エヌビディア(NVDA)決算分析と目標株価 画像処理用GPUを汎用計算に応用し、AIや自動運転等に活用 業績拡大が期待 

エヌビディア情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とエヌビディアへの投資についてコメントします。

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会社概要

エヌビディア(Nvidia Corporation、NVDA)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:半導体・半導体製造装置

サブ産業グループ:半導体

株式時価総額:4,985億ドル(世界ランキング第13位、2021年6月末)

エヌビディアは、アメリカに本拠を置く、ゲームや自動運転等向けGPU(Graphics Processing Unit)の設計・開発等を行う半導体企業です。

GPUは、3Dグラフィックなどの画像処理のために使われる、並列処理を行うことで高速に演算を回す半導体チップで、GPGPU(GPUを画像処理以外の目的に使用/汎用計算に応用等)に向けた開発環境をエヌビディアが提供したことで、大量の並列演算が必要なディープラーニングやAIにも活用されるようになりました。

インテルと異なり、エヌビディアは自社で半導体を設計し、台湾セミコンダクターのようなファウンドリー(受託生産)に製造を委託(生産設備を持たないファブレス)しています。

ソフトバンクグループ傘下にあるアームを400億ドルで買収することを発表していますが、各国から承認をもらえるかは不透明です。

 

(参考)競合他社(半導体)の株式時価総額(2021年6月末)
 株式時価総額
(億ドル)
台湾セミコンダクター(TSM)6,232
エヌビディア(NVDA)4,985
インテル(INTC)2,267
ブロードコム(AVGO)1,956
テキサス・インスツルメンツ(TXN)1,776
クアルコム(QCOM)1,612
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)1,141
マイクロン・テクノロジー(MU)953
SKハイニックス(000660.KS)775
アナログ・デバイセズ(ADI)635
NXPセミコンダクターズ(NXPI)567
メディアテック(2454.TW)546
インフォニオン・テクノロジーズ(IFX.DE)525
マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)410
STマイクロエレクトロニクス(STM)329

 

売上高(用途別、地域別)の推移

FY2021(2020年2月-2021年1月期)の売上高は167億ドルと、前年度比+52.7%、過去5年間で年率+27.2%となりました。

 

2022Q2(2021年5−7月期)の売上高は65.1億ドル(前年同期比+68.3%)と、コンセンサス(63.4億ドル)を上回りました。

 

用途別の売上高は、以下の通りです。

・ゲーム:30.6億ドル、前年同期比+85%

・プロ用ビジュアリゼーション:5.2億ドル、前年同期比+156%

・データセンター:23.7億ドル、前年同期比+35%

・自動車:1.5億ドル、前年同期比+37%

・その他:4.1億ドル、前年同期比+180%

用途別の売上高構成比は、ゲームが47%、データセンターが36%を占めます。

 

地域別の売上高構成比は、台湾が27%、中国(香港含む)が23%を占めます。

 

半導体の市場規模の見込み

2020年の半導体の市場規模は4,404億ドル(前年度比+7%)となりました。

WSTSによると、2021年予想は5,272億ドル(前年度比+20%)、2022年予想は5,734億ドル(前年度比+9%)です。

 

利益の推移

FY2021の営業利益は45億ドルと、前年度比+59.2%、過去5年間で年率+43.4%となりました。

営業利益率は27.2%と、前年度の26.1%から改善しました。

 

2022Q2の営業利益は24億ドル(前年同期比+275.4%)となりました。

 

FY2021の非GAAP EPSは2.50ドルと、前年度比+72.7%、過去5年間で年率+43.0%となりました。

 

2022Q2のEPSは0.94ドルと、コンセンサス(0.82ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.04ドル(前年同期比+89.1%)と、コンセンサス(1.02ドル)を上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2021の営業キャッシュフローは58億ドルと、前年度比+22.3%、過去5年間で年率+37.7%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は34.9%と、前年度の43.6%から悪化しました。

 

2022Q2の営業キャッシュフローは27億ドル(前年同期比+71.3%)となりました。

 

FY2021のフリーキャッシュフローは47億ドルと、前年度比+9.9%、過去5年間で年率+33.9%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は28.1%と、前年度の39.1%から悪化しました。

 

2022Q2のフリーキャッシュフローは25億ドル(前年同期比+85.2%)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020と2021は、自社株買いの実施はなしです。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2021の益利回り(PERの逆数)は1.3%、フリーキャッシュフロー利回りは1.4%です。

FY2021の配当利回りは0.1%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、10〜20%程度です。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2021のDPSは0.16ドルと、前年度比+0.0%、過去5年間で年率+10.4%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+2.0%となりました。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、10勝です。

EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去10半期中、9勝、1敗です。

非GAAP EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去10半期中、10勝です。

 
売上高(ドル)GAAP EPS(ドル)非GAAP EPS(ドル)
実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗
2020Q122220.160.140.220.20
2020Q226260.230.210.310.29
2020Q330290.360.310.450.40
2020Q431300.380.340.470.42
2021Q131300.370.340.450.42
2021Q239370.250.25×0.550.49
2021Q347440.530.420.730.64
2021Q450480.580.500.780.70
2022Q157540.760.630.910.82
2022Q265630.940.821.041.02

 

株価上昇率

FY2021の株価上昇率は+119.8%と、S&P500(+15.2%)を上回りました。

過去5年間(2016年2月から2021年1月末)の株価上昇率は年率+77.7%と、S&P500(年率+13.9%)を大きく上回りました。

 

2022Q2の株価上昇率は+29.9%と、S&P500(+5.1%)を上回りました。

 

競合他社(半導体)の株価上昇率(000660KSは韓国ウォン建て、2454.TWは台湾ドル建て、IFX.DEはユーロ建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

エヌビディア(NVDA)の株価上昇率は、2020年の1年間で+122%と、15社平均(+49%)を上回り、15社中第1位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+170%と、15社平均(+49%)を上回り、15社中第3位となりました。

 

過去10年間(2011年8月から2021年7月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

半導体は市況の影響を受けやすいため、ドローダウンが大きいです。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

上昇トレンドを再度上抜けたため、2017年のように株価急騰が期待できます。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+80%、2年目〜4年目+30%、5年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+80%、2年目〜7年目+30%、8年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+80%、2年目〜7年目+20%、8年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は210ドルとなります。

・メインシナリオ:210ドル

・アップサイドシナリオ:260ドル

・ダウンサイドシナリオ:138ドル

エヌビディア(Nvidia Corporation、NVDA)への投資について

2022Q2(2021年5−7月期)の売上高は65.1億ドル(コンセンサス63.4億ドル)、非GAAP EPSは1.04ドル(コンセンサス1.02ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

DCF法による目標株価は210ドルのため、2021年7月末時点の株価195ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が8.4倍(年率+24%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが40%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ここ数ヶ月間で株価が大きく上昇したことから割安感は薄れました。

株価の変動を気にせず長期保有する覚悟で、投資継続です。

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