アプライド・マテリアルズ(AMAT)決算分析と目標株価 世界最大級の半導体製造装置メーカー 成膜装置等は高いシェア

アプライド・マテリアルズ情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアプライド・マテリアルズへの投資についてコメントします。

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会社概要

アプライド・マテリアルズ(Applied Materials, Inc.、AMAT)

ホームページ(SEC):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:半導体・半導体製造装置

サブ産業グループ:半導体製造装置

株式時価総額:1,302億ドル(2021年6月末)

アプライド・マテリアルズは、アメリカに本拠を置く、半導体製造装置やサービス(半導体メーカー向けに生産性向上のためのソリューションを提供)、スマホ等のディスプレイ向け装置の開発・製造・販売を行う、世界最大級の半導体製造装置メーカーです。

半導体製造装置の主な製品として、ウエハー処理工程(前工程)で使用されるプラズマCVD(プラズマを使用して基板上に薄膜を形成)、PVD(物理的手段を用いて基板上に薄膜を形成)、スパッタリング装置(真空中でイオンを衝突させて基板上に薄膜を形成)、CMP装置(科学研磨剤を使って機械的にウエハーを研磨する工程で使用)などが挙げられ、これらは世界シェアトップの製品です。

また、ドライエッチング装置(高真空プラズマを利用して真空容器内でガスをプラズマ化し、イオンの化学反応を使って、ウエハー上に形成した薄膜にフォトレジストがコーティングされている部分は残り、フォトレジストがない部分が削られることで凹凸ができパターンが形成)では、ラムリサーチ、東京エレクトロンに次いで世界第3位です。

FY2020の売上高のうち、サムスン電子🇰🇷向けが18%、台湾セミコンダクター🇹🇼向けが18%を占めます。

 

(参考)競合他社(半導体製造装置)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
ASML(ASML)2,908
アプライド・マテリアルズ(AMAT)1,302
ラムリサーチ(LRCX)928
東京エレクトロン(8035.T)676
KLA(KLAC)497
テラダイン(TER)223
エンフェーズ・エナジー(ENPH)249
アドバンテスト(6857.T)176
レーザーテック(6920.T)177
ASMインターナショナル(ASM.AS)160
インテグリス(ENTG)167

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2019年11月-2020年10月期)の売上高は172億ドルと、前年度比+17.8%、過去5年間で年率+12.2%となりました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・半導体製造装置:114億ドル、前年度比+26%

・サービス:42億ドル、前年度比+8%

・ディスプレイ/周辺市場:16億ドル、前年度比▲4%

 

セグメント別の売上高構成比は、半導体製造装置が66%、サービスが24%を占めます。

 

半導体製造装置の用途別売上高構成比は、ファウンドリ/ロジックが59%、DRAMが20%、フラッシュメモリが21%を占めます。

 

地域別の売上高構成比は、中国が32%、韓国が18%、台湾が23%、日本が12%、東南アジアが2%、米国が9%、欧州が4%を占めます。

 

半導体の市場規模の見込み

2020年の半導体の市場規模は4,404億ドル(前年度比+7%)となりました。

WSTSによると、2021年予想は5,272億ドル(前年度比+20%)、2022年予想は5,734億ドル(前年度比+9%)です。

 

2020年の半導体製造装置の市場規模は712億ドル(前年度比+19%)となりました。

 

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は44億ドルと、前年度比+30.3%、過去5年間で年率+20.9%となりました。

営業利益率は25.4%と、前年度の22.9%から改善しました。

 

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

 

FY2020のEPSは3.92ドルと、前年度比+37.1%、過去5年間で年率+28.5%となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは38億ドルと、前年度比+17.2%、過去5年間で年率+26.7%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は22.1%と、前年度の22.2%とほぼ同水準となりました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは34億ドルと、前年度比+20.5%、過去5年間で年率+29.0%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は19.7%と、前年度の19.2%から改善しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は6.6%、フリーキャッシュフロー利回りは6.2%と、バリュエーション面で割安感があります。

FY2020の配当利回りは1.5%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、30%程度です。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは0.87ドルと、前年度比+4.8%、過去5年間で年率+16.8%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲5.5%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは30%程度と、投資効率は高いです。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去10四半期中、9勝、1敗です。

 

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去10四半期中、4勝、5敗、1引き分けです。

 

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去10四半期中、9勝、1引き分けです。

 

株価上昇率

FY2020(2019年11月から2020年10月末)の株価上昇率は+9.2%と、S&P500(+7.7%)を上回りました。

過去5年間(2015年11月から2020年10月末)の株価上昇率は年率+28.7%と、S&P500(年率+9.5%)を大きく上回りました。

 

競合他社(半導体製造装置)の株価上昇率(8035.T、6857.T、6920.Tは日本円建て、ASM.ASはユーロ建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

アプライド・マテリアルズ(AMAT)の株価上昇率は、2020年の1年間で+41%と、11社平均(+112%)を下回り、11社中第10位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+69%と、11社平均(+860%)を下回り、11社中第11位となりました。

 

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

半導体は市況の影響を受けやすいため、ドローダウンが大きいです。

最高値から40%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

トレンドラインを大きく上回っており、下落リスク、もしくは日柄調整が必要です。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.6%、金利が1%上昇した場合は8.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+40%、2年目+20%、3年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+40%、2年目+20%、3年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目+20%、3年目〜4年目+10%、5年目〜10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は141ドルとなります。

 

アプライド・マテリアルズ(Applied Materials, Inc.、AMAT)への投資について

FY2020(2019年11月-2020年10月期)の売上高は172億ドル(前年度比+17.8%)、非GAAP EPSは4.17ドル(前年度比+37.2%)と、増収増益となりました。

FY2021上半期の業績も絶好調です。

・売上高:前年度比+32%

・非GAAP EPS:前年度比+62%

・フリーキャッシュフロー:前年度比+47%

DCF法による目標株価は141ドルのため、2021年5月末時点の株価138ドルとほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.8倍(年率+11%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが25%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いに積極的なので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

この1年間で株価が急騰したことから割安感は薄れましたが、半導体市況が当面好調なことから、株価は堅調に推移すると思われます。

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