ビザ(V)決算分析と目標株価 キャッシュフローマージンが高水準 自社株買いにも積極的

情報処理・外注サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とビザ(VISA)への投資についてコメントします。

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会社概要

ビザ(VISA、V)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:情報処理・外注サービス

株式時価総額:4,822億ドル(世界ランキング第12位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:3,688億ドル(2020年12月末、MSCI)

ビザは、アメリカに本拠を置く、金融機関にペイメントプラットフォームとサービスを提供する企業です。

クレジットカードの発行や消費者に対する与信判断、貸金業等を実施しないことから、金融ではなく、情報技術セクターに分類されます。

先進国およびアメリカ株式市場で第9位(グーグル1社としてカウント)、情報技術セクターで第4位、ソフトウェア・サービスで第2位の浮動株調整後株式時価総額で、情報処理・外注サービスに占めるビザの浮動株調整後株式時価総額比率は23%です。

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売上高(セグメント別)の推移

2021Q2(2021年1−3月期)の売上高は57.3億ドル(前年同期比▲2.1%)と、コンセンサス(55.6億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・サービス:28.5億ドル、前年同期比+8%

・データ処理:30.0億ドル、前年同期比+11%

・国際取引:14.9億ドル、前年同期比▲19%

・その他:3.9億ドル、前年同期比+0%

コロナの影響で国際取引が大きく足を引っ張っていますが、前四半期と比較すると回復傾向にあります。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+9.5%となりました。

総取扱高(地域別)、クロスボーダー決済額の推移

2021Q2の総取扱高(キャッシング等含む)は、以下の通りです。

・全体:3.04兆ドル、前年同期比+8%

 うち、決済総額は2.42兆ドル、前年同期比+14%(為替レート変動の影響を除いた場合は+11%)

・クレジット:1.19兆ドル、前年同期比+1%

・デビット:1.85兆ドル、前年同期比+16%

2021Q2の地域別の総取扱高(キャッシング等含む)は、以下の通りです。

・アジアパシフィック:0.47兆ドル、前年同期比+8%

・カナダ:0.07兆ドル、前年同期比+10%

・CEMEA(中欧東欧/中東/アフリカ):0.16兆ドル、前年同期比+18%

・LAC(中南米/カリブ海):0.11兆ドル、前年同期比+10%

・アメリカ:1.16兆ドル、前年同期比+18%

・欧州:0.46兆ドル、前年同期比+10%

2021Q2のクロスボーダー決済額は前年同期比▲11%と、大幅減となりましたが、前四半期と比較して回復傾向にあります。

利益の推移

2021Q2の営業利益は36億ドル(前年同期比▲8.7%)、営業利益率は62.5%と、前年同期の67.0%から悪化しました。

2021Q2のEPSは1.38ドルと、コンセンサス(1.28ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.38ドルと、コンセンサス(1.27ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+13.6%となりました。

非GAAP EPSは、過去5年間で年率+14.0%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q2の営業キャッシュフローは33億ドル(前年同期比+127%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は58.1%と、前年同期の25.1%から改善しました。

2021Q2のフリーキャッシュフローは32億ドル(前年同期比+153%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は55.3%と、前年同期の21.4%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+9.7%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+9.5%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

2021Q2も自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.4%、フリーキャッシュフロー利回りは2.2%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、30%以下です。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.20ドルと、前年度比+20.0%、過去5年間では年率+20.1%となりました。

FY2021のDPSは1.28ドル(前年度比+7%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲2.0%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは20%程度と、投資効率は比較的高いです。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、8勝、3敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、8勝、2敗、1引き分けです。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+31.4%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

競合他社(情報処理・外注サービス)の株価上昇率(Adyen:ユーロ建て、その他:ドル建て)は、以下の通りです。

ビザ(V)の株価上昇率は、2020年の1年間で+16%と、11社平均(+64%)を下回り、11社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+92%と、9社平均(+144%)を下回り、9社中第5位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2015年10月から2020年9月末)の株価上昇率は年率+23.5%と、S&P500(年率+11.9%)を大きく上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.6%、金利が1%上昇した場合は6.5%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜3年目+20%、4年目+15%、5年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜3年目+20%、4年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜5年目+10%、6年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は250ドルとなります。

ビザ(VISA、V)への投資について

2021Q2(2021年1−3月期)の売上高は57.3億ドル(コンセンサス55.6億ドル)、EPSは1.38ドル(コンセンサス1.28ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

総取扱高や決済総額は前年同期比プラスとなり、クロスボーダーでの取引も前四半期から回復しつつあります。

コロナの影響による世界経済の不確実性から、FY2021のガイダンスはなしです。

DCF法による目標株価は250ドルのため、2021年4月末時点の株価234ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.1倍(年率+12%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが55%(FY2020:44%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いに積極的なので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

コロナ前までは、安定&勝ち組のビザでしたが、コロナ収束後も勝ち組に戻るのか非常に興味はあります。

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