体および11セクターのPBRと予想ROE(2021年3月末、MSCI)の散布図となります。

ROEが高いほど、PBRも高いことが言えます(決定係数は0.847と、説明力は非常に高い)。

金融セクターやエネルギーセクターは、ROEが低いためPBRの観点で割安に放置されています。

株価上昇率

FY2020(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+6.4%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+54.9%)を下回りました。

過去5年間(2016年4月から2021年3月末)の株価上昇率は年率+2.5%と、VT ETF(年率+11.0%)を大きく下回りました。

競合他社(電気通信サービス)の株価上昇率(NTT、SBG、KDDI、SBは日本円建て、DTE.GEはユーロ建て)は、以下の通りです。

KDDI(KDDI)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲6%と、11社平均(+6%)を下回り、11社中第6位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+9%と、10社平均(+11%)を下回り、10社中第4位となりました。

過去10年間(2011年5月から2021年4月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から15%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.0%、金利が1%上昇した場合は5.9%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目▲40%、2年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目▲30%、2年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目▲60%、2年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は4,796円となります。

KDDI(KDDI Corporation、9433.T)への投資について

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は5兆3,126億円(前年度比+1.4%)、純利益は6,515億円(前年度比+1.8%)と、増収増益となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:5兆3,500億円(前年度比+0.7%)

・営業利益:1兆0,500億円(前年度比+1.2%)

・純利益:6,550億円(前年度比+0.5%)

・ライフデザイン領域売上高:1兆5,000億円(前年度比+14.9%)

・ライフデザイン領域営業利益:2,500億円(前年度比+26.3%)

DCF法による目標株価は4,796円のため、2021年4月末時点の株価3,306円より高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.1倍(年率+1%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが11%まで低下することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ROEとPBRの関係による目標株価は、若干ではあるものの年々ROEが減少していることから、厳しめにROE(FY2020:14%)が10%とした場合、3,604円となります。

通信量収入は引き続き減少が想定されますが、金融等のライフデザイン領域は業績拡大が見込めます。

通信事業会社へ投資したいのであれば、ベライゾンやAT&Tではなく、為替リスクを負わず、配当利回りも悪くないKDDI等で十分な気がします。

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