過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とデータドッグへの投資についてコメントします。
会社概要
データドッグ(Datadog、DDOG)
ホームページ(SECファイル):リンク先
国:アメリカ
セクター:情報技術
産業グループ:ソフトウェア・サービス
サブ産業グループ:アプリケーション・ソフトウェア
株式時価総額:556億ドル(2021年12月末)
データドッグは、アメリカに本拠を置く、クラウド開発者等向けに、パブリッククラウド(AWS、Azure等)で運用するアプリケーションのパフォーマンス管理やログ管理など、リアルタイムで監視・分析可能なプラットフォームを、サブスクリプション形態を中心にクラウド上で提供する企業です。
売上高の推移
FY2021(2021年1-12月期)の売上高は10.3億ドルと、前年度比+70.5%、過去3年間で年率+73.2%となりました。

2021Q4(2021年10-12月期)の売上高は3.3億ドル(前年同期比+83.7%)と、コンセンサス(2.9億ドル)を上回りました。

2021Q4の1株あたり売上高は前年同期比+61.5%、PSR(売上高は各四半期の売上高×4倍、株価は各会計四半期末)は47.2倍となりました。

顧客数の推移
年間経常収益(ARR)が10万ドル超の顧客数は1,800件(前年同期比+66%)となりました。
利益の推移
2021Q4の非GAAP 営業利益は0.7億ドル(前年同期比+290%)となりました。

FY2021の非GAAP EPSは0.48ドルと、前年度比+118%となりました。
2021Q4の非GAAP EPSは0.20ドル(前年同期比+233%)と、コンセンサス(0.11ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移
FY2021の営業キャッシュフローは2.9億ドルと、前年度比+163%、過去3年間で年率+198%となりました。
営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は27.9%と、前年度の18.1%から改善しました。

2021Q4の営業キャッシュフローは1.2億ドル(前年同期比+386%)となりました。

FY2021のフリーキャッシュフローは2.5億ドルと、前年度比+201%となりました。
フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は24.4%と、前年度の13.8%から改善しました。

2021Q4のフリーキャッシュフローは1.1億ドル(前年同期比+541%)となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移
配当、自社株買いの実施はなしです。

(参考)過去5年間の発行済株式数
発行済株式数は、過去3年間で年率+63.3%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移
売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、10勝です。
非GAAP EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、10勝です。
売上高(億ドル) | 非GAAP EPS(ドル) | |||||
実績値 | コンセンサス | 勝敗 | 実績値 | コンセンサス | 勝敗 | |
2019Q3 | 1.0 | 0.8 | ○ | 0.00 | -0.14 | ○ |
2019Q4 | 1.1 | 1.0 | ○ | 0.03 | -0.02 | ○ |
2020Q1 | 1.3 | 1.2 | ○ | 0.06 | -0.02 | ○ |
2020Q2 | 1.4 | 1.4 | ○ | 0.05 | 0.01 | ○ |
2020Q3 | 1.5 | 1.4 | ○ | 0.05 | 0.01 | ○ |
2020Q4 | 1.8 | 1.6 | ○ | 0.06 | 0.02 | ○ |
2021Q1 | 2.0 | 1.9 | ○ | 0.06 | 0.03 | ○ |
2021Q2 | 2.3 | 2.1 | ○ | 0.09 | 0.03 | ○ |
2021Q3 | 2.7 | 2.5 | ○ | 0.13 | 0.06 | ○ |
2021Q4 | 3.3 | 2.9 | ○ | 0.20 | 0.11 | ○ |
株価上昇率
FY2021(2021年1月から2021年12月末)の株価上昇率は+80.9%と、S&P500(+26.9%)を上回りました。
2021Q4の株価上昇率は+26.0%と、S&P500(+10.6%)を上回りました。

競合他社(アプリケーション・ソフトウェア)の株価上昇率(DSY.PAはユーロ建て、CSU.TOはカナダドル建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。
データドッグ(DDOG)の株価上昇率は、2021年の1年間で+81%と、22社平均(+16%)を上回り、22社中第1位となりました。

2019年9月から2022年2月のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。
最高値から20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)株価の推移(月末株価)
通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

DCF法による目標株価
DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。
以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。
なお、WACCを7.9%と推計しました。
以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。
① メインシナリオ
フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜4年目+50%、5年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%
② アップサイドシナリオ
フリーキャッシュフローの成長率:1年目+100%、2年目〜4年目+50%、5年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%
③ ダウンサイドシナリオ
フリーキャッシュフローの成長率:1年目+50%、2年目〜7年目+30%、8年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%
メインシナリオの目標株価は163ドルとなります。
・メインシナリオ:163ドル
・アップサイドシナリオ:216ドル
・ダウンサイドシナリオ:89ドル
データドッグ(Datadog、DDOG)への投資について
2021Q4(2021年10−12月期)の売上高は3.3億ドル(コンセンサス2.9億ドル)、非GAAP EPSは0.20ドル(コンセンサス0.11ドル)と、これまで通りコンセンサスを上回る実績となりました。
FY2022のガイダンスは、以下の通りです。
・売上高:15.1〜15.3億ドル(コンセンサス14億ドル)
・非GAAP 営業利益:1.60〜1.80億ドル
・非GAAP EPS:0.45〜0.51ドル(コンセンサス0.58ドル)
決算発表を受けて、株価は大きく上昇しました。
DCF法による目標株価は163ドルのため、2022年2月末時点の株価161ドルとほぼ同水準です。
なお、メインシナリオは、10年後の売上高が19.5倍(年率+35%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが30%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。
業績絶好調で、ガイダンスもポジティブです。











