ハイネケン(HEIA.AS)決算分析と目標株価 ビール業界全体が苦戦する中、ハイネケンブランドの販売は好調

食品・飲料・タバコ

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とハイネケンへの投資についてコメントします。

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会社概要

ハイネケン(Heineken N.V.、HEIA.AS)

ホームページ(IR):リンク先

国:オランダ

セクター:生活必需品

産業グループ:食品・飲料・タバコ

サブ産業グループ:醸造

浮動株調整後株式時価総額:257億ドル(2021年2月末、MSCI)

ハイネケンは、オランダに本拠を置く、ハイネケン等のブランドを持つ、世界第2位のビールメーカーです。

オランダ株式市場で第7位の浮動株調整後株式時価総額で、醸造に占めるハイネケンの浮動株調整後株式時価総額比率は15%です。

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売上高(販売量、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は197億ユーロと、前年度比▲17.7%、過去3年間では年率▲3.0%となりました。

ビールの販売量は2.22億ヘクトリットルと、前年度比▲8.2%となりました。

うち、ハイネケンブランドの販売量は0.42億ヘクトリットルと、前年度比ほぼ横ばいとなりました。

地域別の売上高は、以下の通りです。

・アフリカ/中東/東欧:28億ユーロ、前年度比▲17.4%

・アメリカ大陸:63億ユーロ、前年度比▲14.9%

・アジアパシフィック:27億ユーロ、前年度比▲15.5%

・欧州:86億ユーロ、前年度比▲18.8%

地域別の売上高構成比は、欧州が42%、アメリカ大陸が31%を占めます。

利益(地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は8億ユーロと、前年度比▲78.6%となり、営業利益率は3.9%と、前年度の15.2%から悪化しました。

地域別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは▲0.36ユーロと、前年度比赤字転落となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは31億ユーロと、前年度比▲27.7%、過去5年間では年率▲2.1%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は15.9%と、前年度の18.1%から悪化しました。

FY2020の設備投資額/売上高は8.2%と、前年度の8.8%から低下しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは15億ユーロと、前年度比▲32.1%、過去5年間では年率▲2.2%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は7.7%と、前年度の9.3%から悪化しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

過去5年間の自社株買いの実施はほぼなしです。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

平時の益利回り(PERの逆数)は4%、フリーキャッシュフロー利回りも4%程度です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020は減配となりました。

(参考)過去5年間の発行済株式数

過去5年間の発行済株式数は、ほぼ横ばいとなりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROIC(FY2020を除く)は8%程度と、競合他社と比較して、投資効率は若干高いです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+16%(年率+3.0%)と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+61%(年率+9.9%)を下回りました。

競合他社(食品・飲料)の株価上昇率(Nestleはスイスフラン建て、Danone、Pernod、Heinekenはユーロ建て、Kweichowは人民元建て、Asahi、Kirinは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

ハイネケン(Heineken)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲4%と、15社平均(+5%)を下回り、15社中第11位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+5%と、15社平均(+20%)を下回り、15社中第10位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から15%〜20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.6%、金利が1%上昇した場合は5.4%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ユーロ)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+12%、3年目〜10年目+8%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+12%、3年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜2年目+12%、3年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオでの目標株価は94ユーロとなります。

ハイネケン(Heineken N.V.、HEIA.AS)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は197億ユーロと、前年度比▲17.7%となりました。

平時の営業利益率は15%、営業キャッシュフローマージンは15〜20%程度と、アンハイザー・ブッシュ・インベブと比較すると低いものの、アサヒグループホールディングと比較すると高い水準です。

平時のROICは8%程度と、競合他社と比較して、投資効率は若干高いです。

DCF法による目標株価は94ユーロのため、2021年2月末時点の株価82ユーロより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.8倍(年率+6%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが10%(FY2020:8%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

新型コロナウイルスの影響を除けば、競合他社と比較して売上高が伸びているため、相対的に良さそうですが、醸造にこだわらず飲料全体で考えれば、コカ・コーラやペプシコの方が安定感があります。

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