スターバックス(SBUX)決算分析と目標株価 店舗数は約3.8万店でうち直営店は約2万店

スターバックスレストラン

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とスターバックスへの投資についてコメントします。

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会社概要

スターバックス(Starbucks、SBUX)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:消費者サービス

サブ産業グループ:レストラン

スターバックスは、アメリカに本拠を置く、世界最大手のコーヒーチェーン企業です。

2015年にスターバックスコーヒージャパンをTOBで完全子会社化しました。

 

売上高の推移

FY2023(2022年10月-2023年9月期)の売上高は360億ドルと、前年度比+11.6%、過去5年間で年率+7.8%となりました。

スターバックス

 

アメリカの既存店売上高は前年度比+9%、海外の既存店売上高は前年度比+5%となりました。

スターバックス

 

売上高の内訳は、以下の通りです。

・直営:295億ドル、前年度比+11%

・ライセンス:45億ドル、前年度比+23%

・その他:20億ドル、前年度比▲1%

スターバックス

 

商品別の売上高は、以下の通りです。

スターバックス

 

地域別の売上高の内訳は、以下の通りです。

・アメリカ:264億ドル、前年度比+13%

・中国:31億ドル、前年度比+2%

・その他:65億ドル、前年度比+11%

スターバックス

 

店舗数は、直営店が19,592店舗数(前年度比+7%)、ライセンス店が18,446店舗数(前年度比+6%)となりました。

スターバックス

 

利益の推移

FY2023の営業利益は59億ドルと、前年度比+27.1%、過去5年間で年率+8.6%となりました。

営業利益率は16.3%と、前年度の14.3%から改善しました。

スターバックス

 

FY2023の非GAAP EPSは3.54ドルと、前年度比+19.6%、過去5年間で年率+7.9%となりました。

スターバックス

 

キャッシュフローの推移

FY2023の営業キャッシュフローは60億ドルと、前年度比+36.6%、過去5年間で年率▲12.8%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は16.7%と、前年度の13.6%から改善しました。

スターバックス

 

FY2023のフリーキャッシュフローは37億ドルと、前年度比+43.8%、過去5年間で年率▲18.1%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は10.2%と、前年度の7.9%から改善しました。

スターバックス

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2021以外は自社株買いを実施しました。

スターバックス

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2023の益利回り(PERの逆数)は3.9%、フリーキャッシュフロー利回りは3.5%です。

スターバックス

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2023の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、60〜70%程度となりました。

スターバックス

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2023のDPSは2.16ドルと、前年度比+8.0%、過去5年間で年率+10.4%となりました。

スターバックス

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲3.8%となりました。

スターバックス

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間(FY2020除く)のROICは20〜30%程度と、投資効率は比較的高いです。

スターバックス

 

株価上昇率

FY2023の株価上昇率は+8.3%と、S&P500(+19.6%)を下回りました。

過去5年間(2018年10月から2023年9月末)の株価上昇率は年率+9.9%と、S&P500(年率+8.0%)を上回りました。

スターバックス

 

過去10年間(2014年1月から2023年12月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

スターバックス

 

マクドナルド(MCD)と比較すると、ドローダウンは大きい傾向があります。

スターバックス

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

スターバックス

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.1%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

スターバックス

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+25%、2年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜10年目+2%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は113ドルとなります。

・メインシナリオ:113ドル

・アップサイドシナリオ:167ドル

・ダウンサイドシナリオ:55ドル

スターバックス(Starbucks、SBUX)への投資について

FY2023の売上高は360億ドル(前年度比+11.6%)、非GAAP EPSは3.54ドル(前年度比+19.6%)となりました。

DCF法による目標株価は113ドルのため、2023年12月末時点の株価96ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.1倍(年率+8%)、フリーキャッシュフローマージンが15%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

中国市場での拡大は見込みにくいため、売上高の8割を占めるアメリカでヒット商品が出るかが鍵となります。

景気動向に左右されやすく業績もブレ幅が大きいため、安定感のあるマクドナルドの方が魅力的かもしれません。

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