アディエン(Adyen)決算分析と目標株価 イーベイの決済サービスをペイパルから奪取 リスク管理に強み

情報処理・外注サービス

2020年10−12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアディエン(Adyen)への投資についてコメントします。

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会社概要

アディエン(Adyen、ADYEN.AS)

ホームページ(IR):リンク先

国:オランダ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:情報処理・外注サービス

浮動株調整後株式時価総額:347億ドル(2020年11月末、MSCI)

アディエンは、オランダに本拠を置く、決済サービスのプロバイダーです。

アディエンは2006年に設立され、2018年6月に公開価格240ユーロでユーロネクスト・アムステルダムに上場しました。

単一の決済プラットフォームで、世界中のオンライン決済を受け入れることができるため、各国独自の決済サービスが導入可能です。

また、リスク管理にも強みを持ち、買い手の決済データ以外の情報から不正を感知することができます。

アディエンの主なクライアントとして、Uberやアリババ、スポティファイ、マイクロソフトなどが挙げられます。

なお、イーベイ(eBay)が、決済サービスを、2003年から利用しているペイパルからアディエンへ移行することが2018年に発表され、話題となりました。

オランダ株式市場で第4位の浮動株調整後株式時価総額で、情報処理・外注サービスに占めるアディエンの浮動株調整後株式時価総額比率は3%です。

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売上高(地域別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)のネット売上高は2.1億ユーロと、前年同期比+30.4%となりました。

地域別のネット売上高(半期ベース)は、以下の通りです。

・欧州:2.3億ユーロ、前年同期比+21.7%

・北米:0.8億ユーロ、前年同期比+69.7%

・ラテンアメリカ:0.3億ユーロ、前年同期比+5.9%

・アジアパシフィック:0.4億ユーロ、前年同期比+29.5%

・その他:0.0億ユーロ、前年同期比▲65.1%

地域別のネット売上高構成比は、欧州が62%を占めます。

(参考)過去4年間のネット売上高

決済取扱高の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の決済取扱高は975億ユーロと、前年同期比+31.8%となりました。

テイクレートは0.22%と、前年同期(0.22%)とほぼ同水準となりました。

利益の推移

2020Q4(2020年10−12月期)のEBITDAは1.36億ユーロと、前年同期比+46.3%となり、EBITDAマージンは64.6%と、前年同期の57.5%から改善しました。

キャッシュフローの推移

2020下期(2020年7−12月期)の営業キャッシュフローは6.8億ドルと、前年同期比+72.5%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は32.5%と、前年同期の26.0%から改善しました。

2020下期の設備投資額/売上高は0.8%と、前年同期の0.8%とほぼ同水準となりました。

2020下期のフリーキャッシュフローは6.6億ドルと、前年同期比+73.7%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は31.8%と、前年同期の25.2%から改善しました。

(参考)過去4年間のフリーキャッシュフロー

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+160.6%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+14.3%を大きく上回りました。

競合他社(情報処理・外注サービス)の株価上昇率(Adyen:ユーロ建て、その他:ドル建て)は、以下の通りです。

アディエン(Adyen)の株価上昇率は、2020年の1年間で+161%と、11社平均(+64%)を上回りました。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.0%、金利が1%上昇した場合は6.9%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ユーロ)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+30%、4年目〜7年目+20%、8年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+30%、4年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+30%、4年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は2,719ユーロとなります。

アディエン(Adyen、ADYEN.AS)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の決済取扱高は975億ユーロと、前年同期比+31.8%となり、ネット売上高は2.1億ユーロと、前年同期比+30.4%となりました。

EBITDAマージンやキャッシュフローマージンも大きく改善しました。

DCF法による目標株価は2,719ユーロのため、2021年1月末時点の株価1,720ユーロより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が6.1倍(年率+20%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである27%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンが増加すればより高い株価上昇が期待できます。

投資継続です。

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