サーモフィッシャー(TMO)決算分析と目標株価 バイオ関連機器や分析機器等のライフサイエンス最大手

医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とサーモフィッシャー ・サイエンティフィックへの投資についてコメントします。

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会社概要

サーモフィッシャー ・サイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific、TMO)

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国:アメリカ

セクター:ヘルスケア

産業グループ:医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス

サブ産業グループ:ライフサイエンス

株式時価総額:1,846億ドル(世界ランキング第54位、2020年12月末)

サーモフィッシャー・サイエンティフィックは、アメリカに本拠を置く、バイオ関連機器や分析機器、ラボ用製品、臨床診断用機器、研究・臨床検査試薬等の製造・販売などを手掛ける科学サービストップ企業です。

ヘルスケアセクターで第9位、医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンスで第7位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、ライフサイエンス・ツール/サービスに占めるサーモフィッシャー・サイエンティフィックの浮動株調整後株式時価総額比率は33%です。

ヘルスケアセクターの株式時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、PER、ROEの推移
世界の株式市場におけるセクター(GICS)構成比率以下のグラフは、世界の株式市場における各セクターの構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。ヘルスケアセクターは、第4位(11.4%)です。...

売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は99.1億ドル(前年同期比+59.0%)と、コンセンサス(97.2億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・ライフサイエンス ソリューション:42億ドル、前年同期比+137%

・分析機器:14億ドル、前年同期比+26%

・特殊診断:16億ドル、前年同期比+69%

・ラボ用製品&サービス:36億ドル、前年同期比+32%

セグメント別の売上高構成比は、ライフサイエンス ソリューションが39%、ラボ用製品&サービスが33%、特殊診断が15%、分析機器が13%を占めます。

FY2020のタイプ別売上高構成比は、消耗品が58%、機器が21%、サービスが21%を占めます。

FY2020の地域別売上高構成比は、北米が53%、欧州が26%、アジアパシフィックが18%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+13.7%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q1の営業利益は30億ドル(前年同期比+237%)、営業利益率は30.8%と、前年同期の14.5%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

2021Q1のEPSは5.88ドル(前年同期比+198%)と、コンセンサス(5.79ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは7.21ドルと、コンセンサス(6.68ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+26.5%となりました。

非GAAP EPSは、過去5年間で年率+21.5%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは20億ドル(前年同期比+456%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は20.0%と、前年同期の5.7%から改善しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは14億ドルと、前年同期比+1,211%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は13.6%と、前年同期の1.7%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+23.0%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+22.0%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

2021Q1に20億ドルの自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.4%、フリーキャッシュフロー利回りは3.7%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに10%程度です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは0.88ドルと、前年度比+15.8%、過去5年間では年率+8.0%となりました。

FY2021のDPSは1.04ドル(前年度比+18.2%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.1%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、8勝です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、8勝です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+60.9%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を上回りました。

競合他社(医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

サーモフィッシャー ・サイエンティフィック(TMO)の株価上昇率は、2020年の1年間で+43%と、13社平均(+10%)を上回り、13社中第1位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+145%と、13社平均(+43%)を上回り、13社中第1位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

サーモフィッシャー ・サイエンティフィックは、下落相場にやや強いと言えます。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+26.8%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.2%、金利が1%上昇した場合は6.2%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜5年目+10%、6年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は533ドルとなります。

サーモフィッシャー ・サイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific、TMO)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は99.1億ドル(コンセンサス97.2億ドル)、非GAAP EPSは7.21ドル(コンセンサス6.68ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

DCF法による目標株価は533ドルのため、2021年4月末時点の株価470ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.9倍(年率+6%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである21%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

アフターコロナを見越して、株価は株式市場全体に劣後する可能性が高いですが、長期的にみれば、ヘルスケアセクタの中では、ダナハーと並んで、魅力的な企業です。

投資継続です。

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