花王(4452)決算分析と目標株価 32期連続増配へ 利益率や投資効率は、海外大手競合他社と比較して遜色なし

家庭用品・パーソナル用品

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出と花王への投資についてコメントします。

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会社概要

花王(Kao、4452.T)

ホームページ(IR):リンク先

国:日本

セクター:生活必需品

産業グループ:家庭用品・パーソナル用品

サブ産業グループ:パーソナル用品

株式時価総額:3.8兆円(日本ランキング第31位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:372億ドル(2020年12月末、MSCI)

花王は、日本に本拠を置く、化粧品(エスト、キュレル等)、スキンケア・ヘアケア(ビオレ、メリット等)、ヒューマンヘルスケア(ロリエ、メリーズ等)、ファブリック&ホームケア(アタック、キュキュット等)、ケミカル(油脂製品、トナー等)の事業を展開する大手日用品メーカーです。

中期経営計画では、ベビー用品オムツ「メリーズ」、衣料用洗剤「アタック」、スキンケア製品「ビオレ」の3つを、売上高1,000億円を超えるブランドとして目標を掲げています。

パーソナル用品に占める花王の浮動株調整後株式時価総額比率は8%です。

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売上高(セグメント、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は1兆3,820億円と、前年度比▲8.0%、過去5年間では年率▲1.3%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・化粧品:2,341億円、前年度比▲22.4%

・スキンケア/ヘアケア:3,089億円、前年度比▲9.4%

・ヒューマンヘルスケア:2,340億円、前年度比▲8.3%

・ファブリック&ホームケア:3,744億円、前年度比+4.1%

・ケミカル:2,692億円、前年度比▲5.8%

セグメント別の売上高構成比は、化粧品が16%、スキンケア/ヘアケアが22%、ヒューマンヘルスケアが16%、ファブリック&ホームケアが26%、ケミカルが19%を占めます。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・日本:8,536億円、前年度比▲9.9%

・アジア:2,841億円、前年度比▲3.2%

・米州:1,287億円、前年度比▲6.6%

・欧州:1,155億円、前年度比▲6.8%

地域別の売上高構成比は、日本が62%、アジアが21%、北米が9%、欧州が8%を占めます。

利益(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は1,756億円と、前年度比▲17.1%、過去5年間では年率+1.0%となりました。

営業利益率は12.7%と、前年度の14.1%から悪化しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは262円と、前年度比▲14.5%、過去5年間では年率+4.6%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは2,147億円と、前年度比▲12.2%、過去5年間では年率+3.4%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は15.5%と、前年度の16.3%から悪化しました。

FY2020の設備投資額/売上高は5.1%と、前年度の6.2%から低下しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは1,449億円と、前年度比▲3.9%、過去5年間では年率+6.2%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は10.5%と、前年度の10.0%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の支払配当総額は650億円と、フリーキャッシュフローの範囲内です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.3%、フリーキャッシュフロー利回りは3.8%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、50%程度です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

過去5年間の増配率は年率+11.8%です。

FY2021は144円へ増配予定で、32期連続増配となります。

配当性向40%を目標とし、連続増配継続にこだわりがあります。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.9%減少しました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは概ね15%程度と、投資効率が比較的高いです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+27%(年率+5.0%)と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+61%(年率+9.9%)を下回りました。

競合他社(家庭用品・パーソナル用品)の株価上昇率(RBはポンド建て、L’orealはユーロ建て、Kao/Shiseido/Unicharmは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

花王(Kao)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲12%と、12社平均(+13%)を下回り、12社中第12位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+5%と、12社平均(+39%)を下回り、12社中第11位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から15%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

なお、足もとは20%超のドローダウンが継続中です。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを3.9%、金利が1%上昇した場合は4.8%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+1%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+4%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目▲1%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は7,786円となります。

花王(Kao、4452.T)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は1兆3,820億円(前年度比▲8.0%)、EPSは262円(前年度比▲14.5%)と、減収減益となりました。

利益率やキャッシュフローマージン、投資効率は、P&Gには劣後するものの、ユニリーバ等競合他社と比較して悪くない水準です。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:1兆4,300億円(前年度比+3.5%)

・営業利益:1,770億円(前年度比+0.8%)

・当期利益:1,270億円(前年度比+0.7%)

DCF法による目標株価は7,786円のため、2021年2月末時点の株価7,144円より高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.1倍(年率+1%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである10%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

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