マイクロソフト(MSFT)決算分析と目標株価 安定した業績とキャッシュフロー拡大による積極的な株主還元

システム・ソフトウェア

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とマイクロソフトへの投資についてコメントします。

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会社概要

マイクロソフト(Microsoft、MSFT)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:システム・ソフトウェア

株式時価総額:1.7兆ドル(世界ランキング第3位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:1兆5,990億ドル(2020年12月末、MSCI)

マイクロソフトは、アメリカに本拠を置く、世界最大級のソフトウェア企業です。

Office(アプリケーションソフト)やリンクトイン(ビジネスSNS)、ダイナミクス(業務用アプリケーション)などのソフトウェア事業、Azure(クラウドサービス)やサーバー用ソフトウェア 等のクラウド事業、Windows(パソコン用基本ソフト)やXbox(ゲーム機)等のパソコン/ゲーム事業の3つに大きく分けられます。

世界株式市場およびアメリカ株式市場および情報技術セクターで第2位、ソフトウェア・サービスで第1位の浮動株調整後株式時価総額で、システム・ソフトウェアに占めるマイクロソフトの浮動株調整後株式時価総額比率は79%です。

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売上高(セグメント別)の推移

2021Q3(2021年1−3月期)の売上高は417億ドル(前年同期比+19.1%)と、コンセンサス(409億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・ソフトウェア:136億ドル(コンセンサス135億ドル)、前年同期比+15%

・クラウド:151億ドル(コンセンサス149億ドル)、前年同期比+23%

・パソコン/ゲーム:130億ドル(コンセンサス125億ドル)、前年同期比+19%

注目度の高いAzureの売上高は+50%と、コンセンサス(+50%)と同水準となりました。

製品及びサービスによる分類別の売上高は、以下の通りです。

・サーバー製品&クラウドサービス:132億ドル、前年同期比+26%

・オフィス製品&クラウドサービス:100億ドル、前年同期比+12%

・Windows:56億ドル、前年同期比+8%

・ゲーム:35億ドル、前年同期比+50%

・リンクトイン:26億ドル、前年同期比+25%

・検索広告:22億ドル、前年同期比+12%

・デバイス:16億ドル、前年同期比+13%

・エンタープライズサービス:18億ドル、前年同期比+10%

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+8.9%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q3(2021年1−3月期)の営業利益は170億ドル(前年同期比+31.4%)、営業利益率は40.9%と、前年同期の37.0%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

いずれのセグメントも、営業利益率は前年同期比で改善しました。

2021Q3のEPSは2.03ドル(前年同期比+45.0%)と、コンセンサス(1.77ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.95ドルと、コンセンサス(1.78ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+31.2%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q3(2021年1−3月期)の営業キャッシュフローは222億ドル(前年同期比+26.7%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は53.2%と、前年同期の50.0%から改善しました。

2021Q3のフリーキャッシュフローは171億ドル(前年同期比+24.4%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は41.0%と、前年同期の39.2%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+15.8%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+14.3%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.8%、フリーキャッシュフロー利回りは2.9%です。

配当利回りは1.0%、総還元利回りは2.5%と、低下傾向にあります。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、60%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは2.04ドルと、前年度比+10.9%、過去5年間では年率+10.5%となりました。

FY2021のDPSは2.24ドル(前年度比+9.8%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.4%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICの推移をみると30%程度であり、投資効率は高いと言えます。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、7勝です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、7勝です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+49.5%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

競合他社(情報技術セクター)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

マイクロソフト(MSFT)の株価上昇率は、2020年の1年間で+41%と、12社平均(+54%)を下回り、12社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+160%と、12社平均(+144%)を上回り、12社中第7位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

ドローダウンが比較的小さく、その後は急反発する傾向にあるため、最高値から10%程度下落した場合には迅速な追加投資のチャンスです。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2015年7月から2020年6月末)の株価上昇率は年率+35.7%と、S&P500(年率+8.5%)を大きく上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.2%、金利が1%上昇した場合は6.2%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜3年目+15%、4年目〜7年目+10%、8年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜3年目+15%、4年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は299ドルとなります。

マイクロソフト(Microsoft、MSFT)への投資について

2021Q3(2021年1−3月期)の売上高は417億ドル(コンセンサス409億ドル)、EPSは2.03ドル(コンセンサス1.77ドル)と、これまでと同様、コンセンサスを上回る実績となりました。

また、Azureの売上高は前年同期比+50%(コンセンサス+50%)と、高い水準を維持しました。

2021Q4のガイダンスは、以下の通りです。

・ソフトウェア売上高:138〜140.5億ドル

・クラウド売上高:162〜164.5億ドル

・パソコン/ゲーム売上高:136〜140億ドル

上記セグメントを積み上げた売上高は436〜445億ドルとなります。

DCF法による目標株価は299ドルのため、2021年3月末時点の株価236ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.6倍(年率+10%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが35%(FY2020:32%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いに積極的なので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

投資継続です。

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