アディダス(ADS.DE)決算分析と目標株価 アパレルブランド力第3位 キャッシュフローマージンが低い

耐久消費財・アパレル

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアディダスへの投資についてコメントします。

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会社概要

アディダス(Adidas、ADS.DE)

ホームページ(IR):リンク先

国:ドイツ

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:耐久消費財・アパレル

サブ産業グループ:アパレル・アクセサリー・贅沢品

浮動株調整後株式時価総額:694億ドル(2020年12月末、MSCI)

アディダスは、ドイツに本拠を置く、大手スポーツメーカーです。

イギリスのブランドファイナンスが発表したアパレル企業のブランドランキング(2020)によると、アディダスは、ナイキ、グッチに次いで第3位(2019:第3位)となりました。

2006年に買収したリーボック(Reebok)を売却すると発表しました。

ドイツ株式市場で第5位、一般消費財・サービスセクターの耐久消費財・アパレルで第4位の浮動株調整後株式時価総額で、アパレル・アクセサリー・贅沢品に占めるアディダスの浮動株調整後株式時価総額比率は12%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は236億ユーロと、前年度比+7.9%、過去5年間では年率+8.5%となりました。

eコマースの売上高は、前年度比+53%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・フットウェア:111億ユーロ、前年度比▲17.7%

・スポーツウェア:77億ユーロ、前年度比▲14.2%

・ハードウェア:10億ユーロ、前年度比▲11.1%

セグメント別の売上高構成比は、フットウェアが56%、スポートウェアが39%を占めます。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・欧州:53億ユーロ、前年度比▲12.4%

・北米:48億ユーロ、前年度比▲10.4%

・アジアパシフィック:65億ユーロ、前年度比▲18.5%

地域別の売上高構成比は、アジアパシフィックが33%、欧州が27%、北米が24%を占めます。

利益の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は27億ユーロ(前年度比+12.3%)、営業利益率は11.3%と、前年度の10.8%から改善しました。

FY2020のEPSは9.70ユーロと、前年度比+14.8%、過去5年間では年率+22.4%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは28億ユーロと、前年度比+5.0%となり、過去5年間では、

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は11.9%と、前年度の12.3%から悪化しました。

FY2020の設備投資額/売上高は3.0%と、前年の3.6%とほぼ同水準です。

FY2020のフリーキャッシュフローは21億ユーロと、前年度比+11.4%となり、過去5年間では、

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は8.9%と、前年の8.6%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の支払配当総額はなしとなりました。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

(参考)過去5年間の発行済株式数

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

業績が悪化したFY2020を除くと、ROICは10〜20%程度であり、投資効率は比較的高いです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+231%(年率+27.1%)と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+61%(年率+9.9%)を大きく上回りました。

競合他社(耐久消費財・アパレル)の株価上昇率(NKE、LULU、PTONはドル建て、LVMH、Addias、Kering、Essilor、Hermesはユーロ建て、Richemontはスイスフラン建て、Sonyは日本円建て)は、以下の通りです。

アディダス(Adidas)の株価上昇率は、2020年の1年間で+3%と、10社平均(+59%)を下回り、10社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+78%と、9社平均(+100%)を下回り、9社中第6位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から30%程度下落した場合は、絶好の買い場です。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.8%、金利が1%上昇した場合は6.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ユーロ)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+50%、2年目〜4年目+12%、5年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+50%、2年目〜4年目+15%、5年目〜10年目+12%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+50%、2年目〜〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は283ユーロとなります。

アディダス(Adidas、ADS.DE)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は198億ユーロと、前年度比▲16.1%となりましたが、過去5年間では年率+3.2%と、コロナショックがあったにも関わらずプラスです。

キャッシュフローマージンは10%前後と、低い水準です。

ROICは10〜20%程度あることから、投資効率は比較的高いと言えますが、ナイキと比較するとやや低水準です。

DCF法による目標株価は283ユーロのため、2021年2月末時点の株価289ユーロとほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.9倍(年率+7%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが10%(FY2020:5%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ナイキの方が魅力的です。

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