インテュイティブ・サージカル(ISRG)決算分析と目標株価 手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」は業界の先駆け

ISRGヘルスケア機器・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とインテュイティブ・サージカルへの投資についてコメントします。

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会社概要

インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical、ISRG)

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国:アメリカ

セクター:ヘルスケア

産業グループ:ヘルスケア機器・サービス

サブ産業グループ:ヘルスケア機器

株式時価総額:1,089億ドル(2021年6月末)

インテュイティブ・サージカルは、アメリカに本拠を置く、ロボット支援による低侵襲手術「ダ・ヴィンチ・サージカルシステム」を手掛ける企業です。

ダ・ヴィンチ・サージカルシステムは、腹腔鏡手術領域においてFDA(米国食品医薬品局)の承認を得た最初の手術支援システムの一つで、1〜2cmの小さな創より内視鏡カメラとロボットアームを挿入し、医師は3Dモニター画面を見ながらあたかも現場で手を入れているようにロボットアームを操作して手術を行います。

 

(参考)競合他社(ヘルスケア機器)の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
アボットラボラトリーズ(ABT)2,060
ダナハー(DHR)1,914
メドトロニック(MDT)1,670
インテュイティブ・サージカル(ISRG)1,089
ストライカー(SYK)979
ベクトン・ディッキンソン(BDX)707
シーメンス・ヘルスケア(SHL.DE)701
エドワーズライフサイエンス(EW)644
ボストン・サイエンティフィック(BST)608
アイデックスラボラトリーズ(IDXX)539
コーニンクレッカ フィリップス(PHG)453
バクスターインターナショナル(BAX)405
デクスコム(DXCM)413
ザルトリウス(SRT.DE)339
レスメド(RMD)359
ジンマー・バイオメットHD(ZBH)335
テルモ(4543.T)308
ストラウマンHD(STMN.SW)262
シスメックス(6869.T)248
ソノバHD(SOON.SW)243
オリンパス(7733.T)242
ノボキュア(NVCR)229

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は44億ドルと、前年度比▲2.7%、過去5年間で年率+12.8%となりました。

ISRG

 

2021Q3(2021年7−9月期)の売上高は14.0億ドル(前年同期比+30.3%)と、コンセンサス(13.8億ドル)を上回りました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・機器&付属品:7.6億ドル(前年同期比+20%)

・システム:4.2億ドル(前年同期比+55%)

・サービス:2.3億ドル(前年同期比+30%)

 

地域別の売上高構成比は、アメリカが68%、その他が32%を占めます。

ISRG

 

ダ・ヴィンチ・サージカルシステムの出荷台数

2021Q3のダ・ヴィンチ・サージカルシステムの出荷台数は336台(前年同期比+72%)となりました。

ISRG

 

(参考)過去3年間の出荷台数の推移

ISRG

 

利益の推移

FY2020の営業利益は10億ドルと、前年度比▲23.6%、過去5年間で年率+7.2%となりました。

営業利益率は24.1%と、前年度の30.7%から悪化しました。

ISRG

 

2021Q3の営業利益は4.4億ドル(前年同期比+63.7%)となりました。

 

FY2020の非GAAP EPSは10.16ドルと、前年度比▲20.4%、過去3年間で年率+3.8%となりました。

ISRG

 

2021Q3のEPSは1.04ドルと、コンセンサス(0.88ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.19ドル(前年同期比+29.3%)と、コンセンサス(1.16ドル)を上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは15億ドルと、前年度比▲7.1%、過去5年間で年率+13.0%となりました。

営業キャッシュフローマージンは34.1%と、前年度の35.7%から悪化しました。

ISRG

 

2021Q3の営業キャッシュフローは5.0億ドル(前年同期比+82.6%)となりました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは11億ドルと、前年度比▲2.5%、過去5年間で年率+9.5%となりました。

フリーキャッシュフローマージンは26.2%と、前年度とほぼ同水準となりました。

ISRG

 

2021Q3のフリーキャッシュフローは4.3億ドル(前年同期比+106.0%)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

配当はなしです。

ISRG

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は1.1%、フリーキャッシュフロー利回りは1.2%です。

ISRG

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+1.1%となりました。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

売上高の実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、10勝です。

EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、9勝、1敗です。

非GAAP EPSの実績値(コンセンサス比)は、過去10四半期中、10勝です。

 
売上高(ドル)GAAP EPS(ドル)非GAAP EPS(ドル)
実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗実績値コンセンサス勝敗
2019Q210.910.30.890.751.080.96
2019Q311.310.61.110.791.141.00
2019Q412.812.71.000.931.161.13
2020Q111.010.10.870.700.900.85
2020Q28.56.40.190.24×0.370.16
2020Q310.89.70.870.490.920.68
2020Q413.312.51.010.821.191.04
2021Q112.911.11.170.681.170.88
2021Q214.612.61.420.781.311.02
2021Q314.013.81.040.881.191.16

 

株価上昇率

FY2020の株価上昇率は+38.4%と、S&P500(+16.3%)を上回りました。

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+35.1%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく上回りました。

ISRG

 

2021Q3の株価上昇率は+8.1%と、S&P500(+0.2%)を上回りました。

 

競合他社(ヘルスケア機器)の株価上昇率(SHL.DE、SRT.DEはユーロ建て、STMN.SW、SOON.SWはスイスフラン建て、4543.T、6869.T、7733.Tは日本円建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

インテュイティブ・サージカル(ISRG)の株価上昇率は、2020年の1年間で+38%と、22社平均(+33%)を上回り、22社中第8位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+124%と、21社平均(+150%)を下回り、22社中第8位となりました。

 

過去10年間(2011年11月から2021年10月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

過去5年間をみると、最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が買いのチャンスです。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.1%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+60%、2年目〜3年目+20%、4年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は1%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+60%、2年目〜10年目+20%。11年目以降の永続成長率は1%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+60%、2年目〜3年目+20%、4年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は1%

メインシナリオの目標株価は380ドルとなります。

・メインシナリオ:380ドル

・アップサイドシナリオ:492ドル

・ダウンサイドシナリオ:249ドル

インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical、ISRG)への投資について

2021Q3(2021年7−9月期)の売上高は14.0億ドル(コンセンサス13.8億ドル)、非GAAP EPSは1.19ドル(コンセンサス1.16ドル)と、これまで通りコンセンサスを上回る実績となりました。

DCF法による目標株価は380ドルのため、2021年10月末時点の株価361ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.6倍(年率+14%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが45%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

超長期で保有したい銘柄の1つです。

投資継続です。

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