ネットイース(NTES)決算分析と目標株価 ゲームに加え、オンライン教育(有道)が好調

ネットイース コミュニケーション・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とネットイースへの投資についてコメントします。

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会社概要

ネットイース(NetEase、網易、9999.HK、NTES)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:中国

セクター:コミュニケーション・サービス

産業グループ:メディア・娯楽

サブ産業グループ:インタラクティブ・ホームエンターテイメント

株式時価総額:644億ドル(2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:397億ドル(2020年12月末、MSCI)

ネットイースは、中国に本拠を置く、オンラインゲームやオンライン教育等を手掛ける企業です。

2000年6月にナスダックに上場しましたが、上場廃止リスクから、2020年6月に公開価格123香港ドルで香港取引所に上場しました。

ネットイースは、浮動株比率が低い(Lei Ding創業者兼CEO)ため、浮動株ベースで算出される株式指数(インデックス)の時価総額は、通常の株式時価総額と比較して小さくなります。

(参考)競合他社(インタラクティブ・ホームエンターテイメント)の株式時価総額

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売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は737億人民元ドルと、前年度比+24.4%、過去5年間で年率+27.7%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・オンラインゲームサービス:546億人民元、前年度比+18%

・オンライン教育(有道):32億人民元、前年度比+143%

・新規事業等:159億人民元、前年度比+38%

セグメント別の売上高構成比は、オンラインゲームサービスが74%、オンライン教育(有道)が5%、新規事業等が22%を占めます。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は145億人民元と、前年度比+5.4%、過去5年間で年率+12.4%となりました。

営業利益率は19.7%と、前年度の23.3%から悪化しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPS(ADS)は18.01人民元と、前年度比▲44.9%、過去5年間で年率+12.0%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは249億人民元と、前年度比+44.6%、過去5年間で年率+25.2%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は33.8%と、前年度の29.1%から改善しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは216億人民元と、前年度比+55.5%、過去5年間で年率+24.2%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は29.3%と、前年度の23.4%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020は、115億人民元の自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.9%、フリーキャッシュフロー利回りは5.2%です。

FY2020の配当利回りは1.0%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向(利益)は、20〜40%程度です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPS(ADS)は6.42人民元と、前年度比▲27.9%、過去5年間で年率+23.3%となりました。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+0.3%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

ゲーム事業が中心ということもあり、ROICは非常に高い水準です。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、5勝、4敗、2引き分けです。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、9勝、2敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、10勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価(USドル)上昇率は+56.2%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+14.3%を上回りました。

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+21.4%と、VT ETF(年率+9.9%)を大きく上回りました。

競合他社(インタラクティブ・ホームエンターテイメント)の株価上昇率(7974.T、3659.Tは日本円建て)は、以下の通りです。

ネットイース (NTES)の株価上昇率は、2020年の1年間で+56%と、8社平均(+143%)を下回り、8社中第6位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+39%と、7社平均(+251%)を下回り、7社中第6位となりました。

過去10年間(2011年6月から2021年5月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

10%超のドローダウンは頻繁に発生しています。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを8.5%、金利が1%上昇した場合は9.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(USドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜3年目+10%、4年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+20%、2年目〜6年目+5%、7年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は122USドルとなります。

ネットイース(NetEase、網易、9999.HK、NTES)への投資について

FY2020(2020年1−12月期)の売上高は737億人民元(前年度比+24.4%)、EPSは18.01ドル(前年度比▲44.9%)と、増収減益となりました。

DCF法による目標株価は122USドルのため、2021年5月末時点の株価118USドルとほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.0倍(年率+12%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが20%まで低下することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

オンライン教育(有道)の業績が急拡大している点はポジティブですが、会社全体の利益率やキャッシュフローマージンは低下します。

テンセントへ投資しているため、あえてネットイースへ投資する必要はないと考えています。

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