ベクトン・デッキンソン(BDX)決算分析と目標株価 カテーテルや注射針が有名 増資が株価の重しに

ヘルスケア機器・サービス

2020年10−12月期(FY2021Q1)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とベクトン・ディッキンソンへの投資についてコメントします。

スポンサーリンク

会社概要

ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson、BDX)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:ヘルスケア

産業グループ:ヘルスケア機器・サービス

サブ産業グループ:ヘルスケア機器

株式時価総額:728億ドル(2020年12月末)

ベクトン・ディッキンソンは、アメリカに本拠を置く、カテーテルや注射針などの医療関連機器や診断用製品等の製造・販売などを手掛ける企業です。

ヘルスケアセクターのヘルスケア機器・サービス(アメリカ)で第10位の株式時価総額(2020年12月末)で、ヘルスケア機器に占めるベクトン・ディッキンソンの浮動株調整後株式時価総額比率は5%です。

ヘルスケアセクターの株式時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、PER、ROEの推移
世界の株式市場におけるセクター(GICS)構成比率以下のグラフは、世界の株式市場における各セクターの構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。ヘルスケアセクターは、第4位(11.4%)です。...

売上高(セグメント別)の推移

2021Q1(2020年10−12月期)の売上高は53.2億ドル(前年同期比+25.8%)と、コンセンサス(48.7億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・医療:22.6億ドル、前年同期比+8.2%

・生命科学:19.8億ドル、前年同期比+76.2%

・インターベンション:10.8億ドル、前年同期比+6.2%

生命科学のサブセグメントの売上高は、以下の通りです。

診断ソリューションの一部がコロナ診断関連となり、売上高が急増しています。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率+10.7%となりました。

(参考)過去5年間の1株あたり売上高とPSR(株価は会計年度末時点)

1株あたり売上高は、過去5年間で年率+4.0%となりました。

利益の推移

2021Q1の営業利益は12.4億ドル(前年同期比+148%)、営業利益率は23.3%と、前年同期の11.9%から改善しました。

2021Q1のEPSは3.35ドル(前年同期比+285%)と、コンセンサス(2.38ドル)を大きく上回りました。

非GAAP EPSは4.55ドルと、コンセンサス(3.16ドル)を大きく上回りました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは15億ドル(前年同期比+115%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は28.8%と、前年同期の16.9%から改善しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは13億ドル(前年同期比+138%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は24.2%と、前年同期の12.8%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で年率+15.4%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+19.2%となりました。

1株あたりフリーキャッシュフローは、過去5年間で年率+12.1%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いの実施はなしです。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は1.2%、フリーキャッシュフロー利回りは4.2%です。

過去5年間の配当利回りは1.5%前後です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向は、キャッシュフローベースで、50%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは3.16ドルと、前年度比+2.6%、過去5年間では年率+5.7%となりました。

FY2021のDPSは3.32ドル(前年度比+5.1%)の予定です。

49年連続増配中です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率+6.4%となりました。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去10四半期中、7勝、3敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去10四半期中、3勝、7敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去10四半期中、7勝、3引き分けです。

株価上昇率

過去1年間(2019年10月から2020年9月末)の株価上昇率は▲8.0%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を大きく下回りました。

競合他社(ヘルスケア機器・サービス)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ベクトン・ディッキンソン(BDX)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲8%と、10社平均(+14%)を下回り、10社中第9位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+17%と、10社平均(+57%)を下回り、10社中第8位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ベクトン・ディッキンソンは、比較的下落相場に強いと言えます。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.0%、金利が1%上昇した場合は7.0%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+15%、2年目〜4年目+10%、5年目+9%、・・・と1%逓減。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+15%、2年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+15%、2年目から10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は263ドルとなります。

ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson、BDX)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は53.2億ドル(コンセンサス48.7億ドル)、非GAAP EPSは4.55ドル(コンセンサス3.16ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

前四半期に引き続き、コロナ診断関連の売上が急増し、生命科学事業は好調でした。

FY2021のガイダンスを引き上げました。

・売上高:+12%〜14%

・非GAAP EPS:12.75〜12.85ドル(コンセンサス12.68ドル)

DCF法による目標株価は282ドルのため、2021年2月末時点の株価241ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が2.2倍(年率+8%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである16%(過去5年間平均は14%)が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

増資による発行済株式数の増加が株価の重しとなっており、高い増収が必要です。

アボットラボラトリーズ(ABT)決算分析と目標株価 医薬品・栄養剤・診断薬/機器・医療機器と事業が分散
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とアボット・ラボラトリーズへの投資についてコメントします。会社概要アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories、ABT)ホームページ(SECファイル):リ...
メドトロニック(MDT)決算分析と目標株価 心臓等循環器系に強み 株価は不調 43年連続増配中
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とメドトロニックへの投資についてコメントします。会社概要メドトロニック(Medtronic、MDT)ホームページ(SECファイル):リンク先国:アイルランドセ...
ダナハー(DHR)決算分析と目標株価 買収企業を改善・長期保有で成長し続ける事業ポートフォリオ
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とダナハーへの投資についてコメントします。会社概要ダナハー(Danaher、DHR)ホームページ(SECファイル):リンク先国:アメリカセクター:ヘルスケア...
インテュイティブ・サージカル(ISRG)決算分析と目標株価 手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」は業界の先駆け
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とインテュイティブ・サージカルへの投資についてコメントします。会社概要インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical、ISRG)ホームページ(SECファイ...
ストライカー(SYK)決算分析と目標株価 コロナで40期連続増収でストップも、高い増収率は期待
2020年10-12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とストライカーへの投資についてコメントします。会社概要ストライカー(Stryker、SYK)ホームページ(SECファイル):...
ヴィーバ・システムズ(VEEV)決算分析と目標株価 製薬会社向けCRM(顧客関係管理)等をクラウドベースで提供する最大手
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とヴィーバ・システムズへの投資についてコメントします。会社概要ヴィーバ・システムズ(Veeva Systems Inc.、VEEV)ホームページ(SECファイル):リンク先...
テラドック(TDOC)決算分析と目標株価 遠隔医療プラットフォームのパイオニア サブスクリプション収入が全体の8割超
過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とテラドック・ヘルスへの投資についてコメントします。会社概要テラドック・ヘルス(Teladoc Health, Inc.、TDOC)ホームページ(SECファイル):リンク先...
タイトルとURLをコピーしました