ユニリーバ(UL)決算分析と目標株価 イギリス株時価総額1位&パーソナル用品世界最大手 高い投資効率  

家庭用品・パーソナル用品

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とユニリーバへの投資についてコメントします。

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会社概要

ユニリーバ(Unilever、UNA.AS / ULVR.L / UL)

ホームページ(IR):リンク先

国:イギリス

セクター:生活必需品

産業グループ:家庭用品・パーソナル用品

サブ産業グループ:パーソナル用品

株式時価総額:1,569億ドル(世界ランキング第72位、2020年12月末)

ユニリーバは、イギリスに本拠を置く、大手パーソナル用品メーカーです。

ユニリーバは、400以上のブランドを製造、販売しており、日本でも、パーソナルケアはDoveやLux、食品・飲料はリプトン、ホームケアはジフなど有名なブランドを提供しています。

なお、1年間で10億ユーロ以上を売り上げているブランドは13もあり、高いブランド力を有しています。

イギリス株式市場で第1位、生活必需品セクターで第7位、家庭用品・パーソナル用品で第2位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、パーソナル用品に占めるユニリーバの浮動株調整後株式時価総額比率は35%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は507億ユーロと、前年度比▲2.4%、過去5年間では年率▲1.0%となりました。

eコマースの売上高は、前年度比+61%と急増し、全体の9%を占めます。

FY2020の売上高増加率(為替除く)のうち、数量が+1.6%、価格が+0.3%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・美容&個人ケア:211億ユーロ、前年度比▲3.4%

・食品&リフレッシュメント:191億ユーロ、前年度比▲0.8%

・ホームケア:105億ユーロ、前年度比▲3.4%

セグメント別の売上高構成比は、美容&個人ケアが42%、食品&リフレッシュメントが38%、ホームケアが21%を占めます。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・アジア等:234億ユーロ、前年度比▲2.9%

・アメリカ大陸:161億ユーロ、前年度比▲2.4%

・欧州:112億ユーロ、前年度比▲1.5%

アジア等は、アジア、アフリカ、中東、トルコ、ロシア、ウクライナ、ベラルーシを指します。

地域別の売上高構成比は、アジア等が46%、アメリカ大陸が32%、欧州が22%を占めます。

利益(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は83億ユーロと、前年度比▲4.7%、過去5年間では年率+2.0%となりました。

営業利益率は16.4%と、前年度の16.8%から若干悪化しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

地域別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは2.12ユーロと、前年度比▲0.9%、過去5年間では年率+4.3%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは91億ユーロと、前年度比+11.7%、過去5年間では年率+4.3%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は17.9%と、前年度の15.6%から改善しました。

FY2020の設備投資額/売上高は2.0%と、前年度の2.9%から低下しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは80億ユーロと、前年度比+22.1%、過去5年間では年率+9.4%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は15.8%と、前年度の12.7%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の支払配当総額は43億ユーロと、フリーキャッシュフローの範囲内です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.5%、フリーキャッシュフロー利回りは5.1%、配当利回りは3.1%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

過去5年間の増配率は年率+6.6%ですが、足もとは低下傾向にあります。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.6%減少しました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは15〜20%程度と、投資効率は比較的高いです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+40%(年率+7.0%)と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+61%(年率+9.9%)を下回りました。

競合他社(家庭用品・パーソナル用品)の株価上昇率(RBはポンド建て、L’orealはユーロ建て、Kao/Shiseido/Unicharmは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

ユニリーバ(UL)の株価上昇率は、2020年の1年間で+6%と、12社平均(+13%)を下回り、12社中第9位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+9%と、12社平均(+39%)を下回り、12社中第10位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

株式市場が大きく下落した局面では、下落率が比較的抑制されています。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

なお、2019年8月が最高値で、株価は全回復していません。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.7%、金利が1%上昇した場合は5.6%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ユーロ)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+1%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目▲2%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は62ユーロとなります。

ユニリーバ(Unilever、UNA.AS / ULVR.L / UL)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は507億ポンドと、前年度比▲2.7%となりましたが、数量が+1.6%、価格が+0.3%と、為替要因を除くと順調に売上高は増加しています。

キャッシュフローが急拡大しており、キャッシュフローマージンも改善しています。

過去5年間のROICは15〜20%程度と、生活必需品セクターとしては高い投資効率です。

なお、新興国向け売上高が58%も占めており、為替リスク等の観点からみて、デメリットとも言えます。

DCF法による目標株価は62ユーロのため、2021年2月末時点の株価43ユーロより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.1倍(年率+1%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである16%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

割安感はありますが、新興国経済の消費減速や、新興国通貨安が継続した場合、現在の株価は適正とも言えます。

投資継続です。

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