ファイサーブ(FISV)決算分析と目標株価 決済サービス(アクワイアラ)大手 ファーストデータ買収

情報処理・外注サービス

2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とファイサーブへの投資についてコメントします。

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会社概要

ファイサーブ(Fiserv、FISV)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:情報処理・外注サービス

株式時価総額:797億ドル(2021年3月末)

ファイサーブは、アメリカに本拠を置く、金融機関向けのソフトウェア開発やシステム構築、決済処理、インターネットバンキング、小売業者向けへのPOS(Point of Sale、販売時点情報管理)等を提供する企業です。

もともと金融機関向け事業が中心でしたが、2019年に決済サービス大手のファースト・データを220億ドルで買収したことから、企業向けや決済事業が大きく拡大しました。

(参考)情報処理・外注サービスの株式時価総額(2021年3月末)

情報技術セクターの株式時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、PER、ROEの推移
世界の株式市場におけるセクター(GICS)構成比率以下のグラフは、世界の株式市場における各セクターの構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。情報技術セクターは、第1位(21.3%)です。情...

売上高(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は38.3億ドルと、前年同期比▲5.3%となり、コンセンサス(39.7億ドル)を下回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・企業向け:14.4億ドル、前年同期比▲7.4%

・金融機関向け:7.4億ドル、前年同期比▲1.2%

・決済:14.1億ドル、前年同期比▲2.2%

セグメント別の売上高構成比は、企業向けが40%、金融機関向けが21%、決済が39%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

利益(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業利益は5.2億ドルと、前年同期比+7.9%となり、営業利益率は13.5%と、前年同期の11.8%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

2020Q4のEPSは0.44ドルと、コンセンサス(0.64ドル)を下回りました。

なお、非GAAP EPSは1.30ドルと、コンセンサス(1.29ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業キャッシュフローは11.9億ドルと、前年同期比+0.4%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は30.9%と、前年同期の29.2%から改善しました。

2020Q4の設備投資額/売上高は5.5%と、前年同期の7.2%から低下しました。

2020Q4のフリーキャッシュフローは9.8億ドルと、前年同期比+9.4%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は25.4%と、前年同期の22.0%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

配当はなしです。

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間の発行済株式数

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去5四半期中、5敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去5四半期中、1勝、4敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去5四半期中、2勝、1敗、2引き分けです。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は▲1.5%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を下回りました。

競合他社(情報処理・外注サービス)の株価上昇率(Adyen:ユーロ建て、その他:ドル建て)は、以下の通りです。

ファイサーブ(FISV)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲2%と、11社平均(+64%)を大きく下回りました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+71%と、9社平均(+144%)を下回りました。

(参考)過去5年間の株価上昇率

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.8%、金利が1%上昇した場合は6.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜5年目+12%、6年目+11%・・・と1%逓減。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+12%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+12%、2年目+11%・・・と1%逓減。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は162ドルとなります。

ファイサーブ(Fiserv、FISV)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は38.3億ドルと、コンセンサス(39.7億ドル)を下回る状態が続き、非GAAP EPSは1.30ドルと、コンセンサス(1.29ドル)を上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

売上高:+8〜12%

非GAAP EPS:5.30〜5.50ドル(+20〜24%)

DCF法による目標株価は162ドルのため、2021年2月末時点の株価115ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.4倍(年率+9%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが25%(FY2020:22%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

フィデリティナショナルインフォメーション(FIS)決算分析と目標株価 決済サービス(アクワイアラ)大手 ワールドペイ買収
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