アボットラボラトリーズ(ABT)決算分析と目標株価 医薬品・栄養剤・診断薬/機器・医療機器と事業が分散

ヘルスケア機器・サービス

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアボット・ラボラトリーズへの投資についてコメントします。

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会社概要

アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories、ABT)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:ヘルスケア

産業グループ:ヘルスケア機器・サービス

サブ産業グループ:ヘルスケア機器

株式時価総額:1,941億ドル(世界ランキング第50位、2020年12月末)

アボット・ラボラトリーズは、アメリカに本拠を置く、特に心臓血管領域に強みを持ち、医療機器、診断薬/機器、栄養剤製品、後発医薬品を製造・販売するヘルスケア企業です。

ヘルスケアセクターで第7位、ヘルスケア機器・サービスで第2位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、ヘルスケア機器に占めるアボット・ラボラトリーズの浮動株調整後株式時価総額比率は14%です。

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2020Q1(2021年1−3月期)の売上高は105億ドル(前年同期比+35.3%)と、コンセンサス(107億ドル)を下回りました。

新型コロナウイルス検査関連の売上高は22億ドルとなりました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・後発医薬品:11億ドル、前年同期比+2%

・栄養剤製品:20億ドル、前年同期比+7%

・診断薬/機器:40億ドル、前年同期比+120%

・医療機器:33億ドル、前年同期比+13%

セグメント別の売上高構成比は、後発医薬品が10%、栄養剤製品が20%、診断薬/機器が38%、医療機器が32%を占めます。

診断薬/機器のサブセグメント別の売上高構成比は、コアラボ診断が41%、迅速診断が40%、遺伝子検査が13%を占めます。

医療機器のサブセグメント別の売上高構成比は、糖尿病治療関連製品が28%、血管用製品が20%、不整脈管理製品が16%を占めます。

地域別の売上高構成比は、アメリカが38%、海外が62%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+11.1%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q1の営業利益は21億ドル(前年同期比+178%)、営業利益率は20.2%と、前年同期の9.8%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

2021Q1のEPSは1.00ドル(前年同期比+223%)と、コンセンサス(0.91ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.32ドルと、コンセンサス(1.27ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

非GAAP EPSは、過去3年間で年率+13.4%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは26億ドル(前年同期比+269%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は25.2%と、前年同期の9.3%から改善しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは22億ドル(前年同期比+531%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は21.4%と、前年同期の4.6%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+21.6%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+25.3%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いには消極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は2.3%、フリーキャッシュフロー利回りは2.9%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去3年間の配当性向、総還元性向は、利益・キャッシュフローベースともに100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.44ドルと、前年度比+12.5%、過去5年間では年率+8.4%となりました。

なお、FY2021のDPSは1.80ドル(前年度比+25%)の予定です。

49年連続増配です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+3.5%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、5勝、2敗、1引き分けです。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2引き分けです。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+51.9%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

競合他社(ヘルスケア機器・サービス)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

アボット・ラボラトリーズ(ABT)の株価上昇率は、2020年の1年間で+26%と、10社平均(+14%)を上回り、10社中第3位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+92%と、10社平均(+57%)を上回り、10社中第3位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

アボット・ラボラトリーズは、下落相場に強いと言えます。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

2016年を除くとドローダウンは小さく、最高値から5〜10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)過去5年間の株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+19.5%と、S&P500(年率+12.9%)を上回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.8%、金利が1%上昇した場合は5.7%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+10%、2年目〜10年目+8%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+10%、2年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は125ドルとなります。

アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories、ABT)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は105億ドル(コンセンサス107億ドル)と、コンセンサスを下回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・EPS:+35%〜

DCF法による目標株価は125ドルのため、2021年4月末時点の株価120ドルとほぼ同水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.2倍(年率+8%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである17%(過去5年間は15%)が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

業績、株価とも安定しており、安心感があります。

それゆえに割安感がなく、株価が急落した場合には投資を検討したいと思います。

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