インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)決算分析と目標株価 傘下にニューヨーク証券取引所 住宅ローンにも注力

取引所およびデータ提供会社

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とインターコンチネンタル・エクスチェンジへの投資についてコメントします。

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会社概要

インターコンチネンタル・エクスチェンジ(Intercontinental Exchange Inc.、ICE)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:金融

産業グループ:各種金融

サブ産業グループ:取引所およびデータ提供会社

浮動株調整後株式時価総額:627億ドル(2021年3月末、MSCI)

インターコンチネンタル・エクスチェンジは、アメリカに本拠を置く、多様なデリバティブや現物を取り扱う取引所及び決済機関(クリアリングハウス)の運営会社です。

傘下に、世界最大の株式市場であるニューヨーク証券取引所(NYSE)があります。

2020年に、住宅ローン組成用ソフトウェアを提供するエリー・メイ(Ellie Mae)を110億ドルで買収しました。

金融セクターの各種金融で第10位の浮動株調整後株式時価総額で、取引所およびデータ提供会社に占めるインターコンチネンタル・エクスチェンジの浮動株調整後株式時価総額比率は11%です。

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売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は82億ドルと、前年度比+25.9%、過去5年間では年率+12.0%となりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・取引所関連:58億ドル、前年度比+26%

・債券データ関連:18億ドル、前年度比+3%

・住宅ローン技術関連:6億ドル、前年度比+328%

セグメント別の売上高構成比は、取引所関連が71%、債券データ関連が22%、住宅ローン技術関連が7%を占めます。

FY2020のNYSE現物株式の1日当たり平均売買量は25億株と、前年度比+42%となりました。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の非GAAP 営業利益は35億ドル(前年度比+17.5%)、非GAAP 営業利益率は43.0%と、前年度の46.0%から悪化しました。

セグメント別の非GAAP 営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは3.77ドルと、前年度比+10.2%、過去5年間で年率+10.6%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは29億ドルと、前年度比+8.3%、過去5年間では年率+17.1%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は34.9%と、前年度の40.6%から悪化しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは25億ドルと、前年度比+5.0%、過去5年間では年率+19.0%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は30.0%と、前年度の36.0%から悪化しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.3%、フリーキャッシュフロー利回りは3.9%です。

過去5年間の配当利回りは1%前後です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに40%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.20ドルと、前年度比+9.1%、過去5年間で年率+15.7%となりました。

なお、FY2021のDPSは1.32ドル(前年度比+10%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.1%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは1桁後半と、投資効率は低いです。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去6四半期中、5勝、1引き分けです。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去6四半期中、2勝、3敗、1引き分けです。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去6四半期中、5勝、1引き分けです。

株価上昇率

FY2020(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+24.6%と、S&P500(+16.3%)を上回りました。

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+17.6%と、S&P500(年率+12.9%)を上回りました。

競合他社(取引所およびデータ提供会社)の株価上昇率(HKExは香港ドル建て、JPXは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)の株価上昇率は、2020年の1年間で+25%と、12社平均(+29%)を下回り、12社中第6位となりました。

2018年1月から2020年12月末の3年間では+63%と、11社平均(+86%)を下回り、11社中第8位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

S&P500と比較して、ドローダウンはやや大きいです。

最高値から10%程度下落すると急反発する傾向にあります。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.8%、金利が1%上昇した場合は5.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜5年目+10%、6年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は146ドルとなります。

インターコンチネンタル・エクスチェンジ(Intercontinental Exchange Inc.、ICE)への投資について

FY2020の売上高は82億ドルと、前年度比+25.9%、過去5年間で年率+12.0%となりました。

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+17.1%、FY2020の営業キャッシュフローマージンは35%とやや高い水準です。

過去5年間のROICは1桁後半と、投資効率は低いです。

DCF法による目標株価は146ドルのため、2021年4月末時点の株価118ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.1倍(年率+7%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである30%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

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