リンデ(LIN)決算分析と目標株価 自動車や半導体の工場で使用される産業ガス世界最大手 利益率は改善傾向

銘柄分析

2020年10-12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とリンデへの投資についてコメントします。

スポンサーリンク

会社概要

リンデ(Linde、LIN)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:イギリス(MSCI:アメリカ)

セクター:素材

産業グループ:化学

サブ産業グループ:工業用ガス

株式時価総額:1,383億ドル(世界ランキング第84位、2020年12月末)

リンデは、イギリスに本拠を置く、独リンデと米プラクスエアが合併して設立された産業ガス世界最大手です。

素材セクターで第1位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、工業用ガスに占めるリンデの浮動株調整後株式時価総額比率は49%です。

素材セクターの株式時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、PER、ROEの推移
世界の株式市場におけるセクター構成比率以下のグラフは、世界の株式市場における各セクターの構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。素材セクターは、第8位(5.0%)です。素材セクターの国別構...

売上高(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は73億ドルと、前年同期比+2.7%となり、コンセンサス(70.3億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・アメリカ:27.2億ドル、前年同期比▲0.5%

・欧州/中東/アフリカ:17.5億ドル、前年同期比+5.6%

・アジアパシフィック:15.7億ドル、前年同期比+12.0%

・エンジニアリング:7.6億ドル、前年同期比▲1.9%

・その他:4.8億ドル、前年同期比▲7.4%

セグメント別の売上高構成比は、アメリカが37%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

利益(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の非GAAP 営業利益は16億ドルと、前年同期比+19.7%となり、営業利益率は22.2%と、前年同期の19.0%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

2020Q4のEPSは1.45ドルと、コンセンサス(1.69ドル)を下回りました。

なお、非GAAP EPSは2.30ドルと、コンセンサス(2.15ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業キャッシュフローは24億ドルと、前年同期比+12.0%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は33.5%と、前年同期の30.7%から改善しました。

2020Q4の設備投資額/売上高は14.1%と、前年同期の13.3%から増加しました。

2020Q4のフリーキャッシュフローは14億ドルと、前年同期比+14.3%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は19.3%と、前年同期の17.4%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、4勝、3敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、7敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、6勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+23.8%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を上回りました。

競合他社の株価上昇率(Air Liquideはユーロ建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

リンデの株価上昇率(2020年)は、同じ産業サブグループ(工業用ガス)の中では、最も高い水準です。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(エアリキードはユーロ建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

リンデは、比較的下落相場に強いと言えます。

(参考)過去5年間の株価上昇率

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.6%、金利が1%上昇した場合は6.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+15%、2年目+14%・・・と1%逓減。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+15%、2年目+10%、3年目+9%・・・と1%逓減。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は295ドルとなります。

リンデ(Linde、LIN)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は73億ドル(コンセンサス70.3億ドル)、非GAAP EPSは2.30ドル(コンセンサス2.15ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・非GAAP EPS:9.10〜9.30ドル(+11〜13%)

 2021Q1:2.20〜2.25ドル(+16〜19%)

・10%増配と、50億ドルの自社株買い

DCF法による目標株価は295ドルのため、2021年2月末時点の株価244ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.7倍(年率+10.5%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである15%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

産業ガスは自動車や半導体の工場などで使われるため、経済成長に伴い、業績拡大が期待できます。

ヴァーレ(VALE)決算分析と目標株価 鉄鉱石をメインに生産 中国向け売上高が前年同期比+78%と牽引
2020年10-12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とヴァーレへの投資についてコメントします。会社概要ヴァーレ(Vale、VALE)ホームページ(IR):リンク先国:ブ...
タイトルとURLをコピーしました