チポトレ・メキシカン・グリル(CMG)決算分析と目標株価 全米を中心に展開する急成長中のメキシコ料理チェーン

レストラン

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とチポトレ・メキシカン・グリルへの投資についてコメントします。

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会社概要

チポトレ・メキシカン・グリル(Chipotle Mexican Grill、CMG)

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国:アメリカ

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:消費者サービス

サブ産業グループ:レストラン

浮動株調整後株式時価総額:378億ドル(2021年3月末、MSCI)

チポトレ・メキシカン・グリルは、アメリカに本拠を置く、全米を中心に事業を展開するメキシコ料理チェーンです。

一般消費財・サービスセクターの消費者サービスで第4位の浮動株調整後株式時価総額で、レストランに占めるチポトレ・メキシカン・グリルの浮動株調整後株式時価総額比率は7%です。

売上高の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は60億ドルと、前年度比+7.1%、過去5年間では年率+5.9%となりました。

デジタル売上高は28億ドル(前年度比+174%)と、売上高全体の46%を占めました。

 

2020Q4の売上高は16.1億ドルと、前年度比+11.6%となり、コンセンサス(16.0億ドル)を上回りました。

 

レストラン数、レストラン平均売上高

FY2020のレストラン数は2,768件と、前年度比+5.6%となりました。

 

FY2020のレストラン平均売上高は2,223ドルと、前年度比+0.8%となりました。

 

利益の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は3億ドルと、前年度比▲34.6%となり、営業利益率は4.8%と、前年度の7.9%から悪化しました。

 

FY2020のEPSは12.52ドルと、前年度比+1.1%となりました。

非GAAP EPSは10.73ドルと、前年度比▲23.6%となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは7億ドルと、前年度比▲8.0%、過去5年間では年率▲0.6%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は11.1%と、前年度の12.9%から悪化しました。

 

FY2020の設備投資額/売上高は6.2%と、前年度の6.0%から増加しました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは3億ドルと、前年度比▲25.1%、過去5年間では年率▲7.4%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は4.9%と、前年度の6.9%から悪化しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

無配です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

平時の益利回り(PERの逆数)は1〜2%、フリーキャッシュフロー利回りは2〜3%程度と、バリュエーション面では割安感はありません。

総還元利回りは低下傾向にあります。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲2.0%減少しました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは10%程度です。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、8勝です。

 

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、5勝、3敗です。

 

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、1敗、1引き分けです。

 

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+189%(年率+23.6%)と、S&P500の上昇率+84%(年率+12.9%)を大きく上回りました。

 

競合他社(レストラン)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

チポトレ・メキシカン・グリル(CMG)の株価上昇率は、2020年の1年間で+66%と、10社平均(+24%)を上回り、10社中第1位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+380%と、10社平均(+84%)を上回り、10社中第1位となりました。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.5%、金利が1%上昇した場合は6.4%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜6年目+25%、7年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜5年目+30%、6年目〜10年目+25%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+20%、4年目〜10年目+150%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオでの目標株価は1,064ドルとなります。

 

チポトレ・メキシカン・グリル(Chipotle Mexican Grill、CMG)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は60億ドルと、前年度比+7.1%となりました。

DCF法による目標株価は1,064ドルのため、2021年3月末時点の株価1,421ドルより低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.6倍(年率+10%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが15%(FY2020:5%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

レストランのなかでは、急成長している企業です。

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