ネスレ(NESN.SW)決算分析と目標株価 世界最大の食品飲料会社 スイス株で株式時価総額トップ

食品・飲料・タバコ

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とネスレへの投資についてコメントします。

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会社概要

ネスレ(Nestle、NESN.SW)

ホームページ(IR):リンク先

国:スイス

セクター:生活必需品

産業グループ:食品・飲料・タバコ

サブ産業グループ:包装食品・肉

株式時価総額:3,357億ドル(世界ランキング第20位、2020年12月末)

ネスレは、スイスに本拠を置く、世界最大の食品飲料会社です。

スイス株式市場で第1位、生活必需品セクターで第2位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、包装食品・肉に占めるネスレの浮動株調整後株式時価総額比率は35%です。

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売上高(セグメント別、製品別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は843億スイスフランと、前年度比▲8.9%、過去5年間では年率▲1.0%となりました。

eコマースの売上高は、前年度比+48.4%と、売上高全体の12.8%を占めました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・欧州/中東/北アフリカ:202億スイスフラン、前年度比▲5.8%

・アメリカ大陸:340億スイスフラン、前年度比▲10.1%

・アジア/オセアニア/サブサハラアフリカ:207億スイスフラン、前年度比▲6.3%

セグメント別の売上高構成比は、アメリカ大陸が40%を占めます。

製品別の売上高は、以下の通りです。

・粉末&液体飲料:223億スイスフラン、前年度比▲4.2%

・水:64億スイスフラン、前年度比▲13.1%

・乳製品&アイスクリーム:110億スイスフラン、前年度比▲17.0%

・栄養&健康科学:122億スイスフラン、前年度比▲18.9%

・調理済料理&調理器具:115億スイスフラン、前年度比▲5.5%

・菓子類:70億スイスフラン、前年度比▲11.6%

・ペットケア:140億スイスフラン、前年度比+2.8%

製品別の売上高構成比は、粉末&液体飲料が26%、ペットケアが17%を占めます。

利益(セグメント別、製品別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は148億スイスフランと、前年度比▲8.0%、過去5年間では+3.6%となりました。

営業利益率は17.5%と、前年度の17.4%とほぼ同水準となりました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

製品別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは4.29スイスフランと、前年度比▲0.2%、過去5年間では年率+8.2%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは144億スイスフランと、前年度比▲9.3%、過去5年間では年率+0.1%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は17.0%と、前年度の17.1%とほぼ同水準となりました。

FY2020の設備投資額/売上高は5.2%と、前年度の4.5%から増加しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは100億スイスフランと、前年度比▲14.0%、過去5年間では+0.0%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は11.9%と、前年度の12.6%から悪化しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の支払配当総額は77億スイスフラン、自社株買いは68億スイスフランです。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は4.1%、フリーキャッシュフロー利回りは3.4%です。

FY2020の配当利回りは2.6%、総還元利回りは4.9%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは2.75スイスフランと、前年度比+1.9%、過去5年間では年率+4.1%となりました。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.9%減少しました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは概ね10〜15%程度となっており、投資効率が比較的高いです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+40%(年率+6.9%)と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率+61%(年率+9.9%)を下回りました。

競合他社(食品・飲料)の株価上昇率(Nestleはスイスフラン建て、Danone、Pernod、Heinekenはユーロ建て、Kweichowは人民元建て、Asahi、Kirinは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

ネスレ(Nestle)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲1%と、15社平均(+5%)を下回り、15社中第9位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+24%と、15社平均(+20%)を上回り、15社中第5位となりました。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

株式市場が大きく下落した局面では、下落率が抑制されています。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.1%、金利が1%上昇した場合は5.0%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億スイスフラン)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+7%、4年目〜6年目+5%、7年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+7%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+7%、4年目〜6年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は118スイスフランとなります。

ネスレ(Nestle、NESN.SW)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は843億スイスフランと、前年度比▲8.9%、過去5年間では▲1.0%となりましたが、EPSは前年度比ほぼ横ばい、過去5年間では+8.2%と拡大中です。

DCF法による目標株価は118スイスフランのため、2021年3月末時点の株価105スイスフランより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.6倍(年率+5%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである12%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

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