アドビ(ADBE)決算分析と目標株価 ユーチューバー人気で画像・動画編集ツールが拡大 サブスクで大成功

アドビ情報技術

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアドビへの投資についてコメントします。

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会社概要

アドビ(Adobe、ADBE)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:アプリケーション・ソフトウェア

株式時価総額:2,399億ドル(世界ランキング第31位、2020年12月末)

アドビは、アメリカに本拠を置く、画像編集ソフトや動画編集ソフトなどの編集ツールおよびPDFや電子署名(デジタルメディア事業)に加え、顧客体験管理をスムーズにするなど法人向けマーケティングのサポート(デジタルエクスペリエンス事業)向けのソフトウェアを、サブスクリプション形態を中心にクラウド上で提供する企業です。

デジタルメディア事業は、アドビ・クリエイティブ・クラウド(Adobe Creative Cloud)とアドビ・ドキュメント・クラウド(Adobe Document Cloud)から構成されます。

アドビ・クリエイティブ・クラウドは、Photoshop(写真加工)やIllustrator(グラフィックデザイン)、Premiere Pro(映像編集)などのツールをサブスクリプションで利用することができます。

アドビ・ドキュメント・クラウドは、Acrobat Reader(PDFの閲覧等)、Acrobat DC(パスワード機能等)、Adobe Sign(電子契約機能)等があります。

 

(参考)競合他社(情報処理・外注サービス)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
アドビ(ADBE)2,799
セールスフォース(CRM)2,262
SAP(SAP)1,657
イントゥイット(INTU)1,339
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)1,140
アトラシアン(TEAM)642
オートデスク(ADSK)642
ダッソー・システムズ(DSY.PA)636
ワークデイ(WDAY)590
ドキュサイン(DOCU)545
パランティアテクノロジーズ(PLTR)495
シノプシス(SNPS)421
ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)381
トレードデスク(TTD)368
コンステレーション・ソフトウェア(CSU.TO)321
データドッグ(DDOG)321
ユニティ・ソフトウェア(U)307
アンシス(ANSS)302
ハブスポット(HUBS)272
リングセントラル(RNG)264

売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2019年12月-2020年11月期)の売上高は129億ドルと、前年度比+15.6%、過去5年間で年率+21.8%となりました。

 

2021Q2(2021年3−5月期)の売上高は38.4億ドル(前年同期比+22.7%)と、コンセンサス(37.3億ドル)を上回りました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・デジタルメディア:27.9億ドル、前年同期比+25%

・デジタルエクスペリエンス:9.4億ドル、前年同期比+21%

・出版&広告:1.1億ドル、前年同期比▲12%

 

セグメント別の売上高構成比は、デジタルメディアが73%を占めます。

 

デジタルメディア売上高の内訳は、以下の通りです。

・クリエイティブクラウド:23.2億ドル、前年同期比+24%

・ドキュメントクラウド:4.7億ドル、前年同期比+30%

 

利益の推移

FY2020の営業利益は42億ドルと、前年度比+29.7%、過去5年間で年率+36.2%となりました。

営業利益率は32.9%と、前年度の29.4%から改善しました。

 

2021Q2の営業利益は14億ドル(前年同期比+38.4%)となりました。

 

FY2020のEPSは10.83ドルと、前年度比+80.5%、過去5年間で年率+54.3%となりました。

 

2021Q2のEPSは2.32ドルと、コンセンサス(2.10ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは3.03ドルと、コンセンサス(2.82ドル)を上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは57億ドルと、前年度比+29.5%、過去5年間で年率+31.3%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は44.5%と、前年度の39.7%から改善しました。

 

2021Q2の営業キャッシュフローは20億ドル(前年同期比+67.9%)となりました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは53億ドルと、前年度比+33.0%、過去5年間で年率+33.2%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は41.1%と、前年度の35.7%から改善しました。

 

2021Q2のフリーキャッシュフローは19億ドル(前年同期比+73.8%)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

無配ですが、自社株買いに積極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.3%、フリーキャッシュフロー利回りは2.3%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.8%となりました。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去9四半期中、8勝、1敗です。

 

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去9四半期中、9勝です。

 

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去9四半期中、9勝です。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

FY2020のROICは35%と、投資効率は高いです。

 

株価上昇率

FY2020(2019年12月から2020年11月末)の株価上昇率は+54.6%と、S&P500(+15.3%)を上回りました。

過去5年間(2015年12月から2020年11月末)の株価上昇率は年率+39.2%と、S&P500(年率+11.7%)を大きく上回りました。

 

2022Q2の株価上昇率は+9.8%と、S&P500(+10.3%)を下回りました。

 

アドビ(ADBE)の株価上昇率は、2020年の1年間で+52%と、12社平均(+119%)を下回りました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+185%と、9社平均(+393%)を下回りました。

 

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

近年はドローダウンが小さく、最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

綺麗な上昇トレンドです。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.2%、金利が1%上昇した場合は7.1%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜8年目+15%、9年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+20%、3年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は553ドルとなります。

 

アドビ(Adobe、ADBE)への投資について

2021Q2(2021年3−5月期)の売上高は38.4億ドル(コンセンサス37.3億ドル)、非GAAP EPSは3.03ドル(コンセンサス2.82ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

2021Q3のガイダンスは、以下の通りです。

・全体:〜38.8億ドル(コンセンサス38.3億ドル)

・デジタルメディア:〜+22%

・デジタルエクスペリエンス:〜+21%

・EPS:〜2.27ドル

・非GAAP EPS:〜3.00ドル(コンセンサス2.90ドル)

DCF法による目標株価は553ドルのため、2021年5月末時点の株価505ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.2倍(年率+12%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが50%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ユーチューブの動画編集ソフトなど一般人もアドビを利用しつつあります。

マイクロソフトのように、安定した成長は魅力的です。

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