ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)決算分析と目標株価 消費者向け製品、医薬品、医療機器と事業が分散

医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とジョンソン・エンド・ジョンソンへの投資についてコメントします。

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会社概要

ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson、JNJ)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:ヘルスケア

産業グループ:医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス

サブ産業グループ:医薬品

株式時価総額:4,143億ドル(世界ランキング第14位、2020年12月末)

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、アメリカに本拠を置く、消費者向け製品、医薬品、医療機器を製造・販売する世界最大級のヘルスケア企業です。

先進国およびアメリカ株式市場で第7位(グーグル1社としてカウント)、ヘルスケアセクターで第1位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、医薬品に占めるジョンソン・エンド・ジョンソンの浮動株調整後株式時価総額比率は15%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は223億ドル(前年同期比+7.9%)と、コンセンサス(220億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・一般消費者向け製品:35億ドル、前年同期比▲2%

・医薬品:122億ドル、前年同期比+10%

・医療機器:66億ドル、前年同期比+11%

セグメント別の売上高構成比は、一般消費者向け製品が16%、医薬品が55%、医療機器が29%を占めます。

一般消費者向け製品のサブセグメント別の売上高構成比は、市販薬が34%、スキンケアが32%、口腔ケアが12%、ベビーケアが11%を占めます。

医薬品のサブセグメント別の売上高構成比は、免疫が33%、腫瘍が27%、精神/神経が14%を占めます。

医療機器のサブセグメント別の売上高構成比は、外科が36%、整形外科が34%、視力が17%、インターベンションが13%を占めます。

地域別の売上高構成比は、アメリカが52%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+3.3%となりました。

利益の推移

2021Q1の営業利益は66億ドル(前年同期比+13.7%)、営業利益率は29.8%と、前年同期の28.3%から改善しました。

セグメント別の税引前純利益率は、以下の通りです。

2020Q4のEPSは2.32ドルと、コンセンサス(2.10ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは2.59ドルと、コンセンサス(2.35ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+0.1%となりました。

非GAAP EPSは、過去5年間で年率+5.3%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは41億ドル(前年同期比+21.3%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は18.3%と、前年同期の16.2%から改善しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは34億ドル(前年同期比+24.3%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は15.2%と、前年同期の13.2%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+3.8%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+4.6%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

2021Q1に14億ドルの自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.5%、フリーキャッシュフロー利回りは4.8%です。

過去5年間の配当利回りは2.5%前後です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向、総還元性向は、利益・キャッシュフローベースともに、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは3.98ドルと、前年度比+6.1%、過去5年間では年率+6.2%となりました。

FY2021のDPSは4.19ドル(前年度比+5.3%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.0%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、7勝、1敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、8勝です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+25.3%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

競合他社(医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の株価上昇率は、2020年の1年間で+8%と、13社平均(+10%)を下回り、13社中第6位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+13%と、13社平均(+43%)を下回り、13社中第9位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、下落相場に強いと言えます。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+8.9%と、S&P500(年率+12.9%)を下回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.9%、金利が1%上昇した場合は5.9%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+10%、2年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+10%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+10%、2年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は192ドルとなります。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson、JNJ)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は223億ドル(コンセンサス220億ドル)、非GAAP EPSは2.59ドル(コンセンサス2.35ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスを変更しました。

・売上高:905〜917億ドル→906〜916億ドル(コンセンサス923.2億ドル)

・調整後EPS:9.40〜9.60ドル→9.42〜9.57ドル(コンセンサス9.51ドル)

DCF法による目標株価は192ドルのため、2021年4月末時点の株価163ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.3倍(年率+3%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである24%(過去5年間も同程度)が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いを実施しているので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

P&Gやアボット・ラボラトリーズと並んで、安心感のある銘柄ですが、増収率が低いことから、長期的にみて株式市場全体に劣後する可能性は高いです。

ディフェンシブ銘柄は、P&G等の生活必需品セクターに任せ、ヘルスケアセクターは増収率の高い企業へ投資する方針なので、株価が急落した場合を除いて投資は見送りです。

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