ナイキ(NKE)決算分析と目標株価 アパレル企業のブランド力ランキング第1位 2桁増配継続中

耐久消費財・アパレル

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とナイキへの投資についてコメントします。

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会社概要

ナイキ(Nike、NKE)

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国:アメリカ

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:耐久消費財・アパレル

サブ産業グループ:履物

株式時価総額:2,221億ドル(世界ランキング第36位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:1,761億ドル(2020年12月末、MSCI)

ナイキは、アメリカに本拠を置く、スポーツ用の靴やアパレルなどを製造・販売する企業です。

イギリスのブランドファイナンスが発表したアパレル企業のブランドランキング(2020)によると、ナイキは第1位(2019:第1位)となっており、ブランド力は健在です。

一般消費財・サービスセクターで第5位、耐久消費財・アパレルでは第1位の浮動株調整後株式時価総額で、履物に占めるナイキの浮動株調整後株式時価総額比率は83%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q3(2020年12月-2021年2月期)の売上高は104億ドルと、前年同期比+8.9%となり、コンセンサス(110億ドル)を下回りました。

このうち、直販の売上高が40億ドルと、前年同期比+20%となり、デジタル販売が前年同期比+59%となりました。

セグメント別(ナイキブランドのみ)の売上高は、以下の通りです。

・フットウェア:65億ドル、前年同期比+2%

・スポーツウェア:30億ドル、前年同期比+2%

・スポーツ関連用品:3億ドル、前年同期比▲9%

セグメント別(ナイキブランドのみ)の売上高構成比は、フットウェアが67%、スポーツウェアが30%を占めます。

地域別(ナイキブランドのみ)の売上高は、以下の通りです。

・北米:36億ドル、前年同期比▲10%

・欧州/中東/アフリカ:26億ドル、前年同期比▲4%

・中国/香港/台湾:23億ドル、前年同期比+51%

・アジアパシフィック/ラテンアメリカ:13億ドル、前年同期比▲7%

地域別の売上高構成比は、北米が36%、欧州/中東/アフリカが27%、中国/香港/台湾が23%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+4.1%となりました。

利益(地域別)の推移

2021Q3(2020年12月-2021年2月期)の営業利益は17億ドルと、前年同期比+41%となり、営業利益率は16.2%と、前年同期の11.8%から改善しました。

地域別のEBITマージンは、以下の通りです。

2021Q3のEPSは0.90ドルと、前年同期比+70%となり、コンセンサス(0.76ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2021Q3(2020年12月-2021年2月期)の営業キャッシュフローは13億ドルと、前年同期比+9%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は12.5%と、前年同期の11.7%から改善しました。

2021Q3の設備投資額/売上高は1.7%と、前年同期の2.7%から低下しました。

2021Q3のフリーキャッシュフローは11億ドルと、前年同期比+23%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は10.7%と、前年同期の9.0%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いは3四半期連続で実施なしです。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は1.6%、フリーキャッシュフロー利回りは0.9%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは0.955ドルと、前年度比+11.0%となりました。

なお、FY2021のDPS四半期配当は1.07ドルと、前年度比+12.0%の予定です。

19年連続増配中です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲2.1%減少しました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは15〜30%程度と、投資効率は高いです。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去12四半期中、10勝、2敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去12四半期中、9勝、2敗、1引き分けです。

株価上昇率

過去1年間(2020年3月から2021年2月末)の株価上昇率は+50.8%と、S&P500の株価上昇率+29.0%を大きく上回りました。

競合他社(耐久消費財・アパレル)の株価上昇率(NKE、LULU、PTONはドル建て、LVMH、Addias、Kering、Essilor、Hermesはユーロ建て、Richemontはスイスフラン建て、Sonyは日本円建て)は、以下の通りです。

ナイキ(NKE)の株価上昇率は、2020年の1年間で+40%と、10社平均(+59%)を下回り、10社中第3位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+126%と、9社平均(+100%)を上回り、9社中第2位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から20%程度下落した場合には、絶好の買い場です。

(参考)過去5年間の株価上昇率

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.4%、金利が1%上昇した場合は5.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+200%、2年目+40%、3年目から10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+200%、2年目+50%、3年目から10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+200%、2年目+40%、3年目から10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は154ドルとなります。

ナイキ(Nike、NKE)への投資について

2021Q3(2020年12月-2021年2月期)の売上高は104億ドルと、コンセンサス(110億ドル)を下回りましたが、EPSは0.90ドル(コンセンサス0.76ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

他のブランドメーカーと同様、デジタル販売が好調でした。

なお、在庫は67億ドルと、前年同期比+15%となりました。

DCF法による目標株価は154ドルのため、2021年3月末時点の株価133ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.6倍(年率+10%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが13%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いに積極的なので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

政治的な要因によって、好調な中国向け売上高が減少する可能性がある点には注意が必要です。

投資継続です。

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