P&G(PG)決算分析と目標株価 生活必需品セクター株式時価総額トップ企業 キャッシュフローマージンは高水準

家庭用品・パーソナル用品

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とP&Gへの投資についてコメントします。

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会社概要

P&G(Procter & Gamble、PG)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:生活必需品

産業グループ:家庭用品・パーソナル用品

サブ産業グループ:家庭用品

株式時価総額:3,450億ドル(世界ランキング第19位、2020年12月末)

P&Gは、アメリカに本拠を置く、日用品を製造・販売する世界トップクラスの企業です。

P&Gは、スキンケアではジレットやSK II、ヘアケアではパンテーン、グルーミングではブラウンやジレット、ホームケアではファブリースやジョイ、ファブリックケアではアリエール、ベビーケアではパンパースなど、様々なブランドを提供しています。

生活必需品セクターおよび家庭用品・パーソナル用品で第1位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、家庭用品に占めるP&Gの浮動株調整後株式時価総額比率は50%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q3(2021年1−3月期)の売上高は181億ドル(前年同期比+5.2%)と、コンセンサス(179.6億ドル)を上回りました。

売上高増加率のうち、量+0%、価格+2%、ミックス+2%、その他+0%、為替+1%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・美容:33億ドル、前年同期比+9%

・グルーミング:14億ドル、前年同期比+4%

・ヘルスケア:24億ドル、前年同期比+4%

・ファブリック&ホームケア:63億ドル、前年同期比+8%

・ベビー・女性・ファミリーケア:46億ドル、前年同期比+0%

セグメント別の売上高構成比は、ファブリック&ホームケアが35%、ベビー・女性・ファミリーケアが26%を占めます。

地域別の売上高構成比は、北米が47%、欧州が22%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去3年間で+2.9%、過去5年間で年率+0.1%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q3(2021年1−3月期)の営業利益は38億ドル(前年同期比+9.6%)、営業利益率は20.9%と、前年同期の20.1%から改善しました。

セグメント別の純利益率は、以下の通りです。

2021Q3のEPSは1.26ドル(前年同期比+4.3%)と、コンセンサス(1.19ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+15.2%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q3(2021年1−3月期)の営業キャッシュフローは41億ドル(前年同期比+0.6%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は22.6%と、前年同期の23.6%から悪化しました。

2021Q3のフリーキャッシュフローは34億ドル(前年同期比+2.9%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は18.9%と、前年同期の19.4%から悪化しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+3.6%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+5.7%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

3四半期連続で自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は4.1%、フリーキャッシュフロー利回りは4.6%です。

総還元利回りは5%程度と、比較的高い水準です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは3.03ドルと、前年度比+4.5%、過去5年間ので年率+3.2%となりました。

FY2021のDPSは3.24ドル(前年度比+7.0%)の予定です。

65年連続増配です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.9%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、5勝、2敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、5勝、2敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+23.1%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

競合他社(家庭用品・パーソナル用品)の株価上昇率(RBはポンド建て、L’orealはユーロ建て、Kao/Shiseido/Unicharmは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

P&G(PG)の株価上昇率は、2020年の1年間で+11%と、12社平均(+13%)を下回り、12社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+51%と、12社平均(+39%)を上回り、12社中第5位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

家庭用品全般として、下落相場に強いと言えます。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

コロナショック等株式市場が大きく下落した局面では、下落率が抑制されています。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その場合に投資し、過去2回は最高値から20%程度下落しているため、その場合に追加投資すると報われそうです。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2015年7月から2020年6月末)の株価上昇率は年率+8.9%と、S&P500(年率+8.5%)を上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.0%、金利が1%上昇した場合は4.9%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+5%、2年目+5%、3年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は175ドルとなります。

P&G(Procter & Gamble、PG)への投資について

2021Q3(2021年1−3月期)の売上高は181億ドル(コンセンサス179.6億ドル)、非GAAP EPSは1.26ドル(コンセンサス1.19ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、前四半期と同様、以下の通りです。

・売上高:+5〜6%

・EPS:+8〜10%

DCF法による目標株価は175ドルのため、2021年3月末時点の株価135ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.4倍(年率+3.4%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである20%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ディフェンシブ銘柄として、超長期で保有したい銘柄の1つです。

投資継続です。

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