モルガン・スタンレー(MS)決算分析と目標株価 富裕層向けの運用資産残高が順調に拡大

各種金融

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とモルガン・スタンレーへの投資についてコメントします。

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会社概要

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley、MS)

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国:アメリカ

セクター:金融

産業グループ:各種金融

サブ産業グループ:投資銀行・証券会社

株式時価総額:1,240億ドル(世界ランキング第98位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:1,093億ドル(2021年3月末、MSCI)

モルガン・スタンレーは、アメリカに本拠を置く、グローバル総合金融サービス企業です。

2020年10月に大手ネット証券のEトレード・ファイナンシャルを130億ドルで買収し、富裕層向け部門の顧客資産残高が急増しました。

また、2021年3月に資産運用会社のイートン・バンスを70億ドルで買収し、資産運用部門のAUMが急増しました。

金融セクターの各種金融で第3位の浮動株調整後株式時価総額で、投資銀行・証券会社に占めるモルガン・スタンレーの浮動株調整後株式時価総額比率は27%です。

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純収益(セグメント別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の純収益は157億ドルと、前年同期比+61%となり、コンセンサス(142億ドル)を上回りました。

2021Q1の純金利収入は20億ドルと、前年同期比+50%となりました。

セグメント別の純収益は、以下の通りです。

・機関投資家向け:86億ドル、前年同期比+66%

・富裕層向け:60億ドル、前年同期比+47%

・資産運用:13億ドル、前年同期比+90%

セグメントの純収益構成比は、機関投資家向けが54%、富裕層向けが38%、資産運用が8%を占めます。

地域別の純収益構成比は、アメリカ大陸が73%、欧州/中東/アフリカが13%、アジアが14%を占めます。

2021年3月末の融資額は0.17兆ドル(前年同期比+8%)、預金は0.32兆ドル(前年同期比+37%)となりました。

2021Q1の投資銀行手数料は26億ドル(前年同期比+128%)、うちM&A助言手数料が5億ドル(前年同期比+33%)、株式引受手数料が15億ドル(前年同期比+347%)、債券引受手数料が6億ドル(前年同期比+41%)となりました。

2021Q1のトレーディング収入は60億ドル(前年同期比+25%)、うち株式トレーディング収入は29億ドル(前年同期比+14%)、債券トレーディング収入は30億ドル(前年同期比+44%)となりました。

富裕層向け部門において、2021年3月末の顧客資産残高は4.2兆ドル(前年同期比+77%)、うちフィー・ベースの運用資産残高は1.6兆ドル(前年同期比+39%)となりました。

資産運用部門において、2021年3月末のAUM(運用受託残高)は1.42兆ドルと、前年同期比+143%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の純利益は40億ドル(前年同期比+150%)、EPSは2.19ドル(前年同期比+117%)となり、コンセンサス(1.71ドル)を上回りました。

セグメント別の純利益は、以下の通りです。

・機関投資家向け:26億ドル、前年同期比+244%

・富裕層向け:12億ドル、前年同期比+44%

・資産運用:3億ドル、前年同期比+253%

(参考)過去5年間の純利益とEPS

純利益は、過去5年間で年率+13.1%となりました。

EPSは、過去5年間で年率+17.4%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は9.4%と、バリュエーション面では割安感があります。

FY2019までの総還元利回りは6%超と、高い水準です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向、総還元性向は、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.40ドルと、前年度比+7.7%、過去5年間では年率+20.5%となりました。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲3.6%減少しました。

ROEの推移

2021Q1のROEは16.9%となりました。

(参考)過去5年間のROE

過去3年間のROEは10%以上と、比較的高い水準です。

純収益およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、純収益のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、6勝、1敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、6勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+128.4%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を上回りました。

競合他社(各種金融)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

モルガン・スタンレー(MS)の株価上昇率は、2020年の1年間で+34%と、12社平均(+21%)を上回り、12社中第3位となりました。

2018年1月から2020年12月末の3年間では+31%と、12社平均(+48%)を下回り、12社中第7位となりました。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+16.6%と、S&P500(年率+12.9%)を上回りました。

BPSとPBRの推移

以下のグラフは、BPSとPBRの推移となります。

BPSは、前年同期比+7.4%となりました。

(参考)過去5年間のBPSとPBRの推移(株価は会計年度末)

BPSは、過去5年間で年率+7.7%となりました。

目標株価

以下のグラフは、株式市場全体および11セクターのPBRと予想ROE(2020年12月末、MSCI)の散布図となります。

ROEが高いほど、PBRも高いことが言えます(決定係数は0.857と、説明力は非常に高い)。

金融セクターやエネルギーセクターは、ROEが低いためPBRの観点で割安に放置されています。

メインシナリオの予想ROEを10%、アップサイドシナリオの予想ROEを12%、ダウンサイドシナリオの予想ROEを7%とし、回帰式をもとに目標株価を推計しました。

メインシナリオの目標株価は95ドルとなります。

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley、MS)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の純収益は157億ドル(コンセンサス142億ドル)、EPSは2.19ドル(コンセンサス1.71ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

富裕層向け部門の顧客資産残高、特にフィーベースの運用資産残高の拡大はポジティブです。

目標株価は95ドルのため、2021年3月末時点の株価78ドルより高い水準です。

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