ベリサイン(VRSN)決算分析と目標株価 .com管理のドメインレジストリ 安定収入でキャッシュフローマージンは5割超

インターネットサービスおよびインフラストラクチャー

2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とベリサインへの投資についてコメントします。

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会社概要

ベリサイン(VeriSign、VRSN)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:インターネットサービスおよびインフラストラクチャー

株式時価総額:219億ドル(2021年2月末)

ベリサインは、アメリカに本拠を置く、「.com」や「.net」などのドメインを管理するインターネットインフラ企業です。

ベリサインのように、ドメインを管理する機関をドメインレジストリと呼び、ユーザーが直接ドメインレジストリにドメインを登録することは手続きが煩雑なことから、ゴーダディ(GoDaddy)やGMOインターネットのように、ドメインの登録申請を代行・管理する事業者をドメインレジストラと呼びます。

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売上高の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は3.2億ドルと、前年同期比+3.1%となり、コンセンサス(3.2億ドル)とほぼ同水準となりました。

(参考)過去5年間の売上高

ドメイン名登録数の推移

「.com」と「.net」のドメイン名登録数は1.65億と、前年同期比+4.0%となりました。

うち、「.com」が1.52億、「.net」が0.13億です。

新規ドメイン名登録数は1,050万と、前年同期比+2%となりました。

利益の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業利益は2.0億ドルと、前年同期比+3.0%となり、営業利益率は63.9%と、前年同期の63.9%とほぼ同水準となりました。

2020年Q4のEPSは1.38ドルと、前年同期比+9.5%となり、コンセンサス(1.29ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業キャッシュフローは2.0億ドルと、前年同期比+0.8%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は61.0%と、前年同期の62.3%から悪化しました。

2020Q4の設備投資額/売上高は2.0%と、前年同期の2.8%から低下しました。

2020Q4のフリーキャッシュフローは1.9億ドルと、前年同期比+2.2%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は58.9%と、前年同期の59.5%から悪化しました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的(FY2018:6億ドル、FY2019:8億ドル、FY2020:8億ドル)です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、3勝、4引き分けです。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、6勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+12.3%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を下回りました。

競合他社(インターネットサービスおよびインフラストラクチャー)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ベリサイン(VRSN)の株価上昇率は、2020年の1年間で+12%と、10社平均(+130%)を下回りました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+89%と、9社平均(+580%)を下回りました。

(参考)過去5年間の株価上昇率

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.4%、金利が1%上昇した場合は5.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+4%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+2%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は184ドルとなります。

ベリサイン(VeriSign、VRSN)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は3.2億ドルと、コンセンサス(3.2億ドル)とほぼ同水準だったものの、EPSは1.38ドルと、コンセンサス(1.29ドル)を上回る実績となりました。

2021年9月1日から、「.com」ドメインの年間登録価格(新規・更新)を7.85ドルから8.39ドルへ引き上げることを発表しました。

DCF法による目標株価は184ドルのため、2021年2月末時点の株価194ドルより低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.5倍(年率+4%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである54%が10年間継続することを想定したので、値上げ等によってさらに売上高が増加すればより高い株価上昇が期待できます。

安定してコツコツ稼ぐ点は魅力的です。

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