KLA(KLAC)決算分析と目標株価 シリコンウエハー欠陥検査等の半導体検査装置で世界シェアトップ

KLA情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とKLAへの投資についてコメントします。

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会社概要

KLA(KLA Corporation、KLAC)

ホームページ(SEC):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:半導体・半導体製造装置

サブ産業グループ:半導体製造装置

KLAは、アメリカに本拠を置く、世界シェア断トツトップである半導体検査装置(シリコンウエハー欠陥検査装置やパターン検査装置等)などの開発・製造・販売等を行う、大手半導体製造装置メーカーです。

FY2021の全体の売上高のうち、10%以上を占める顧客は、台湾セミコンダクターとサムスン電子です。

 

(参考)競合他社(半導体製造装置)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
ASML(ASML)2,908
アプライド・マテリアルズ(AMAT)1,302
ラムリサーチ(LRCX)928
東京エレクトロン(8035.T)676
KLA(KLAC)497
テラダイン(TER)223
エンフェーズ・エナジー(ENPH)249
アドバンテスト(6857.T)176
レーザーテック(6920.T)177
ASMインターナショナル(ASM.AS)160
インテグリス(ENTG)167

 

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2021(2020年7月-2021年6月期)の売上高は69億ドルと、前年度比+19.2%、過去5年間で年率+18.3%となりました。

 

主要製品別の売上高は、以下の通りです。

・ウエハー検査:27億ドル、前年度比+28%

・パターニング:15億ドル、前年度比+18%

・特殊半導体プロセス:3億ドル、前年度比+13%

・プリント配線基盤/ディスプレイ/電子部品検査:6億ドル、前年度比+13%

・サービス:17億ドル、前年度比+14%

主要製品別の売上高構成比は、ウエハー検査が38%、パターニングが22%、特殊半導体プロセスが4%、プリント配線基盤/ディスプレイ/電子部品検査が8%、サービスが24%を占めます。

KLA

 

地域別の売上高構成比は、台湾が24%、中国が26%、韓国が19%、日本が9%、その他アジアが4%、米国が11%、欧州/イスラエルが6%を占めます。

 

半導体の市場規模の見込み

2020年の半導体の市場規模は4,404億ドル(前年度比+7%)となりました。

WSTSによると、2021年予想は5,272億ドル(前年度比+20%)、2022年予想は5,734億ドル(前年度比+9%)です。

 

2020年の半導体製造装置の市場規模は712億ドル(前年度比+19%)となりました。

 

利益の推移

FY2021の営業利益は25億ドルと、前年度比+41.5%、過去5年間で年率+21.0%となりました。

営業利益率は36.0%と、前年度の30.3%から改善しました。

 

FY2021のEPSは13.37ドルと、前年度比+73.6%、過去5年間で年率+24.4%となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2021の営業キャッシュフローは22億ドルと、前年度比+22.8%、過去5年間で年率+23.5%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は31.6%と、前年度の30.6%から改善しました。

 

FY2021のフリーキャッシュフローは20億ドルと、前年度比+20.1%、過去5年間で年率+21.8%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は28.2%と、前年度の28.0%から改善しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

近年は、自社株買いを実施しています。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2021の益利回り(PERの逆数)は4.1%、フリーキャッシュフロー利回りは3.9%です。

FY2021の配当利回りは1.1%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、30〜50%程度です。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2021のDPSは3.60ドルと、前年度比+4.3%、過去5年間で年率+11.4%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.2%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

FY2021のROICは34%と、投資効率は高いです。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去9四半期中、9勝です。

EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去9四半期中、7勝、1敗、1引き分けです。

非GAAP EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去9四半期中、9勝です。

 
売上高(ドル)非GAAP EPS(ドル)非GAAP EPS(ドル)
実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗
2020Q114.113.52.161.922.482.20
2020Q215.014.92.402.272.662.58
2020Q314.214.00.502.06×2.472.36
2020Q414.614.22.632.232.732.42
2021Q115.414.92.692.583.002.79
2021Q216.516.02.942.943.243.21
2021Q318.017.53.663.413.853.62
2021Q419.318.84.103.814.434.00
2022Q120.820.46.964.324.644.52

 

株価上昇率

FY2021(2020年7月から2021年6月末)の株価上昇率は+66.7%と、S&P500(+38.6%)を上回りました。

過去5年間(2016年7月から2021年6月末)の株価上昇率は年率+34.6%と、S&P500(年率+15.4%)を大きく上回りました。

 

競合他社(半導体製造装置)の株価上昇率(8035.T、6857.T、6920.Tは日本円建て、ASM.ASはユーロ建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

KLA(KLAC)の株価上昇率は、2020年の1年間で+45%と、11社平均(+112%)を下回り、11社中第9位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+146%と、11社平均(+860%)を下回り、11社中第9位となりました。

 

過去10年間(2011年11月から2021年10月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

半導体は市況の影響を受けやすいため、ドローダウンが大きいです。

最高値から15〜20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

トレンドラインを大きく上回っています。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.9%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜7年目+10%、8年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜3年目+15%、4年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は431ドルとなります。

・メインシナリオ:431ドル

・アップサイドシナリオ:520ドル

・ダウンサイドシナリオ:338ドル

KLA(KLA Corporation、KLAC)への投資について

FY2021(2020年7月-2021年6月期)の売上高は69億ドル(前年度比+19.2%)、EPSは13.37ドル(前年度比+73.6%)と、増収増益となりました。

DCF法による目標株価は431ドルのため、2021年10月末時点の株価373ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.5倍(年率+9%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが30%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ウエハー欠陥検査装置等は非常に高いシェアを有していることから、競合他社と比較して利益率やキャッシュフローマージンが高い点は魅力的です。

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