マスターカード(MA)決算分析と目標株価 海外取引が多く、ビザより高い増収率 高い投資効率(ROIC)が魅力的

情報処理・外注サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とマスターカードへの投資についてコメントします。

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会社概要

マスターカード(Mastercard、MA)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:情報技術

産業グループ:ソフトウェア・サービス

サブ産業グループ:情報処理・外注サービス

株式時価総額:3,558億ドル(世界ランキング第18位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:3,189億ドル(2020年12月末、MSCI)

マスターカードは、アメリカに本拠を置く、金融機関にペイメントプラットフォームとサービスを提供する企業です。

クレジットカードの発行や消費者に対する与信判断、貸金業等を実施しないことから、金融ではなく、情報技術セクターに分類されます。

情報技術セクターで第7位、ソフトウェア・サービスで第3位の浮動株調整後株式時価総額で、情報処理・外注サービスに占めるマスターカードの浮動株調整後株式時価総額比率は20%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は41.6億ドル(前年同期比+3.6%)と、コンセンサス(40.5億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・国内取引:18.0億ドル、前年同期比+7%

・海外取引:9.3億ドル、前年同期比▲23%

・決済処理:23.5億ドル、前年同期比+7%

・その他:13.5億ドル、前年同期比+27%

地域別の売上高は、以下の通りです。

・北米:14.9億ドル、前年同期比+12%

・海外:26.2億ドル、前年同期比▲1%

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+9.6%となりました。

決済額、クロスボーダー決済額の推移

2021Q1の決済額は、以下の通りです。

・全体:1.71兆ドル、前年同期比+9%

・クレジット:0.76兆ドル、前年同期比+0%

・デビット/プリペイド:0.95兆ドル、前年同期比+18%

2021Q1のクロスボーダー決済額(ドルベース)は前年同期比▲13%と、大幅減となりましたが、前四半期と比較して回復傾向にあります。

利益の推移

2021Q1の営業利益は22億ドル(前年同期比▲0.6%)、営業利益率は52.9%と、前年同期の55.2%から悪化しました。

2021Q1のEPSは1.83ドル(前年同期比+8.9%)と、コンセンサス(1.58ドル)を上回りました。

なお、非GAAP EPSは1.74ドルと、コンセンサス(1.56ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

EPSは、過去5年間で年率+13.7%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは15億ドル(前年同期比▲21.3%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は35.2%と、前年同期の46.4%から悪化しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは13億ドル(前年同期比▲20.1%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は31.7%と、前年同期の41.2%から悪化しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+12.0%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+11.6%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

3四半期連続で、自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は1.8%、フリーキャッシュフロー利回りは1.9%と、低下傾向にあります。

過去5年間の配当利回りは0.5%程度です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに30%を下回りました。

過去5年間の総還元性向は、利益・キャッシュフローベースともに100%程度と、株主にほぼ全て還元しました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.60ドルと、前年度比+21.2%、過去5年間で年率+19.0%となりました。

FY2021のDPSは1.76ドル(前年度比+10.0%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲2.4%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは60〜90%程度と、投資効率は非常に高いです。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、9勝、1敗、1引き分けです。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、8勝、3敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去11四半期中、10勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+47.4%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

競合他社(情報処理・外注サービス)の株価上昇率(Adyen:ユーロ建て、その他:ドル建て)は、以下の通りです。

マスターカード(MA)の株価上昇率は、2020年の1年間で+20%と、11社平均(+64%)を下回り、11社中第5位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+136%と、9社平均(+144%)を下回り、9社中第3位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+29.7%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.4%、金利が1%上昇した場合は7.3%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜3年目+20%、4年目〜6年目+15%、7年目〜10年目+12%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜5年目+20%、6年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は363ドルとなります。

マスターカード(Mastercard、MA)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は41.6億ドル(コンセンサス40.5億ドル)、非GAAP EPSは1.74ドル(コンセンサス1.56ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

DCF法による目標株価は363ドルのため、2021年4月末時点の株価382ドルより低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.8倍(年率+14%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが50%(FY2020:43%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

自社株買いに積極的なので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

コロナ収束後は、海外取引の急回復で業績も回復していくことが期待できます。

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