アルファベット(GOOG)決算分析と目標株価 フリーキャッシュフロー急拡大で自社株買いも積極的 クラウドの黒字化に期待

アルファベットコミュニケーション・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアルファベット(グーグル)への投資についてコメントします。

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会社概要

アルファベット(Alphabet、GOOG、GOOGL)

ホームページ(IR):リンク先

国:アメリカ

セクター:コミュニケーション・サービス

産業グループ:メディア・娯楽

サブ産業グループ:インタラクティブ・メディアおよびサービス

株式時価総額:1.92兆ドル(世界ランキング第3位、2021年12月)

アルファベットは、アメリカに本拠を置く、グーグルや新規事業会社を傘下に持つ持株会社です。

(参考)競合他社(インタラクティブ・メディアおよびサービス)の株式時価総額(2021年12月末)

 株式時価総額
アルファベット(GOOG)1.92兆ドル
メタ・プラットフォームズ(FB)9,356億ドル
テンセントHD/騰訊控股(0700.HK)5,599億ドル
スナップ(SNAP)757億ドル
バイドゥ/百度(BIDU)518億ドル
ネイバー(035420.KS)475億ドル
ZHD(4689.T)443億ドル
カカオ(035720.KS)410億ドル
クワイショウ・テクノロジー/快手科技(1024.HK)384億ドル
マッチ・グループ(MTCH)374億ドル
ツイッター(TWTR)346億ドル
ズームインフォ・テクノロジーズ(ZI)259億ドル
ピンタレスト(PINS)237億ドル
ヤンデックス(YNDX)217億ドル
ジロー・グループ(ZG)162億ドル

 

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2021(2021年1-12月期)の売上高は2,576億ドルと、前年度比+41.2%、過去5年間で年率+23.3%となりました。

 

2021Q4(2021年10−12月期)の売上高は753億ドル(前年同期比+32.4%)と、コンセンサス(718億ドル)を上回りました。

 

トラフィック獲得コスト(アフィリエイトやパートナーに支払うコスト)は134億ドル(前年同期比+28%)、売上高に占める比率は18%です。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・サービス:694億ドル、前年同期比+31%

・クラウド:55億ドル、前年同期比+45%

・その他(自動運転等):2億ドル、前年同期比▲8%

 

サービスの売上高の内訳は、以下の通りです。

・検索等:433億ドル、前年同期比+36%

・ユーチューブ広告:86億ドル、前年同期比+25%

・ネットワーク:93億ドル、前年同期比+26%

・その他:82億ドル、前年同期比+22%

 

地域別の売上高構成比は、アメリカが46%、欧州/中東/アフリカが31%、アジア/パシフィックが18%、カナダ/ラテンアメリカが6%を占めます。

 

利益(セグメント別)の推移

FY2021の営業利益は787億ドルと、前年度比+90.9%、過去5年間で年率+27.1%となりました。

営業利益率は30.6%と、前年度の22.6%から改善しました。

 

2021Q4の営業利益は219億ドル(前年同期比+39.8%)となりました。

 

セグメント別の営業利益は、以下の通りです。

・サービス:260億ドル(利益率:37%)

・クラウド:▲9億ドル

・その他:▲15億ドル

アルファベット

 

FY2021のEPSは112.20ドルと、前年度比+91.4%、過去5年間で年率+32.1%となりました。

 

2021Q4のEPSは30.69ドル(前年同期比+37.6%)と、コンセンサス(27.30ドル)を上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2021の営業キャッシュフローは917億ドルと、前年度比+40.7%、過去5年間で年率+20.5%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は35.6%と、前年度の35.7%とほぼ同水準となりました。

 

2021Q4の営業キャッシュフローは249億ドル(前年同期比+10.0%)となりました。

 

FY2021のフリーキャッシュフローは670億ドルと、前年度比+56.4%、過去5年間で年率+21.0%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は26.0%と、前年度の23.5%から改善しました。

 

2021Q4のフリーキャッシュフローは186億ドル(前年同期比+7.9%)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2021の益利回り(PERの逆数)は3.9%、フリーキャッシュフロー利回りは3.4%です。

FY2021の自社株買い利回りは2.6%と高水準です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.6%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

FY2021のROICは30%程度と、投資効率は比較的高いと言えます。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、9勝、1敗です。

EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、8勝、2敗です。

 
売上高(億ドル)EPS(ドル)
実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗
2019Q340540210.1212.46×
2019Q4461469×15.3512.54
2020Q14124029.8710.21×
2020Q238337310.138.19
2020Q346242816.4011.21
2020Q456952922.3015.72
2021Q155351726.2915.67
2021Q261956127.2619.27
2021Q365163227.9923.32
2021Q475371830.6927.30

 

株価上昇率

FY2021の株価上昇率は+65.2%と、S&P500(+26.9%)を上回りました。

過去5年間(2017年1月から2021年12月末)の株価上昇率は年率+30.3%と、S&P500(年率+16.3%)を上回りました。

 

2021Q4の株価上昇率は+8.6%と、S&P500(+10.6%)を下回りました。

 

競合他社(インタラクティブ・メディアおよびサービス)の株価上昇率(0700.HKは香港ドル建て、035420.KS、035720.KSは韓国ウォン建て、4689.Tは日本円建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

アルファベット(GOOG)の株価上昇率は、2021年の1年間で+65%と、14社平均(+0%)を上回り、14社中第1位となりました。

2019年1月から2021年12月の3年間では+179%と、11社平均(+200%)を下回り、11社中第4位となりました。

 

過去10年間(2012年2月から2022年1月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落する局面が度々発生するので、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

綺麗なトレンドラインです。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.1%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜5年目+10%、6年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜5年目+5%、6年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は3,130ドルとなります。

・メインシナリオ:3,130ドル

・アップサイドシナリオ:3,698ドル

・ダウンサイドシナリオ:2,181ドル

アルファベット(Alphabet、GOOG、GOOGL)への投資について

2021Q4(2021年10−12月期)の売上高は753億ドル(コンセンサス718億ドル)、EPSは30.69ドル(コンセンサス27.30ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

決算発表(1対20の株式分割も発表)を受けて、株価は大きく上昇しました。

DCF法による目標株価は3,130ドルのため、2022年1月末時点の株価2,714ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.1倍(年率+10%)、FY2021のフリーキャッシュフローマージンが横ばいで推移することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

クラウド事業は、競合他社と同様、高い増収率となっており、黒字化するとさらなる利益拡大が期待できます。

政府による規制リスクはありますが、魅力的な企業です。

 

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