レーザーテック(6920)決算分析と目標株価 半導体マスク欠陥検査装置は世界シェアトップ 半導体の微細化でより重要に

レーザーテック情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とレーザーテックへの投資についてコメントします。

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会社概要

レーザーテック(Lasertec Corporation、6920.T)

ホームページ(有報):リンク先

国:日本

セクター:情報技術

産業グループ:半導体・半導体製造装置

サブ産業グループ:半導体製造装置

レーザーテックは、日本に本拠を置く、半導体関連装置、エネルギー・環境関連装置、FPD関連装置およびレーザー顕微鏡の開発、製造、販売、サービスの提供を行う、半導体製造装置メーカーです。

半導体フォトマスクやマスクブランクスを光で検査する欠陥検査装置は、世界シェアトップです。

フォトマスクとは、マスクブランクスに回路パターンを形成したもので、露光(リソグラフィ)でウエハーにパターンを転写させる際の原版となります。

半導体の微細化に伴い、マスクパターンもより高精細になっており、マスク 上の微細な欠陥や、ヘイズ(成長性異物)は半導体の良品率に大きく影響するため、検査装置の重要性が高まっています。

FY2020の売上高のうち、台湾セミコンダクターが42%、インテルが15%、サムスン電子が11%を占めます。

 

(参考)競合他社(半導体製造装置)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
ASML(ASML)2,908
アプライド・マテリアルズ(AMAT)1,302
ラムリサーチ(LRCX)928
東京エレクトロン(8035.T)676
KLA(KLAC)497
テラダイン(TER)223
エンフェーズ・エナジー(ENPH)249
アドバンテスト(6857.T)176
レーザーテック(6920.T)177
ASMインターナショナル(ASM.AS)160
インテグリス(ENTG)167

 

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2019年7月-2020年6月期)の売上高は426億円と、前年度比+48.0%、過去5年間で年率+22.9%となりました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・半導体関連装置:344億円、前年度比+74%

・その他製品:22億円、前年度比▲51%

・サービス:60億円、前年度比+32%

 

セグメント別の売上高構成比は、半導体関連装置が81%、その他製品が5%、サービスが14%を占めます。

 

地域別の売上高構成比は、日本が17%、韓国が14%、台湾が46%、その他アジアが6%、米国が18%、欧州が0%を占めます。

 

半導体の市場規模の見込み

2020年の半導体の市場規模は4,404億ドル(前年度比+7%)となりました。

WSTSによると、2021年予想は5,272億ドル(前年度比+20%)、2022年予想は5,734億ドル(前年度比+9%)です。

 

2020年の半導体製造装置の市場規模は712億ドル(前年度比+19%)となりました。

 

利益の推移

FY2020の営業利益は151億円と、前年度比+89.7%、過去5年間で年率+26.1%となりました。

営業利益率は35.4%と、前年度の27.6%から改善しました。

 

FY2020のEPSは120円と、前年度比+82.4%、過去5年間で年率+29.7%となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは165億円と、前年度比+184.2%、過去5年間で年率+74.0%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は38.7%と、前年度の20.2%から改善しました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは147億円と、前年度比+202.8%、過去5年間で年率+72.9%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は34.5%と、前年度の16.9%から改善しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに消極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は1.2%、フリーキャッシュフロー利回りは1.6%です。

FY2020の配当利回りは0.4%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向(利益)は、35%程度です。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは43円と、前年度比+80.9%、過去5年間で年率+29.9%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間でほぼ横ばいとなりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去3年間のROICは20%程度です。

 

株価上昇率

FY2020(2019年7月から2020年6月末)の株価上昇率は+375.9%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(▲0.5%)を上回りました。

過去5年間(2016年4月から2021年3月末)の株価上昇率は年率+88.8%と、VT ETF(年率+4.0%)を大きく上回りました。

 

競合他社(半導体製造装置)の株価上昇率(8035.T、6857.T、6920.Tは日本円建て、ASM.ASはユーロ建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

レーザーテック(6920.T)の株価上昇率は、2020年の1年間で+118%と、11社平均(+112%)を上回り、11社中第2位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+751%と、11社平均(+860%)を下回り、11社中第2位となりました。

 

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から20〜30%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

トレンドラインを上回っており、上昇トレンドです。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを8.1%、金利が1%上昇した場合は9.0%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+0%、2年目〜3年目+50%、4年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+0%、2年目〜5年目+50%、6年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+0%、2年目+50%、3年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は18,283円となります。

 

レーザーテック(Lasertec Corporation、6920.T)への投資について

FY2020(2019年7月-2020年6月期)の売上高は426億円(前年度比+48.0%)、営業利益は151億円(前年度比+89.7%)、純利益は108億円(前年度比+82.4%)と、大幅な増収増益となりました。

FY2021(〜Q3)の業績も、絶好調です。

・売上高:前年度比+103%

・EPS:前年度比+114%

DCF法による目標株価は18,283円のため、2021年5月末時点の株価20,600円より低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が24.5倍(年率+38%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが20%まで低下することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

業績は絶好調で、わずか2年で株価は10倍以上上昇しました。

引き続き好調な半導体市況が見込まれるものの、割高感が見られます。

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