ディズニー(DIS)決算分析と目標株価 ディズニープラスやHulu等の動画配信サービスの赤字幅は縮小

ディズニーコミュニケーション・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とディズニーへの投資についてコメントします。

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会社概要

ディズニー(Disney、DIS)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:コミュニケーション・サービス

産業グループ:メディア・娯楽

サブ産業グループ:映画・娯楽

株式時価総額:1,653億ドル(世界ランキング第71位、2023年12月末)

ディズニーは、アメリカに本拠を置く、世界的なエンターテインメント企業です。

2006年に74億ドルでピクサー、2009年に40億ドルでマーベル、2012年に40.5億ドルでルーカスフィルム、2019年に713億ドルで21世紀フォックスを買収しました。

2009年にHuluへ30%出資後、2019年の21世紀フォックスの買収によって過半数の株式を取得、残りの株式をコムキャストから完全取得する予定です(日本のHuluは2014年に日本テレビへ譲渡)。

 

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2023(2022年10月-2023年9月期)の売上高は889億ドルと、前年度比+7.5%、過去5年間で年率+8.4%となりました。

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セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・TV局や動画配信(スポーツ除く)等:406億ドル、前年度比+3%

・スポーツ:171億ドル、前年度比▲1%

・テーマパーク等:325億ドル、前年度比+16%

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HuluやESPN等のストリーミング事業の売上高は219億ドル(前年度比+12%)、営業利益は26億ドル(前年度比赤字幅縮小)となりました。

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地域別の売上高は、以下の通りです。

・アメリカ大陸:712億ドル、前年度比+4%

・欧州:95億ドル、前年度比+10%

・アジアパシフィック:82億ドル、前年度比+19%

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動画配信サービスの加入者数の推移

2023年12月末時点のディズニープラスの加入者数は1.126億人(前年度比+9%)、ESPN+の加入者数は0.26億人(前年度比+7%)、Huluの加入者数は0.485億人(前年度比+3%)となりました。

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利益(セグメント別)の推移

FY2023の営業利益は90億ドルと、前年度比+32.8%、過去5年間で年率▲9.5%となりました。

営業利益率は10.1%と、前年度の8.2%から改善しました。

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セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

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FY2023の非GAAP EPSは3.76ドルと、前年度比+6.5%、過去5年間で年率▲11.9%となりました。

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キャッシュフローの推移

FY2023の営業キャッシュフローは99億ドルと、前年度比+64.4%、過去5年間で年率▲7.1%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は11.1%と、前年度の7.3%から改善しました。

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FY2023のフリーキャッシュフローは49億ドルと、前年度比+362%、過去5年間で年率▲13.0%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は5.5%と、前年度の1.3%から改善しました。

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株主還元(配当、自社株買い)の推移

近年株主還元はなしです。

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(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

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(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

3年間連続で無配ですが、今後復配の見通しです。

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(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+3.9%となりました。

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株価上昇率

FY2023の株価上昇率は▲14.1%と、S&P500(+19.6%)を下回りました。

過去5年間(2018年10月から2023年9月末)の株価上昇率は年率▲7.0%と、S&P500(年率+8.0%)を大きく下回りました。

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過去10年間(2014年1月から2023年12月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

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(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

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DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

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① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+30%、4年目〜5年目+15%、6年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+30%、4年目〜7年目+20%、6年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は114ドルとなります。

・メインシナリオ:114ドル

・アップサイドシナリオ:146ドル

・ダウンサイドシナリオ:71ドル

ディズニー(Disney、DIS)への投資について

FY2023の売上高は889億ドル(前年度比+7.5%)、非GAAP EPSは3.76ドル(前年度比+6.5%)となりました。

DCF法による目標株価は114ドルのため、2023年12月末時点の株価90ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.6倍(年率+10%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが10%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

業績・株価ともに非常に厳しかったですが、ストリーミング事業の黒字化が進めば株価反発が期待できそうです。

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