テンセント(0700.HK)決算分析と目標株価 売上・利益・キャッシュフロー急拡大 上場・非上場株投資も巨額

コミュニケーション・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とテンセント・ホールディングスへの投資についてコメントします。

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会社概要

テンセント・ホールディングス(Tencent、0700.HK)

ホームページ(IR):リンク先

国:中国

セクター:コミュニケーション・サービス

産業グループ:メディア・娯楽

サブ産業グループ:インタラクティブ・メディアおよびサービス

株式時価総額:6,932億ドル(世界ランキング第7位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:4,512億ドル(2021年3月末、MSCI)

テンセント・ホールディングスは、中国に本拠を置く、オンラインゲームの運営やオンライン広告サービスの提供等を行う企業です。

①付加価値サービス(VAS、ゲームが中心)、②フィンテック事業サービス、③オンライン広告、④その他の4つのセグメントに分けられます。

世界株式市場で第9位(アルファベット1社としてカウント)、中国株式市場で第1位、コミュニケーション・サービスセクターで第3位の浮動株調整後株式時価総額で、インタラクティブ・メディアおよびサービスに占めるテンセント・ホールディングスの浮動株調整後株式時価総額比率は16%です。

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売上高(セグメント別)の推移

FY2020の売上高は4,821億人民元と、前年度比+27.8%、過去5年間では年率+36.2%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・付加価値サービス(VAS):2,642億人民元、前年度比+32.1%

・フィンテック事業サービス:1,281億人民元、前年度比+26.4%

・オンライン広告:823億人民元、前年度比+20.3%

・その他:75億人民元、前年度比▲0.9%

セグメント別の売上高構成比は、付加価値サービス(VAS)が55%、フィンテック事業サービスが27%を占めます。

微信/We chatのMAU、VAS有料会員の推移

FY2020の微信/We chatのMAUは12.25億ユーザーと、前年度比+5.2%となりました。

FY2020のVAS有料会員は2.20億数と、前年度比+21.9%となりました。

現金等、上場株・非上場株式投資の推移

2020年12月末時点の現金等は2,279億人民元、上場株投資は1,710億人民元、非上場株式は1,266億人民元と、拡大中です。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は1,842億人民元と、前年度比+55.2%、過去5年間では年率+35.3%となりました。

営業利益率は38.2%と、前年度の31.5%から改善しました。

セグメント別の粗利益率は、以下の通りです。

セグメント別の粗利益構成比は、付加価値サービス(VAS)が65%を占めます。

FY2020のEPSは16.52人民元と、前年度比+71.3%、過去5年間では年率+40.2%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは1,941億人民元と、前年度比+30.6%、過去5年間で年率+33.7%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は40.3%と、前年度の39.4%から改善しました。

FY2020の設備投資額/売上高は12.7%と、前年度の14.0%から低下しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは1,329億人民元と、前年度比+38.5%、過去5年間で年率+30.3%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は27.6%と、前年度の25.4%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020の支払配当総額は103億人民元と拡大傾向にありますが、株主還元には消極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.9%、フリーキャッシュフロー利回りは2.4%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向、総還元性向は、利益・キャッシュフローベースともに10%台です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.60人民元と、前年度比+33.3%、過去5年間では年率+27.8%となりました。

(参考)過去5年間の発行済株式数

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは70〜200%程度と、投資効率は非常に高いです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+271%(年率+30.0%)と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+61%(年率+9.9%)を大きく上回りました。

競合他社(インタラクティブ・メディアおよびサービス)の株価上昇率(0700.HKは香港ドル建て、035720.KS、035420.KSは韓国ウォン建て、4689.Tは日本円建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

テンセント(0700.HK)の株価上昇率は、2020年の1年間で+51%と、12社平均(+102%)を下回り、12社中第9位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+39%と、11社平均(+104%)を下回り、11社中第9位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.6%、金利が1%上昇した場合は7.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億人民元)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜3年目+20%、4年目〜5年目+15%、6年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は777香港ドルとなります。

テンセント(Tencent、0700.HK)への投資について

FY2020の売上高は4,821億人民元(前年度比+27.8%)、EPSは16.52人民元(前年度比+71.3%)、フリーキャッシュフローは1,329億人民元(前年度比+38.5%)と、業績急拡大中です。

過去5年間のROICは70〜200%程度と、アップルと同様、桁が違うくらい投資効率が非常に高いです。

DCF法による目標株価は774香港ドルのため、2021年3月末時点の株価610香港ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.8倍(年率+14%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである28%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

アメリカとの対立に加え、中国政府との関係も、テンセントの株価に大きな影響を与える点には注意が必要ですが、長期的には業績に見合った株価になるはずです。

投資継続です。

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