東京エレクトロン(8035)決算分析と目標株価 半導体製造装置で世界第4位の株式時価総額 世界シェアが高い製品が多い

東京エレクトロン 情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出と東京エレクトロンへの投資についてコメントします。

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会社概要

東京エレクトロン(Tokyo Electron Limited、8035.T)

ホームページ(有報):リンク先

国:日本

セクター:情報技術

産業グループ:半導体・半導体製造装置

サブ産業グループ:半導体製造装置

株式時価総額:6.0兆円(日本ランキング第20位、2020年12月末)

東京エレクトロンは、日本に本拠を置く、半導体製造装置やFPD(フラットパネルディスプレイ、平坦な板状のディスプレイ)製造装置の開発・製造・販売・保守サービス等を行う半導体製造装置メーカーです。

半導体製造装置の主な製品として、ウエハー処理工程で使用されるコータ/デベロッパ(世界シェア87%/第1位)、ドライエッチング装置(世界シェア27%/ラムリサーチに次いで第2位)、成膜装置(世界シェア38%)、洗浄装置(世界シェア20%/SCREENに次いで第2位)と、ウエハー検査工程で使用されるウエハープローバ(世界シェア45%/東京精密とほぼ互角)が挙げられます。

コータとは、ウエハーにフォトレジスト(感光剤)を塗布する装置、デベロッパは露光した部分のフォトレジストを溶かす装置で、東京エレクトロンがほぼ独占状態です。

FPD製造装置の主な製品として、FPDコータ/デベロッパ(世界シェア16%)、FPDプラズマエッチング装置(世界シェア71%)が挙げられます。

半導体製造装置に占める東京エレクトロンの浮動株調整後株式時価総額比率は9%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は1兆3,991億円と、前年度比+24.1%、過去5年間で年率+16.1%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・半導体製造装置:1兆3,152億円、前年度比+24%

・FPD製造装置:838億円、前年度比+27%

セグメント別の売上高構成比は、半導体製造装置が94%、FPD製造装置が6%を占めます。

半導体製造装置(新規装置)の製品別売上高構成比は、コータ/デペロッパが25%、エッチング装置が38%、成膜装置が21%、洗浄装置が8%、ウエハープローバが7%を占めます。

半導体製造装置の売上高構成比は、日本が15%、北米が12%、欧州が5%、韓国が21%、台湾が19%、中国が25%を占めます。

半導体の市場規模の見込み

2020年の半導体の市場規模は4,404億ドル(前年度比+7%)となりました。

WSTSによると、2021年予想は5,272億ドル(前年度比+20%)、2022年予想は5,734億ドル(前年度比+9%)です。

2020年の半導体製造装置の市場規模は712億ドル(前年度比+19%)となりました。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は3,207億円と、前年度比+35.1%、過去5年間で年率+22.4%となりました。

営業利益率は22.9%と、前年度の21.0%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは1,553円と、前年度比+33.4%、過去5年間で年率+27.6%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは1,459億円と、前年度比▲42.4%、過去5年間で年率+16.0%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は10.4%と、前年度の22.5%から悪化しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは850億円と、前年度比▲57.6%、過去5年間で年率+8.2%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は6.1%と、前年度の17.8%から悪化しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020は、自社株買いの実施はほぼなしとなりました。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.3%、フリーキャッシュフロー利回りは1.2%です。

FY2020の配当利回りは1.7%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向(利益)は、50%です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは781円と、前年度比+32.8%、過去5年間で年率+26.9%となりました。

配当方針は、配当性向(利益)50%です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.6%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去4年間のROICは30%程度と、投資効率は高いです。

株価上昇率

FY2020(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+129.9%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+54.9%)を上回りました。

過去5年間(2016年4月から2021年3月末)の株価上昇率は年率+44.9%と、VT ETF(年率+11.0%)を大きく上回りました。

競合他社(半導体製造装置)の株価上昇率(8035.T、6857.T、6920.Tは日本円建て、ASM.ASはユーロ建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

東京エレクトロン(8035.T)の株価上昇率は、2020年の1年間で+61%と、11社平均(+112%)を下回り、11社中第8位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+88%と、11社平均(+860%)を下回り、11社中第10位となりました。

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から30%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

トレンドラインを上回っており、上昇トレンドです。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.5%、金利が1%上昇した場合は8.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+100%、2年目+60%、3年目+15%、4年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+100%、2年目+60%、3年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+100%、2年目+60%、3年目+15%、4年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は41,702円となります。

東京エレクトロン(Tokyo Electron Limited、8035.T)への投資について

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は1兆3,991億円(前年度比+24.1%)、営業利益は3,207億円(前年度比+35.1%)、純利益は2,429億円(前年度比+31.2%)と、増収増益となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:1兆7,000億円

・営業利益:4,420億円

・純利益:3,300億円

DCF法による目標株価は41,702円のため、2021年5月末時点の株価48,660円より低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.2倍(年率+8%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが20%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

急ピッチで株価が急騰したことから、割高感がみられます。

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