クラウドフレア(NET)決算分析と目標株価 コンテンツ配信ネットワーク(CDN)とセキュリティサービスを提供

システム・ソフトウェア

2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とクラウドフレアへの投資についてコメントします。

スポンサーリンク

会社概要

クラウドフレア(Cloudflare、Net)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:システム・ソフトウェア

株式時価総額:228億ドル(2021年2月末)

クラウドフレアは、アメリカに本拠を置く、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)や、DDos(サーバーを破壊)攻撃対策のWAF(Web Application Firewall)など、ネットワークやセキュリティ関連のサービスを提供する企業です。

CDNとは、Webサイトにある画像や動画などのコンテンツを、Webサイトが管理されているサーバーとは別の複数の地域に配置されたサーバー(CDNサーバー)にキャッシュし、ユーザーに最も近いサーバーが代わりに配信することで、ウェブサイトの表示速度が向上するサービスのことで、アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)が業界最大手です。

クラウドフレアは、無料版に加え、有料版でも安価な月額固定料金モデルを採用しており、コストが大幅に削減できる点が特徴です。

アカマイ(AKAM)決算分析と目標株価 コンテンツ配信ネットワーク(CDN)最大手
2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアカマイ・テクノロジーズへの投資についてコメントします。会社概要アカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies、...
ファストリー(FSLY)決算分析と目標株価 コンテンツ配信ネットワーク(CDN) エッジコンピューティング市場拡大期待
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とファストリーへの投資についてコメントします。会社概要ファストリー(Fastly、FSLY)ホームページ(SECファイル):リンク先国:アメリカセクター:情報...

(参考)システム・ソフトウェアの株式時価総額

情報技術セクターの株式時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、PER、ROEの推移
世界の株式市場におけるセクター(GICS)構成比率以下のグラフは、世界の株式市場における各セクターの構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。情報技術セクターは、第1位(21.3%)です。情...

売上高(地域別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は1.26億ドルと、前年同期比+50.0%となり、コンセンサス(1.18億ドル)を上回りました。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・アメリカ:0.7億ドル、前年同期比+54.0%

・欧州/中東/アフリカ:0.3億ドル、前年同期比+60.4%

・アジアパシフィック:0.2億ドル、前年同期比+32.6%

(参考)過去5年間の売上高

顧客数、ネットリテンションレートの推移

有料顧客数は11.1万件と、前年同期比+32%となりました。

年間契約額10万ドル超の顧客数は828件と、前年同期比+57%となりました。

ネットリテンションレート(既存顧客の売上継続率)は119%と、100%を大きく超えて推移しており、追加的なサービス等により既存顧客の支払いが増加していることを意味します。

利益の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の非GAAP 営業利益は▲0.1億ドルと、前年同期比赤字幅縮小となり、営業利益率は▲4.3%と、前年同期の▲21.8%から改善しました。

2020年Q4のEPSは▲0.11ドルと、コンセンサス(▲0.06ドル)を下回りました。

なお、非GAAP EPSは▲0.02ドルと、コンセンサス(▲0.04ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業キャッシュフローは▲0.1億ドルと、前年同期比ほぼ同水準となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は▲7.0%と、前年同期の▲10.2%から改善しました。

2020Q4の設備投資額/売上高は11.6%と、前年同期の17.8%から低下しました。

2020Q4のフリーキャッシュフローは▲0.2億ドルと、前年同期比ほぼ同水準となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は▲18.6%と、前年同期の▲28.0%から改善しました。

(参考)過去4年間の営業キャッシュフロー

(参考)過去4年間のフリーキャッシュフロー

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去6四半期中、6勝です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去6四半期中、5敗、1引き分けです。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去6四半期中、5勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+345.4%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を大きく上回りました。

競合他社(システム・ソフトウェア)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

クラウドフレア(NET)の株価上昇率は、2020年の1年間で+345%と、9社平均(+138%)を上回りました。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを8.2%、金利が1%上昇した場合は9.2%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+0%、3年目0億ドル、4年目1億ドル、5年目+200%、6年目+100%、7年目〜10年目+40%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+0%、3年目0億ドル、4年目1億ドル、5年目+200%、6年目+100%、7年目〜10年目+60%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+0%、3年目0億ドル、4年目1億ドル、5年目+200%、6年目+100%、7年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は57ドルとなります。

クラウドフレア(Cloudflare、Net)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は1.26億ドル(コンセンサス1.18億ドル)、非GAAP EPSは▲0.02ドル(コンセンサス▲0.04ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:5.89〜5.93億ドル(FY2020:4.3億ドル、コンセンサス5.61億ドル)

・非GAAP 営業利益:▲0.25〜▲0.21億ドル

・非GAAP EPS:▲0.09〜▲0.08ドル(コンセンサス▲0.09ドル)

2021Q1のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:1.30〜1.31億ドル(コンセンサス1.26億ドル)

・非GAAP 営業利益:▲0.09〜▲0.08億ドル

・非GAAP EPS:▲0.03〜▲0.02ドル(コンセンサス▲0.03ドル)

DCF法による目標株価は57ドルのため、2021年2月末時点の株価74ドルより低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が20.0倍(年率+35%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが35%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

利益見通しは市場予想並みで、黒字化には時間がかかりそうです。

マイクロソフト(MSFT)決算分析と目標株価 安定した業績とキャッシュフロー拡大による積極的な株主還元
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とマイクロソフトへの投資についてコメントします。会社概要マイクロソフト(Microsoft、MSFT)ホームページ(SECファイル):リンク先国:アメリカセク...
オラクル(ORCL)決算分析と目標株価 怒涛の自社株買いにより総還元利回りは10%超
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とオラクルへの投資についてコメントします。会社概要オラクル(Oracle、ORCL)ホームページ(SECファイル):リンク先国:アメリカセクター:情報技術...
サービスナウ(NOW)決算分析と目標株価 ITオペレーションや人事関連の自動化による業務効率化支援
2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とサービスナウへの投資についてコメントします。会社概要サービスナウ(ServiceNow、NOW)ホームページ(SECファイ...
VMウェア(VMW)決算分析と目標株価 仮想化ソフトウェアを提供 潤沢なキャッシュフローマージン
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とVMウェアへの投資についてコメントします。会社概要VMウェア(VMware、VMW)ホームページ(SECファイル):...
クラウドストライク(CRWD)決算分析と目標株価 PCなどエンドポイントへの高度な攻撃を防ぐサイバーセキュリティ企業
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とクラウドストライクへの投資についてコメントします。会社概要クラウドストライク・ホールディングス(CrowdStrike Ho...
パロ・アルト・ネットワークス(PANW)決算分析と目標株価 アプリケーションで通信を識別するサイバーセキュリティ企業
2020年11月−2021年1月期(FY2021Q2)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とパロ・アルト・ネットワークスへの投資についてコメントします。会社概要パロ・アルト・ネットワークス(Palo Alto N...
フォーティネット(FTNT)決算分析と目標株価 統合脅威管理(UTM)トップのサイバーセキュリティ
2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とフォーティネットへの投資についてコメントします。会社概要フォーティネット(Fortinet、FTNT)ホームページ(SEC...
ゼットスケーラー(ZS)決算分析と目標株価 ゲートウェイセキュリティ機能をクラウド上で提供
2020年11月−2021年1月期(FY2021Q2)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とゼットスケーラーへの投資についてコメントします。会社概要ゼットスケーラー(Zscaler、ZS)ホームページ(S...
タイトルとURLをコピーしました