ロレアル(OR.PA)決算分析と目標株価 世界最大の化粧品会社 eコマースの売上高が1/4を占める キャッシュフロー拡大  

家庭用品・パーソナル用品

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とロレアルへの投資についてコメントします。

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会社概要

ロレアル(L’oreal、OR.PA)

ホームページ(IR):リンク先

国:フランス

セクター:生活必需品

産業グループ:家庭用品・パーソナル用品

サブ産業グループ:パーソナル用品

株式時価総額:2,060億ドル(世界ランキング第42位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:957億ドル(2020年12月末、MSCI)

ロレアルは、フランスに本拠を置く、世界最大の化粧品会社です。

4つのセグメントに分けられており、消費者向け製品事業は、ロレアルパリやメイベリンニューヨークなど、ロレアルリュクス事業は、ランコム、イヴ・サンローラン、ジョルジオ アルマーニなどのブランドがあります。

フランス株式市場で第4位、生活必需品セクターで第9位、家庭用品・パーソナル用品で第3位の浮動株調整後株式時価総額で、パーソナル用品に占めるロレアルの浮動株調整後株式時価総額比率は21%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は280億ユーロと、前年度比▲6.3%、過去5年間では年率+2.9%となりました。

eコマースの売上高は、前年度比+62%と急増し、全体の26.6%を占めます。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・専門向け製品:31億ユーロ、前年度比▲10.0%

・消費者向け製品:117億ユーロ、前年度比▲8.2%

・ロレアルリュクス:102億ユーロ、前年度比▲7.6%

・アクティブ化粧品:30億ユーロ、前年度比+13.0%

セグメント別の売上高構成比は、消費者向け製品が42%、ロレアルリュクスが36%を占めます。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・西欧:75億ユーロ、前年度比▲9.2%

・北米:69億ユーロ、前年度比▲8.8%

・アジアパシフィック:98億ユーロ、前年度比+1.5%

・ラテンアメリカ:15億ユーロ、前年度比▲17.1%

・東欧:17億ユーロ、前年度比▲11.8%

・アフリカ/中東:6億ユーロ、前年度比▲9.9%

地域別の売上高構成比は、アジアパシフィックが35%、西欧が27%、北米が25%を占めます。

利益(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は52億ユーロと、前年度比▲6.1%、過去5年間では年率+3.8%となりました。

営業利益率は18.6%と、前年度の18.6%と同水準となりました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは6.34ユーロと、前年度比▲4.8%、過去5年間では年率+1.7%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは65億ユーロと、前年度比+3.0%、過去5年間では年率+9.0%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は23.1%と、前年度の21.0%から改善しました。

FY2020の設備投資額/売上高は3.5%と、前年度の4.1%から低下しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは55億ユーロと、前年度比+8.9%、過去5年間では年率+12.3%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は19.6%と、前年度の16.8%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の支払配当総額は22億ユーロと、フリーキャッシュフローの範囲内です。

FY2020の自社株買い実施はなしとなりました。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.0%、フリーキャッシュフロー利回りは3.1%と、バリュエーション面での割安感はありません。

配当利回りは1.3%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向、総還元性向は、利益・キャッシュフローベースともに、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

過去5年間の増配率は年率+5.2%です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

過去5年間の発行済株式数は、ほぼ横ばいとなりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは20%程度と、投資効率は高いです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+100%(年率+14.9%)と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+61%(年率+9.9%)を上回りました。

競合他社(家庭用品・パーソナル用品)の株価上昇率(RBはポンド建て、L’orealはユーロ建て、Kao/Shiseido/Unicharmは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

ロレアル(L’oreal)の株価上昇率は、2020年の1年間で+18%と、12社平均(+13%)を上回り、12社中第6位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+68%と、12社平均(+39%)を上回り、12社中第3位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

株式市場が大きく下落した局面では、下落率が抑制されています。

ドローダウンが比較的小さく、最高値から5%及び10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.8%、金利が1%上昇した場合は5.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ユーロ)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+10%、2年目〜3年目+7%、4年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+10%、4年目〜6年目+7%、7年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+5%、4年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は338ユーロとなります。

ロレアル(L’oreal、OR.PA)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は280億ユーロと、前年度比▲6.3%となりましたが、キャッシュフローが拡大中で、営業キャッシュフローマージンが20%を超えました。

過去5年間のROICは20%程度と、投資効率が高いです。

DCF法による目標株価は329ユーロのため、2021年2月末時点の株価303ユーロより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.8倍(年率+5.9%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである20%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

新型コロナウイルスの影響によって、業績が悪化しましたが、コロナ収束後は外出するため、化粧品等のニーズが高まることが想定されます。

投資継続です。

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