テスラ(TSLA)決算分析と目標株価 EV(電気自動車)の勝ち組 温暖化ガス排出枠の寄与は低下 自動車事業で利益拡大

テスラ自動車・自動車部品

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とテスラへの投資についてコメントします。

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会社概要

テスラ(Tesla、TSLA)

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国:アメリカ

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:自動車・自動車部品

サブ産業グループ:自動車製造

株式時価総額:6,548億ドル(世界ランキング第8位、2021年6月末)

テスラは、アメリカに本拠を置く、EV(電気自動車)の製造・販売等を行う企業です。

 

(参考)競合他社(自動車製造)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
テスラ(TSLA)6,548
トヨタ自動車(7203.T)2,444
フォルクスワーゲン(VOW.DE)1,496
BYD(1211.HK)1,014
ダイムラー(DAI.DE)962
ニーオ(NIO)872
ゼネラル・モーターズ(GM)858
BMW(BMW.DE)703
ステランティス(STLA)617
フォード・モーター(F)593
ホンダ(7267.T)556
グレート・ウォール・モーター/長城汽車(2333.HK)512
フェラーリ(RACE)508
ボルボ(VOLV-B.ST)497
ヒュンダイ・モーター/現代自動車(005380.KS)495

 

売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は315億ドルと、前年度比+28.3%、過去5年間で年率+50.8%となりました。

 

2021Q2(2021年4−6月期)の売上高は120億ドル(前年同期比+98.1%)と、コンセンサス(114億ドル)を上回りました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・自動車:102億ドル、前年同期比+97%

・その他:18億ドル、前年同期比+104%

 

温暖化ガス排出枠の売上高は3.5億ドルと、自動車売上のうち3.5%を占めます。

2021Q2で初めて、純利益が温暖化ガス排出枠を上回りました。

 

納車台数と平均販売価格の推移

納車台数は、以下の通りです。

・全体:20.1万台、前年同期比+121%

・モデルS/X:0.2万台、前年同期比▲82%

・モデル3/Y:19.9万台、前年同期比+148%

 

平均販売価格は4.9万ドル(前年同期比▲6.4%)となりました。

 

利益の推移

FY2020の粗利益は66億ドルと、前年度比+62.9%、過去5年間で年率+48.3%となりました。

粗利益率は21.0%と、前年度の16.6%から改善しました。

 

2021Q2の粗利益は29億ドル(前年同期比+127.6%)となりました。

 

自動車の粗利益は29億ドル(前年同期比+120%)、粗利益率は28.4%(前年同期の25.4%から改善)と、コンセンサス(26.1%)を上回りました。

 

FY2020の非GAAP EPSは2.24ドルと、前年度比急増しました。

 

2021Q2のEPSは1.02ドルと、コンセンサス(0.55ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.45ドル(前年同期比+229.5%)と、コンセンサス(0.98ドル)を上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは59億ドルと、前年度比+147.1%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は18.8%と、前年度の9.8%から改善しました。

 

2021Q2の営業キャッシュフローは21億ドル(前年同期比+120.3%)となりました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは28億ドルと、前年度比+187.8%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は8.8%と、前年度の3.9%から改善しました。

 

2021Q2のフリーキャッシュフローは6億ドル(前年同期比+48.1%)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

株主還元の実施はなしです。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+11.9%となりました。

 

売上高の実績値とコンセンサスの推移

売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去8四半期中、7勝、1敗です。

EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去8半期中、5勝、3敗です。

非GAAP EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去8半期中、7勝、1敗です。

 
売上高(ドル)非GAAP EPS(ドル)
実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗
2019Q36365×0.37-0.05
2019Q474710.410.35
2020Q160590.23-0.04
2020Q260540.44-0.03
2020Q388830.760.60
2020Q41071050.801.05×
2021Q11041030.930.78
2021Q21201141.450.98

 

株価上昇率

FY2020の株価上昇率は+743.4%と、S&P500(+16.3%)を大きく上回りました。

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+71.2%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく上回りました。

 

2021Q2の株価上昇率は+1.8%と、S&P500(+8.2%)を下回りました。

 

競合他社(自動車製造)の株価上昇率(7203.T、7267.Tは日本円建て、VOW3.DE、DAI.DE、BMW.DEはユーロ建て、1211.HK、2333.HKは香港ドル建て、VOLV-B.STはスウェーデン・クローナ建て、005380.KSは韓国ウォン建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

テスラ(TSLA)の株価上昇率は、2020年の1年間で+743%と、15社平均(+184%)を上回り、15社中第2位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+1,033%と、14社平均(+98%)を上回り、14社中第1位となりました。

 

2013年2月から2021年6月のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

2012年から1〜2年で株価が10倍に急上昇した後、5年程度株価は横ばいとなり、2019年から1〜2年で株価がまた10倍に急上昇しました。

今後、株価が2014年以降のように横ばいとなるか要注目です。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを9.6%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+200%、2年目〜5年目+50%、6年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+200%、2年目〜5年目+60%、6年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+200%、2年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は867ドルとなります。

・メインシナリオ:867ドル

・アップサイドシナリオ:1,113ドル

・ダウンサイドシナリオ:502ドル

テスラ(Tesla、TSLA)株への投資について

2021Q2(2021年4−6月期)の売上高は120億ドル(前年同期比+98.1%)と、コンセンサス(114億ドル)を上回る実績となりました。

温暖化ガス排出枠がなければ赤字と言われ続けましたが、やっと温暖化ガス排出枠を超える純利益を挙げることができました。

今後数年間は、納車台数の増加率が平均50%を達成する見通しとのことです。

DCF法による目標株価は867ドルのため、2021年6月末時点の株価680ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が24.4倍(年率+38%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが20%(FY2020:9%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

売上高、利益ともに急拡大が想定されますが、2019年から1〜2年で株価が10倍に急上昇しており、よほどのサプライズがない限り、大幅な株価上昇は期待できなさそうです。

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