オリエンタルランド(4661)決算分析と目標株価 ディズニーとのライセンス契約は最長2076年 値上げで顧客単価上昇

オリエンタルランド一般消費財・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とオリエンタルランドへの投資についてコメントします。

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会社概要

オリエンタルランド(Oriental Land Co., Ltd.、4661.T)

ホームページ(有報):リンク先

国:日本

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:消費者サービス

サブ産業グループ:レジャー設備

株式時価総額:6.2兆円(日本第17位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:301億ドル(2021年3月末、MSCI)

オリエンタルランドは、日本に本拠を置く、テーマパーク(東京ディズニーランド、東京ディズニーシー)やホテル(ディズニーホテル等)、その他(イクスピアリ等)の事業を展開する企業です。

アメリカのディズニーと、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーのライセンス契約を、最長2051年9月3日(さらに、5年間ずつ、5回にわたり延長可能=2076年)まで締結しています。

一般消費財・サービスセクターの消費者サービスで第9位の浮動株調整後株式時価総額で、レジャー設備に占めるオリエンタルランドの浮動株調整後株式時価総額比率は72%です。

売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は1,706億円と、前年度比▲63.3%、過去5年間で年率▲18.2%となりました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・テーマパーク(アトラクション):669億円、前年度比▲63%

・テーマパーク(商品販売):416億円、前年度比▲67%

・テーマパーク(飲食販売):226億円、前年度比▲68%

・テーマパーク(その他):31億円、前年度比▲51%

・ホテル:286億円、前年度比▲56%

・その他(イクスピアリ):43億円、前年度比▲31%

・その他(モノレール):10億円、前年度比▲79%

・その他(その他):24億円、前年度比▲54%

 

セグメント別の売上高構成比は、テーマパークが79%、ホテルが17%、その他が4%を占めます。

 

入園者数は756万(前年度比▲74%)となりました。

 

ゲスト1人あたり売上高は13,642円(前年度比+18%)、うちチケット収入は6,538円(前年度比+24%)、商品販売収入は4,122円(前年度比+6%)m飲食販売は2,982円(前年度比+22%)となりました。

 

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は▲460億円と、前年度比赤字転落となりました。

営業利益率は▲27.0%と、前年度の20.9%から悪化しました。

 

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

 

FY2020のEPSは▲166円と、前年度比赤字転落となりました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは▲238億円と、前年度比赤字転落となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は▲14.0%と、前年度の15.8%から悪化しました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは▲1,408億円と、前年度比赤字幅拡大となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は▲82.5%と、前年度の▲13.1%から悪化しました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020は、自社株買いの実施はなしです。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)、フリーキャッシュフロー利回りともに、低下傾向です。

FY2020の配当利回りは0.2%です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは26円と、前年度比▲40.9%、過去5年間で年率▲5.8%となりました。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.4%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

FY2016から2018のROICは15%超と、比較的高い水準です。

 

株価上昇率

FY2020(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+20.3%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+54.9%)を下回りました。

過去5年間(2016年4月から2021年3月末)の株価上昇率は年率+15.8%と、VT ETF(年率+11.0%)を上回りました。

 

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.7%、金利が1%上昇した場合は5.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目、2年目は赤字縮小、3年目黒字転換、4年目+80%、5年目+30%、6年目〜10年目+25%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目、2年目は赤字縮小、3年目黒字転換、4年目+80%、5年目〜10年目+30%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目、2年目は赤字縮小、3年目黒字転換、4年目+80%、5年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は16,832円となります。

 

オリエンタルランド(Oriental Land Co., Ltd.、4661.T)への投資について

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は1,706億円(前年度比▲63.3%)、営業利益は▲460億円(前年度比赤字転落)、純利益は▲542円(前年度比赤字転落)と、減収減益となりました。

DCF法による目標株価は16,832円のため、2021年5月末時点の株価16,310円とほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が8.4倍(年率+24%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが25%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

コロナ収束後は、業績急回復が期待できます。

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