ラム・リサーチ(LRCX)決算分析と目標株価 エッチング装置は世界シェアトップの半導体製造装置メーカー メモリ向けに強み

ラム・リサーチ情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とラム・リサーチへの投資についてコメントします。

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会社概要

ラム・リサーチ(Lam Research Corporation、LRCX)

ホームページ(SEC):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:半導体・半導体製造装置

サブ産業グループ:半導体製造装置

浮動株調整後株式時価総額:929億ドル(2021年5月末、MSCI)

ラム・リサーチは、アメリカに本拠を置く、ウエハー処理工程(前工程)で使用されるドライエッチング装置や成膜装置、洗浄装置などの開発・製造・販売等を行う、大手半導体製造装置メーカーです。

ドライエッチング装置(高真空プラズマを利用して真空容器内でガスをプラズマ化し、イオンの化学反応を使って、ウエハー上に形成した薄膜にフォトレジストがコーティングされている部分は残り、フォトレジストがない部分が削られることで凹凸ができパターンが形成)は、世界シェアトップです。

メモリ向けに強みがありますが、以下のメモリの市場規模の増加率(前年度比)にある通り、メモリはブレ幅が大きいことがわかります。

 

FY2020の全体の売上高のうち、4顧客で約6割(24%、14%、10%、10%)を占めます。

 

(参考)競合他社(半導体製造装置)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
ASML(ASML)2,908
アプライド・マテリアルズ(AMAT)1,302
ラムリサーチ(LRCX)928
東京エレクトロン(8035.T)676
KLA(KLAC)497
テラダイン(TER)223
エンフェーズ・エナジー(ENPH)249
アドバンテスト(6857.T)176
レーザーテック(6920.T)177
ASMインターナショナル(ASM.AS)160
インテグリス(ENTG)167

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2019年7月-2020年6月期)の売上高は100億ドルと、前年度比+4.1%、過去5年間で年率+13.8%となりました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・半導体製造装置:66億ドル、前年度比+3%

・サービス:34億ドル、前年度比+7%

 

セグメント別の売上高構成比は、半導体製造装置が66%、サービスが34%を占めます。

 

半導体製造装置の用途別売上高構成比は、メモリが58%、ファウンドリが31%、ロジックが11%を占めます。

 

地域別の売上高構成比は、中国が31%、韓国が24%、台湾が19%、日本が10%、東南アジアが6%、米国が8%、欧州が3%を占めます。

 

半導体の市場規模の見込み

2020年の半導体の市場規模は4,404億ドル(前年度比+7%)となりました。

WSTSによると、2021年予想は5,272億ドル(前年度比+20%)、2022年予想は5,734億ドル(前年度比+9%)です。

 

2020年の半導体製造装置の市場規模は712億ドル(前年度比+19%)となりました。

 

利益の推移

FY2020の営業利益は27億ドルと、前年度比+8.5%、過去5年間で年率+27.7%となりました。

営業利益率は26.6%と、前年度の25.5%から改善しました。

 

FY2020のEPSは15.10ドルと、前年度比+10.2%、過去5年間で年率+32.5%となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは21億ドルと、前年度比▲33.0%、過去5年間で年率+22.0%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は21.2%と、前年度の32.9%から悪化しました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは19億ドルと、前年度比▲33.0%、過去5年間で年率+26.8%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は19.1%と、前年度の29.8%から悪化しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は4.7%、フリーキャッシュフロー利回りは4.0%です。

FY2020の配当利回りは1.4%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、20〜30%程度です。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは4.60ドルと、前年度比+4.5%、過去5年間で年率+40.5%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲3.4%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは40%程度と、投資効率は高いです。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、5勝、1敗、1引き分けです。

 

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、6勝、1敗です。

 

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、7勝です。

 

株価上昇率

FY2020(2019年7月から2020年6月末)の株価上昇率は+72.2%と、S&P500(+5.4%)を上回りました。

過去5年間(2015年7月から2020年6月末)の株価上昇率は年率+31.8%と、S&P500(年率+8.5%)を大きく上回りました。

 

競合他社(半導体製造装置)の株価上昇率(8035.T、6857.T、6920.Tは日本円建て、ASM.ASはユーロ建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

ラム・リサーチ(LRCX)の株価上昇率は、2020年の1年間で+62%と、11社平均(+112%)を下回り、11社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+157%と、11社平均(+860%)を下回り、11社中第8位となりました。

 

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

半導体は市況の影響を受けやすいため、ドローダウンが大きいです。

最高値から20〜30%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

トレンドラインを上回っており、上昇トレンドです。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.4%、金利が1%上昇した場合は7.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+60%、2年目+20%、3年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+40%、2年目+20%、3年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目+20%、3年目〜5年目+10%、6年目〜10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は701ドルとなります。

 

ラム・リサーチ(Lam Research Corporation、LRCX)への投資について

FY2020(2019年7月-2020年6月期)の売上高は100億ドル(前年度比+4.1%)、EPSは15.10ドル(前年度比+10.2%)と、増収増益となりました。

FY2021(〜Q3)の業績も絶好調です。

・売上高:前年度比+45%

・EPS:前年度比+82%

・フリーキャッシュフロー:前年度比+64%

DCF法による目標株価は701ドルのため、2021年5月末時点の株価650ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.1倍(年率+12%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが25%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いに積極的なので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

この1年間で株価が急騰したことから割安感は薄れましたが、半導体市況が当面好調なことから、株価は堅調に推移すると思われます。

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