アルファベット(GOOG)決算分析と目標株価 フリーキャッシュフロー急拡大で自社株買いも積極的 クラウドの黒字化に期待

アルファベットコミュニケーション・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアルファベット(グーグル)への投資についてコメントします。

スポンサーリンク

会社概要

アルファベット(Alphabet、GOOG、GOOGL)

ホームページ(IR):リンク先

国:アメリカ

セクター:コミュニケーション・サービス

産業グループ:メディア・娯楽

サブ産業グループ:インタラクティブ・メディアおよびサービス

株式時価総額:1.65兆ドル(世界ランキング第5位、2021年6月)

アルファベットは、アメリカに本拠を置く、グーグルや新規事業会社を傘下に持つ持株会社です。

(参考)競合他社(インタラクティブ・メディアおよびサービス)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
アルファベット(GOOG)16,606
フェイスブック(FB)9,859
テンセントHD/騰訊控股(0700.HK)7,224
クワイショウ・テクノロジー/快手科技(1024.HK)1,074
スナップ(SNAP)1,067
バイドゥ/百度(BIDU)709
カカオ(035720.KS)622
ネイバー(035420.KS)550
ツイッター(TWTR)549
ピンタレスト(PINS)503
マッチ・グループ(MTCH)446
ZHD(4689.T)390
ジロー・グループ(ZG)303
ヤンデックス(YNDX)252

 

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は1,825億ドルと、前年度比+12.8%、過去5年間で年率+19.5%となりました。

 

2021Q2(2021年4−6月期)の売上高は619億ドル(前年同期比+61.6%)と、コンセンサス(561億ドル)を上回りました。

 

トラフィック獲得コスト(アフィリエイトやパートナーに支払うコスト)は109億ドル(前年同期比+63%)、売上高に占める比率は18%です。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・サービス:571億ドル、前年同期比+63%

・クラウド:46億ドル、前年同期比+54%

・その他(自動運転等):2億ドル、前年同期比+30%

 

サービスの売上高の内訳は、以下の通りです。

・検索等:358億ドル、前年同期比+68%

・ユーチューブ広告:70億ドル、前年同期比+84%

・ネットワーク:76億ドル、前年同期比+60%

・その他:66億ドル、前年同期比+29%

 

地域別の売上高構成比は、アメリカが47%、欧州/中東/アフリカが30%、アジア/パシフィックが18%、カナダ/ラテンアメリカが5%を占めます。

 

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は412億ドルと、前年度比+20.4%、過去5年間で年率+16.3%となりました。

営業利益率は22.6%と、前年度の21.1%から改善しました。

 

2021Q2の営業利益は194億ドル(前年同期比+203.3%)となりました。

 

セグメント別の営業利益は、以下の通りです。

・サービス:223億ドル(利益率:39%)

・クラウド:▲6億ドル

・その他:▲14億ドル

 

FY2020のEPSは58.61ドルと、前年度比+19.2%、過去5年間で年率+20.7%となりました。

 

2021Q2のEPSは27.26ドル(前年同期比+169.1%)と、コンセンサス(19.27ドル)を大きく上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは651億ドルと、前年度比+19.4%、過去5年間で年率+19.6%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は35.7%と、前年度の33.7%から改善しました。

 

2021Q2の営業キャッシュフローは219億ドル(前年同期比+56.4%)となりました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは428億ドルと、前年度比+38.3%、過去5年間で年率+20.8%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は23.5%と、前年度の19.1%から改善しました。

 

2021Q2のフリーキャッシュフローは164億ドル(前年同期比+90.6%)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.3%、フリーキャッシュフロー利回りは3.6%です。

FY2020の自社株買い利回りは2.6%と高水準です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の総還元性向は100%を下回りました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.2%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは20%程度と、投資効率は比較的高いと言えます。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去8四半期中、7勝、1敗です。

EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去8半期中、6勝、2敗です。

 
売上高(ドル)EPS(ドル)
実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗
2019Q340540210.1212.46×
2019Q4461469×15.3512.54
2020Q14124029.8710.21×
2020Q238337310.138.19
2020Q346242816.4011.21
2020Q456952922.3015.72
2021Q155351726.2915.67
2021Q261956127.2619.27

 

株価上昇率

FY2020の株価上昇率は+31.0%と、S&P500(+16.3%)を上回りました。

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+18.2%と、S&P500(年率+12.9%)を上回りました。

 

2021Q2の株価上昇率は+21.2%と、S&P500(+8.2%)を上回りました。

 

競合他社(インタラクティブ・メディアおよびサービス)の株価上昇率(0700.HKは香港ドル建て、035720.KS、035420.KSは韓国ウォン建て、4689.Tは日本円建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

アルファベット(GOOG)の株価上昇率は、2020年の1年間で+31%と、12社平均(+102%)を下回り、12社中第12位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+67%と、11社平均(+104%)を下回り、11社中第7位となりました。

 

過去10年間(2011年7月から2021年6月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落する局面が度々発生するので、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

綺麗なトレンドラインです。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.6%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+40%、2年目〜5年目+10%、6年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+40%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+40%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は2,861ドルとなります。

・メインシナリオ:2,861ドル

・アップサイドシナリオ:3,268ドル

・ダウンサイドシナリオ:2,353ドル

アルファベット(Alphabet、GOOG、GOOGL)への投資について

2021Q2(2021年4−6月期)の売上高は619億ドル(コンセンサス561億ドル)、EPSは27.26ドル(コンセンサス19.27ドル)と、コンセンサスを大きく上回る実績となりました。

DCF法による目標株価は2,861ドルのため、2021年6月末時点の株価2,506ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.5倍(年率+10%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが25%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

クラウド事業は、競合他社と同様、高い増収率となっており、黒字化するとさらなる利益拡大が期待できます。

政府による規制リスクはありますが、魅力的な企業です。

なお、グロース株運用で非常に有名なベイリー・ギフォードの旗艦ファンドが、2008年1月から投資していたアルファベットを2021年6月に全売却しました(自動運転車開発企業のウェイモなどのイノベーション事業に対する確信度の低下)。

フェイスブック(FB)決算分析と目標株価 巨大企業にも関わらず高い増収率を維持 キャッシュフローも拡大
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とフェイスブックへの投資についてコメントします。 会社概要 フェイスブック(Facebook、FB) ホームページ(SECファイル):リンク先 ...
テンセント(0700.HK)決算分析と目標株価 売上・利益・キャッシュフロー急拡大 上場・非上場株投資も巨額
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とテンセント・ホールディングスへの投資についてコメントします。 会社概要 テンセント・ホールディングス(Tencent、0700.HK) ホームページ(I...
Zホールディングス(4689)決算分析と目標株価 YahooやZOZO等のショッピング取扱高は1.5兆円(+45%)
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とZホールディングスへの投資についてコメントします。 会社概要 Zホールディングス(Z Holdings Corporation、4689.T) ホームペ...
タイトルとURLをコピーしました