SAP(SAP)決算分析と目標株価 ERP最大手のドイツ企業 クラウドへ移行中 サブスクで稼ぐアドビを目指す

アプリケーション・ソフトウェア

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とSAPへの投資についてコメントします。

スポンサーリンク

会社概要

SAP(SAP、SAP.DE、SAP)

ホームページ(IR):リンク先

国:ドイツ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:アプリケーション・ソフトウェア

株式時価総額:1,565億ドル(世界ランキング第73位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:1,370億ドル(2020年12月末、MSCI)

SAPは、ドイツに本拠を置くERP(Enterprise Resource Planning、基幹業務)最大手の企業です。

EPRとは、企業のあらゆるデータをリアルタイムに一元化することで、部署間や業務間の認識のズレをなくし、会社の経営資源の最適化計画を支援します。

ドイツ株式市場で第1位、情報技術セクターのソフトウェア・サービスで第8位の浮動株調整後株式時価総額で、アプリケーション・ソフトウェアに占めるSAPの浮動株調整後株式時価総額比率は9%です。

ドイツ株の時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、予想PER、ROEの推移
世界の株式市場における国別構成比率以下のグラフは、世界の株式市場(以下、浮動株調整後株式時価総額)における各国の構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。浮動株とは、大株主による安定保有株式ではなく、常に市場で売買...
情報技術セクターの株式時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、PER、ROEの推移
世界の株式市場におけるセクター(GICS)構成比率以下のグラフは、世界の株式市場における各セクターの構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。情報技術セクターは、第1位(21.3%)です。情...

売上高の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は63.5億ユーロ(前年同期比▲2.7%)と、コンセンサス(63.0億ユーロ)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・クラウド:21億ユーロ、前年同期比+7%

・ソフトウェアサポート:28億ユーロ、前年同期比▲5%

・ソフトウェアライセンス:5億ユーロ、前年同期比+7%

・サービス:9億ユーロ、前年同期比▲18%

予測可能性の高い売上高(クラウド+ソフトウェアサポート)は49.5億ユーロと、全体の78%を占めます。

クラウド受注残は76.3億ユーロと、前年同月比+15%となりました。

地域別の売上高構成比は、欧州/中東/アフリカが44%、アメリカ大陸が41%、アジアパシフィックが15%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+5.6%となりました。

利益の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の非IFRS 営業利益は17億ユーロ(前年同期比+17.5%)、営業利益率は27.4%と、前年同期の22.7%から改善しました。

2021Q1のEPSは0.88ユーロと、コンセンサス(0.64ユーロ)を上回りました。

非IFRS EPSは1.40ユーロと、コンセンサス(0.86ユーロ)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+11.2%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1(2021年1−3月期)の営業キャッシュフローは31億ユーロ(前年同期比+3.4%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は48.6%と、前年度の45.8%から改善しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは29億ユーロ(前年度比+10.6%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は46.2%と、前年度の40.7%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+14.6%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+16.3%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、3勝、4敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、4勝、3敗です。

以下のグラフは、非IFRS EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、6勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+1.6%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの株価上昇率+54.9%を大きく下回りました。

競合他社(アプリケーション・ソフトウェア)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

SAP(SAP、ADRドル建て)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲3%と、12社平均(+119%)を下回りました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+16%と、9社平均(+393%)を下回りました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

2020年10月に大きなドローダウンが発生したのでネガティブな決算発表によるもので、それ以外だと最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあります。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+7.9%と、VT ETF(年率+9.9%)を下回りました。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.4%、金利が1%上昇した場合は6.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ユーロ)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目▲30%、2年目+0%、3年目〜10年目+12%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目▲30%、2年目+0%、3年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目▲30%、2年目+0%、3年目〜10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は138ユーロとなります。

SAP(SAP、SAP.DE、SAP)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は63.5億ユーロ(コンセンサス63.0億ユーロ)非IFRS EPSは1.40ユーロ(コンセンサス0.86ユーロ)と、コンセンサスを上回りました。

FY2021のガイダンス(非IFRS)は、以下の通りです。

・クラウド売上高:92〜95億ユーロ

・クラウド&ソフトウェア売上高:234〜238億ユーロ

・営業利益:78〜82億ユーロ

・フリーキャッシュフロー:45億ユーロ超

DCF法による目標株価は138ユーロのため、2021年3月末時点の株価104ユーロより高い水準です。

優れたITセクター企業(半導体・半導体製造装置除く)はアメリカに偏っているため、地域分散の観点でメリットがあります。

アドビ(ADBE)決算分析と目標株価 ユーチューバー人気で画像・動画編集ツールが拡大 サブスクで大成功
2020年9−11月期(FY2020Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアドビへの投資についてコメントします。会社概要アドビ(Adobe、ADBE)ホームページ(SECファイル):リンク先国:...
セールスフォース(CRM)決算分析と目標株価 CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援ツール)を提供する世界最大手
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とセールスフォースへの投資についてコメントします。会社概要セールスフォース(Salesforce、CRM)ホームページ...
ズーム・ビデオ(ZM)決算分析と目標株価 コロナの恩恵で業績絶好調 キャッシュフロー急拡大
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とズーム・ビデオ・コミュニケーションズへの投資についてコメントします。会社概要ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom ...
イントゥイット(INTU)決算分析と目標株価 クレジットスコアを提供するクレジットカルマの買収効果に期待
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q2)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とイントゥイットへの投資についてコメントします。会社概要イントゥイット(Intuit、INTU)ホームページ(SECフ...
オートデスク(ADSK)決算分析と目標株価 3D技術を使ったデザイン・設計ソフトウェアを提供
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とオートデスクへの投資についてコメントします。会社概要オートデスク(Autodesk、ADSK)ホームページ(IR):...
アトラシアン(TEAM)決算分析と目標株価 チームによる作業効率化のためのソフトウェア開発者を支援
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアトラシアンへの投資についてコメントします。会社概要アトラシアン(Atlassian、TEAM)ホームページ(SECファイル):リンク先国:オーストラリアセ...
ワークデイ(WDAY)決算分析と目標株価 人事アプリケーションを提供 HCMに強み キャッシュフロー急拡大
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とワークデイへの投資についてコメントします。会社概要ワークデイ(Workday、WDAY)ホームページ(SECファイル...
ドキュサイン(DOCU)決算分析と目標株価 デジタル署名世界シェア1位 売上高に加えキャッシュフローも急拡大中
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とドキュサインへの投資についてコメントします。会社概要ドキュサイン(Docusign、DOCU)ホームページ(SECフ...
トレードデスク(TDD)決算分析と目標株価 デジタル広告スペースの購入(プログラマティック広告)市場の拡大で業績好調
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とトレードデスクへの投資についてコメントします。会社概要トレードデスク(The Trade Desk、TDD)ホームページ(SECファイル):リンク先国:アメリカ...
シノプシス(SNPS)決算分析と目標株価 半導体の設計作業を自動化するソフトウェア(EDA)世界最大手
2020年11月-2021年1月期(FY2021Q1)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とシノプシスへの投資についてコメントします。会社概要シノプシス(Synopsys、SNPS)ホームページ(IR):リン...
リングセントラル(RNG)決算分析と目標株価 コミュニケーションツールの一元化を提供するUCaas大手 ビデオ会議も開始
2020年10−12月期(FY2020Q4)と過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とリングセントラルへの投資についてコメントします。会社概要リングセントラル(RingCentral、RNG)ホームページ(SEC...
データドッグ(DDOG)決算分析と目標株価 クラウド開発者向けアプリケーションの監視・分析の提供で売上急拡大
2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とデータドッグへの投資についてコメントします。会社概要データドッグ(Datadog、DDOG)ホームページ(SECファイル)...
タイトルとURLをコピーしました