ファストリー(FSLY)決算分析と目標株価 コンテンツ配信ネットワーク(CDN) エッジコンピューティング市場拡大期待

インターネットサービスおよびインフラストラクチャー

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とファストリーへの投資についてコメントします。

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会社概要

ファストリー(Fastly、FSLY)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:インターネットサービスおよびインフラストラクチャー

株式時価総額:84億ドル(2021年2月末)

ファストリーは、アメリカに本拠を置く、エッジコンピューティング(データを収集する端末機器や近いエリアのネットワークにサーバーを分散配置して処理)インフラを開発し、リアルタイムの確保やセキュリティの向上などインターネットサービスの利便性を改善するコンテンツ配信ネットワーク(CDN)プロバイダーです。

クラウドサービス(サーバーを集約し集中して処理)は、ネットワークの遅延や障害などのデメリットがあることから、低遅延での通信が求められるリアルタイムアプリケーションの利用拡大により、エッジコンピューティングが必要不可欠となっています。

コンテンツ配信元が内容を変更した場合、新しいコンテンツがキャッシュサーバに反映されるまで数分時間がかかりましたが、ファストリーは最速200ミリ秒でキャッシュを削除する機能を導入している点が特徴で、更新頻度が多いコンテンツ配信元にとってはメリットが大きいです。

業界最大手は、世界130ヶ国以上に30万台以上のサーバーを配置しているアカマイ・テクノロジーズ(AKAM)です。

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(参考)インターネットサービスおよびインフラストラクチャーの株式時価総額

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売上高の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は0.85億ドル(前年同期比+34.8%)と、コンセンサス(0.85億ドル)と一致しました。

2021Q1の1株あたり売上高は前年同期比+12.7%、PSR(売上高は各四半期の売上高×4倍、株価は各会計四半期末)は22.6倍となりました。

(参考)過去4年間の売上高

売上高は、過去3年間で年率+40.5%となりました。

(参考)過去5年間の1株あたり売上高とPSR(株価は会計年度末時点)

1株あたり売上高は、過去3年間で年率▲14.4%となりました。

ネットエクスパンションレート、ネットリテンションレートの推移

ネットエクスパンションレート(既存顧客からの追加売上)は139%、ネットリテンションレート(既存顧客の売上継続率)は107%と、100%を超えて推移しており、追加的なサービス等により既存顧客の支払いが増加していることを意味します。

利益の推移

2021Q1の粗利益は0.5億ドル(前年同期比+32.8%)、粗利益率は55.8%と、前年同期の56.7%から悪化しました。

2021Q1のEPSは▲0.44ドルと、コンセンサス(▲0.28ドル)を下回りました。

非GAAP EPSは▲0.12ドルと、コンセンサス(▲0.11ドル)を下回りました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは▲0.3億ドル(前年同期比赤字幅拡大)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は▲12.8%と、前年同期の▲11.4%から悪化しました。

(参考)過去4年間の営業キャッシュフロー

(参考)過去4年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

株主還元は実施なしです。

(参考)過去4年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去3年間で年率+64.2%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、1敗、1引き分けです。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、2勝、6敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、5勝、3敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+254.5%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を大きく上回りました。

競合他社(インターネットサービスおよびインフラストラクチャー)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ファストリー(FSLY)の株価上昇率は、2020年の1年間で+335%と、10社平均(+130%)を上回りました。

2019年5月から2021年4月のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを9.4%、金利が1%上昇した場合は10.4%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+0%、3年目+0億ドル、4年目+1億ドル、5年目+80%、6年目〜10年目+25%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+0%、3年目+0億ドル、4年目+1億ドル、5年目+80%、6年目〜10年目+50%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+0%、3年目+0億ドル、4年目+1億ドル、5年目+80%、6年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は40ドルとなります。

ファストリー(Fastly、FSLY)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は0.85億ドル(コンセンサス0.85億ドル)と、コンセンサスと一致し、非GAAP EPSは▲0.12ドル(コンセンサス▲0.11ドル)と、コンセンサスを下回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:3.80〜3.90億ドル(コンセンサス3.82億ドル)

・非GAAP EPS:▲0.44〜▲0.35ドル(コンセンサス▲0.38ドル)

2021Q2のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:0.84〜0.87億ドル

・非GAAP EPS:▲0.19〜▲0.16ドル

DCF法による目標株価は40ドルのため、2021年4月末時点の株価64ドルより低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が11.3倍(年率+27%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが20%まで上昇することを想定(競合他社であるアカマイのFY2020:15%、設備投資が必要なので20%と想定)したので、フリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

決算発表を受けて株価が急落したことことで、割高感が薄れました。

エッジコンピューティングというテーマは面白そうです。

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